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<24コツ目>入居の際に電池や管球交換が必要な事をお伝えしていますか?

前回は賃貸管理業で発生する電気関係のトラブルの第1回目についてご紹介いたしました。

今回は第2回目になります。
前回は供給側(コンセントに電気が来るまで)のトラブルだったので、トラブルの発生頻度が非常に低いものでしたが、今回は家電が中心となるため、格段に発生頻度が高くなります。

また、前回、家電と弱電設備に分けると言うご説明をしましたが、現在では家電製品でも有線、無線を問わず弱電であるインターネット回線に対応しているものも多く、共用設備にしても、何らかの弱電配線につながっている事から、分け方を変更し、専有部分(家電)、共用設備、弱電(配線)、そして新たに電池を加えて4つに分ける事といたしました。

目次

    専有部分(家電)

    今回、対象としている家電製品は賃貸住宅に予め設備として備え付けられているものになります。このため、入居者が引っ越しの時に持って来られたり、入居後に購入されたものは除きます。

    ①エアコン

    ・効かない、電源が入らない
    エアコンが急に効かなくなったり、電源が入らなくなったりする原因はいくつか考えられます。

    エアコン本体の電源ランプが正常に点灯しているのにも関わらず、電源が入らなければ、まずリモコンの電池が切れていないかの確認をします。また、原因として意外に多いのがエアコンの先端の赤外線ランプが汚れている場合です。この場合も正常に作動しません。
    電源ランプの点灯状態に異常があったり、(前回ご紹介したブレーカーを確認した上で)電源ランプ自体が点灯しない場合には故障を疑った方が良いかもしれません。

    ・効きが悪い、変な臭いがする
    効きが悪い場合は様々な原因が考えられます。
    一番可能性が高いのはフィルター清掃を長期間しなかった場合です。
    この場合は、空気の通りが悪くなるため、エアコンの効きが悪くなります。
    エアコンの使用頻度にもよりますが、通常は月に1回は清掃をするように入居者にご説明頂いた方が良いと思います。

    冷媒(ガス)の漏れや異常がある場合にも効きが悪くなる場合があります。
    ドレンホース(エアコンで発生した水を外部に流すためのホース)に詰まりや漏れがある時も効きが悪くなる場合があります。エアコンフィルターの清掃頻度が低い場合にはドレンホースがその分、早く詰まる可能性があります。

    室外機の異常もエアコンの不調につながります。特に室外機の吹き出し面を中心とした空間が狭い場合には効きが悪くなります。
    さらに、故障していない場合にも効きが悪くなる場合があります。それは、外気温と室内の温度差です。実際にあったケースですが、寒い冬場に冷房を付けようとして、入居者から連絡が来ました。確認すると安全装置が働いて、冷房が使用できなかったようでした。

    ・水漏れがする
    ドレンホースの素材は元々プラスチック系であるので、あまり強度が無く、汚れが詰まったりして流れが悪くなると、接続部や裂け目から水が漏れる可能性があります。

    以前、このドレンホースの配管を壁の内部に長く這わせることによって、配管の露出を抑え、建物の外観を良く見せようとした物件がありました。
    この物件はドレンホースからの水漏れの発見が遅れ、結露やシロアリが発生したことにより、結果として水漏れが発見される事になりました。
    このため、復旧に大きな手間と費用がかかってしまいました。

    ②照明器具

    照明器具が点かなくなる原因の一番は管球切れです。
    これはほとんどの方がご存じなので説明の必要はないかと思います。その上で一点だけポイントをご説明します。

    ご存じの通り、照明器具はLED化が進み、LEDに切り替える場合は、基本的には既存の照明器具をLED照明に交換する訳ですが、既存の照明器具に取り付けてLED化出来る管球も販売されています。この場合、仮に、大きさも一致し、取り付けて実際に点灯した場合でも、その規格が異なると発火・発煙の危険性があります。
    このため必ず規格を確認してから取り付けて頂くようお願いいたします。
    (参考)一般社団法人 日本照明工業会

    ③その他

    その他、換気扇、IHコンロ、温水洗浄便座、給湯器、電気温水器、洗濯機、乾燥機、食器洗い乾燥機、床暖房、冷蔵庫(ミニキッチン)、家具・家電付き等、賃貸住宅には設備として様々な製品が設置されている物件があり、しかも、この設備は増加傾向にあります。これらの設備について、共通して重要なポイントが一つあります。

    それは「清掃」です。
    多くの家電製品は使用すると徐々に汚れます。
    このため、それぞれの設備の取扱説明書を読むとメンテナンスについて、説明されています。

    これらは基本的には入居者ご自身に実施して頂く事ですが、賃貸管理会社としては、予めその内容や方法を入居者にお伝えしておく事、そして、入退去時のルームクリーニングの際、一通りメンテナンスの必要な設備について確認する必要があります。
    このメンテナンス(清掃)を行っていないと、各設備が故障しやすくなるだけでなく、設備の寿命を縮めたり、場合によっては火災や水漏れ等の原因になる場合もあります。

    共用設備

    共用部分の設備もそのほとんどに電気を要します。
    エレベーター、受水槽、オートロック(自動ドア)、防犯カメラ、宅配ボックス、EV充電設備、太陽光発電設備、機械式駐車場、自動火災報知機等です。

    これ以外にも、浄化槽(排水をきれいにして海や川に流す設備)も電気を使用しています。
    浄化槽の仕組みの一つには微生物により汚水を分解する過程があり、このためには汚水をかき混ぜる(攪拌=かくはん)必要があります。このためにブロワーと呼ばれる設備が必要で、これを動かすために電気が必要になるからです。

    共用部分の設備にトラブルが発生すると建物の住人全体に影響が出るので、ほとんどの設備には定期的な保守管理(多くの場合は法定点検)が必要になり、この際に電気系統のチェックも行います。

    電池

    多くの家電製品にはリモコンが付帯しており、電源は電池であるケースがほとんどです。
    それぞれのリモコンの電池を使い切ると交換する必要があり、通常は賃貸借契約上(照明器具の管球と同様に)、入居者負担となっています。
    このため、入居者がご自身で交換されているので、実際にはあまりお問い合わせ頂く事は無いのですが、このリモコン以外にもいくつかの設備には電池が使用されています。

    例えば、湯沸かし器(古いタイプの室内型給湯器)やガスコンロにはガスに着火するために電池が使用されています。このため、入居者から電池が切れただけなのに壊れたと言うご連絡を頂く場合があります。また、電気式のシリンダー錠(鍵)にも電池が使用されており、スマートロックやデジタル式の番号キーは、一定年数ごとに電池交換が必要になります。

    まとめ

    今回は家電を中心に、そのトラブルについてご紹介いたしました。

    ホテルと違って、基本的には賃貸住宅の室内に賃貸管理会社のものは入ることが出来ません。
    このため、入居者に対して設置されている設備の機能維持のために、ある程度のお手間とご負担をおかけすることになります。
    それは照明器具の管球と電池の交換、そして設備の清掃を中心としたメンテナンスです。

    入居者には様々な方がおり、中には初めて賃貸住宅に入居される方もおられます。
    上記のお手間とご負担について入居の際にしっかりとお伝えする事が、トラブル発生の際、対応をスムーズにするポイントになるのではないかと思います。

    以上

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