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<26コツ目>入退去時にインターフォンの録画を消していますか?

過去3回、賃貸管理業で発生する電気関係のトラブルについてご紹介いたしました。

第1回 キュービクルって何?
(電気の分類、強電)

第2回 入居の際に電池や管球交換が必要な事をお伝えしていますか?
(専有部分(家電)、共用設備、電池)

第3回 インターネット無料物件の賃貸管理上の注意点は?
(弱電:テレビ、電話、インターネット)

今回の第4回は電気の最終回になります。
4回目は前回ご紹介しきれなかった弱電に関するトラブルの後編と、番外編をご紹介したいと思います。

目次

    インターフォン、オートロック配線

    一戸建ての場合は、室内のインターフォンが鳴ると来訪者は自宅玄関のすぐ前にいますが、オートロック付きマンションのような場合は、まずマンション全体の玄関(1階の集合玄関)からインターフォンで呼ぶことになるため、そこ(集合玄関)から建物の全戸に配線が張り巡らされています。集合玄関にあるインターフォン(親機)は、集合玄関扉の自動ドア、そして、全戸の玄関子機、室内子機と連動しています。

    さらに、セキュリティ機器(警報)や管理人室、大型のマンションでは共用施設(予約機能)までが連動しているため、集合玄関の親機が故障してしまうと、大変な騒ぎになってしまいます。

    また、賃貸管理会社としてインターフォンで注意しなければならない点は、録画機能です。
    直前に入居していた方が録画を消さないで退去したあと、このままの状態で次の入居者が入居してしまうと、その録画されたものを再生する事が出来てしまいます。

    賃貸管理会社としてはこのような事態は避けたいものです。

    防犯カメラ配線

    上記のオートロックと並んでセキュリティ機器として導入が進んでいるのが防犯カメラです。
    これまでは施工費用が高いため、なかなか導入が進んでこなかったのですが、入居者のセキュリティに対するニーズが高まっている事と、様々なタイプのカメラの登場により、商品によっては比較的安価で導入する事も可能になってきているため、最近では導入が進んでいます。

    タイプとしてはリアルタイムで映像を見られるタイプと、遠隔で映像が見られないため、実質的に録画のみのタイプがあります。
    注意しなければならないのは、管理会社の社内でも見られるタイプです。プライバシーの問題だけでなく、対応責任が発生する可能性が生じます。

    基本的には賃貸管理会社は警備会社ではないので、現場で事件が発生しても責任を負う事は出来ません。
    また、常時管理会社の社員が防犯カメラを見ている訳でもありません。オーナーや入居者の方々にはこのあたりでトラブルにならないようにする必要があります。

    自動火災報知設備

    一定規模以上の共同住宅には自動火災報知設備の設置が義務付けられており、ここには様々な消防設備が配線を通じて繋がっています。基本構成は熱や煙、炎等を感知する感知器や警報ベルが受信機と呼ばれる操作盤に集まり、音で知らせる仕様になっています。

    これに加え、大型マンションでは防火戸やシャッターなどが設置され、非常時にはこれらが自動で閉じるような仕様もあり、様々な設備が存在しています。

    火災発生時に自動火災報知設備が故障していると被害が大きくなるため、自動火災報知設備は、6ヶ月に1回の機器の点検を実施しなければなりません。

    さらに3年に1回は消防機関に報告する事が法律で義務付けられています。
    賃貸管理会社の方で注意しなければならないのは、この報告がなされているかと言う確認です。

    また、管理を受託しているマンションの一部にホテルや飲食店等の一定の用途のテナントが入居している場合、この報告が1年に1回となる事です。

    その他

    その他、弱電の配線(無線を含む)は様々な設備に繋がってます。
    例えばインターフォンは宅配ボックスや入居者のスマートフォンにも連動するようになっており、用途の可能性が広がる方向にあります。

    さらにこれらの弱電設備は別々に設置されているだけでなく、複数の設備を一つの操作盤で兼ねられるようにもなっています。
    外出先で自身のスマートフォンから、自宅来訪者の確認、宅急便の到着、共用設備の予約、鍵の開錠、地域の災害警戒情報の取得、防犯カメラの確認等、現在は分譲マンションが中心となっている機能も、賃貸マンションにも広がってくるものと思われます。

    以上、弱電設備を見てきましたが、個人的には今後、家庭用の電話、インターネット、テレビのような設備は、有線から無線に切り替わって行くように思います。
    電話が固定電話からスマートフォンに切り替わったのと同様です。そして最終的には消防設備や警備設備も含め、弱電設備の配線はすべて無くなり、無線に切り替わるのではないでしょうか?

    番外編

    弱電設備は以上となりますが、最後に今回の電気編として、これまでご紹介した電
    気設備以外のものをご紹介したいと思います。

    ①アース線

    まずはアース線の概要について確認したいと思います。
    アース線は万一、家電製品に漏電が生じた場合に感電や火災の危険を防止するための設備です。

    エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、衣類乾燥機、温水洗浄便座などの家電製品から伸びている被覆された針金状の配線で、これを居室内の壁面にあるコンセント、特に水回りの周辺のコンセントに取り付けて使用します。

    取り付けられるコンセントには専用の端子が設置されており、この端子の種類はいくつかありますが、アース線の被覆を剥がしたり、アース線を取り付けるためにちょっとした工具が必要になるため、取り付けが軽視されがちです。賃貸管理会社としては、入退去時にアース線を取り付けるための端子が無くなっていないかの確認と、入居者から使用方法等について質問があった場合に回答が出来るようにしておく等が求められます。

    ②避雷針

    一定規模以上の建物の屋上には棒状のものが立っており、建物に雷が落ちた時にここで雷の巨大な電流を受け止め、棒の根元から建物に沿って地面まで届いている導線を通じて、電流を大地へ流す(放電)する設備です。常時電流が流れているものではないので賃貸管理業務上で特に対応する必要は無いと思います。

    ③携帯電話基地局

    管理物件の中で周辺の建物よりも高い物件には、携帯電話会社から携帯電話用の基地局としてアンテナを立てたいと言う相談が来る事があります。
    これを了解して、アンテナを設置するとその建物の共用電気を使用しなければならない事もあり、電気代の負担とアンテナ利用料が継続してオーナーの収入として入る事になります。
    賃貸管理会社としては、この会社が屋上に出入りする事もあるための対応が必要な場合があります。

    まとめ

    以上、4回に渡って電気関連のトラブルについて、各設備の概要をご紹介しながら確認してきました。

    電気は専門性の高い分野でもあるので、賃貸管理会社がすべての内容を把握する事は難しいと思います。
    このため、気軽に相談のできる電気屋さんを取引先に抱えておく事が重要になると思います。

    また、個別の解説の中でも触れましたが、弱電設備については今後、さらに無線化が進むものと思われます。
    無線化のメリットは様々ありますが、賃貸管理会社にとっての最大のメリットは、既存の管理物件に設備を後から設置するのに有線の時には必要であった配線工事が不要だと言う点です。
    このため、低コストかつ短期間で設備を導入できるため、空室対策には強力な味方となると思います。
    ぜひ、継続的に情報を取得されることをお勧めします。

    以上

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