<22コツ目>「水漏れ」「雨漏り」「水詰まり」その3 - GMO賃貸DX
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<22コツ目>「水漏れ」「雨漏り」「水詰まり」その3

前回は「水漏れ」と「水詰まり」、その前半についてご紹介いたしました。
<21コツ目>「水漏れ」「雨漏り」「水詰まり」その2

今回はこの続きで、「水漏れ」と「水詰まり」、その後半について、考えてみたいと思います。

目次

水の貯留部分の破損や劣化

建物の給排水設備には配管だけでなく、水を貯めたり、あるいは水がかかったりする部分があります。これらが破損・劣化しても水漏れが発生します。

①浴槽、浴室壁面・床面の破損

浴槽は破損して水が漏れれば、溜めた水が減ってきますし、見た目にも水漏れを発見しやすいため、比較的大きな事故になりにくいかと思います。
これよりも水漏れを発見しにくいのは、浴室の壁面や床面の破損になります。
浴室の床や壁は、ユニットバスの場合パネルを貼り合わせているため、この接合部分から水が漏れる場合があります。また、タイル仕上げの浴室であれば、タイルの目地(タイルのつなぎ目)部分から水が漏れる事があります。

パネルであってもタイルであっても、その隙間にはコーキング材(シーリング材)を注入して、水が漏れないように施工されています。
ところが、このコーキング材は必ず劣化するため、時間の経過とともに縮んだり、ひび割れを起こしたりするようになります。
この状況を放置してしまうとその部分から水漏れが発生します。

特に鋼板が使用されている古いユニットバスの壁のパネルの場合、コーキング材の劣化→若干の水が浸透→パネル表面の塗装の剥離と下地の鋼板の錆び→水漏れと、言うように、より大きな水漏れにつながる恐れがあるため、早めに対応する必要があります。

②台所・洗面台シンクの破損

浴室以外にも、水を貯めたり、水が溜まったりする部分があります。
台所や洗面台のシンク(水槽部分)です。
こちらも破損してしまうと水が漏れます。
また、台所・洗面台のシンクには、もう一個所水漏れの発生しやすい部分があります。
それはこれらの排水口と排水管の接続部分です。実はここにもパッキンが使用されており、劣化が進むと他のパッキンと同様に水漏れの原因となります。

設備故障(各室)

これまでにご紹介した給排水設備以外にも、水を使用する、あるいは水が通過する設備はいくつかあります。
各室設備では給湯器、ディスポーザーのような設備がこれに当たります。

また浄水器でも、専用水栓のついているタイプでは、水漏れの発生する恐れがあります。
いずれの設備も新しいうちはそれほど心配する必要はありませんが、古くなってくると各設備の取扱説明書に記載されているメンテナンスを実施しなければ、水漏れが発生してしまうかもしれません。

設備故障(共用部)

共用部分に設置されている設備にも水漏れ(あるいは水のあふれ)が発生する可能性があります。

①受水槽

受水槽でも水漏れが発生する可能性があります。
配管回りはもちろんの事、受水槽本体でも水漏れが発生します。
実は受水槽は素材にFRP(ガラス繊維を混ぜて強化したプラスチック)を使用している事がほとんどで、特に屋外設置型の受水槽は太陽光の影響でFRPの劣化が早く、破損して水漏れが発生する場合があります。
また、このFRPパネル同士を接合している部分にもパッキンが使用されており、この劣化により水漏れが発生する場合もあります。

破損した受水槽の場合、心配なのは水漏れだけでなく、雨やその他の物質の受水槽内部への浸透です。
浸透したものによっては、衛生上、大きな影響を及ぼすため、受水槽の破損への対応は他の設備に比べ緊急性がより高いと言えます。

②浄化槽

浄化槽は都市部ではあまり見かけなくなってきましたが、浄化槽も水漏れ(と言うより、水のあふれ)が発生する場合があります。

公共の下水道の整備がされていない地域では、各住戸に浄化槽を設置して、そこで一定程度、住宅から流された下水(汚水や雑排水)を浄化し、川へ流さなければなりません。
この浄化槽は、ろ過やバクテリアに有機物を食べさせたりする事で、水質を改善すると言う仕組みになっています。ただし、この仕組みですべての汚物が無くなる訳でありません。
このため、定期的に浄化槽内に沈殿した汚染物質を汲み取ったり、点検をしてバクテリアが正常に作用しているか等を調整する必要があります。

この汲み取りや点検を怠ったりすると、浄化槽から水があふれる事があります。
とは言っても、浄化槽(通常は地下に埋まっています)から地面に水があふれると言うよりも、正常に浄化されなかった下水がそのまま川に垂れ流される状態になります。
汚染された下水が川に流されると環境への影響も大きいので、法律(浄化槽法)が定められており、最悪の場合、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金と言う罰則を被る可能性があります。
このため、賃貸管理会社としてもしっかりと管理する必要があります。

③消防設備

一般の上下水以外に消防設備用の給水設備があります。
これが設置されているのは比較的大型のマンション等になります。
設置されている設備は、連結送水管やスプリンクラー等になりますが、これらの保守をしっかりとしていないと、水漏れが発生したり、何よりも肝心の火事が発生した時に使えないと言う事態になるかもしれません。

入居者の不注意

これまでにご紹介した排水トラップの清掃不足やトイレの詰まりにつながるものを流す事以外にも、入居者の不注意による水漏れ事故があります。

①水の出しっぱなし

洗濯機や台所で水を出しっぱなしで外出してしまう入居者は時々おられます。
台所の流し台には予めオーバーフロー(水があふれる事を防止する穴)が設置されていますが、その排出能力を超えるような勢いで水を出してしまうと流し台でも水があふれる事があります。

②流し台の下部収納

流し台の下部収納には、シンクに溜まった水を排出するための排水管が設置されています。
入居者が台所用品をここに収納する際、この排水管を押してしまい、排水管がずれ、隙間から水が漏れる場合があります。
特にミニキッチン等によくあるような、排水管が蛇腹(じゃばら)状のホースになっているタイプの場合は、少し押すだけで床面の配管から抜けてしまいやすいので注意が必要です。

③入居者の所有物

このほか、入居者の所有物から水漏れが発生する場合があります。
例えば、熱帯魚を飼っているような水槽や花瓶、バケツ等に入れていた水をひっくり返したり、破損させた場合に水漏れが発生します。

高圧洗浄

排水管に汚れが溜まって詰まらないように、定期的に高圧洗浄をして、排水管内の汚れを落とす作業があります。
この作業が比較的短期間ごとに実施されている場合はあまり問題ありませんが、長期間作業を実施していなかった物件で実施すると、逆に長年のゴミが排水管の曲がりの部分に引っ掛かって、詰まってしまいます。
また、最悪の場合、この曲がりの部分で排水管自体がすっぽ抜けてしまい、水漏れが発生する場合があります。

地震や台風などの自然災害による破損

最後に、自然災害によっても水漏れ事故は発生します。
特に地震をきっかけに給排水設備が破損、故障する場合があります。
また、配管の凍結によって配管が膨張して破損する場合もあります。

まとめ

3回に渡って「水漏れ」「雨漏り」「水詰まり」、さらにその前に「お湯が出ない」「水が出ない」を含めて、全5回に渡って水回りのトラブルについてご紹介いたしました。

改めて考えてみると、本当に様々な原因からこういったトラブルが発生する事が分かります。
また、主な原因は設備の劣化や保守管理の怠慢、入居者の不注意によるものです。
そのほとんどは予防する事も可能です。

水回りのトラブルは緊急性の高いものも多く、入居者からも緊迫した状況でご連絡頂く事も多いですが、的確に対応するためにも、慌てず落ち着いて対応する事を目指したいものです。

以上

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