2022.10.21 RELEASE

入居者との良質な関係を築き、「GMO賃貸DX 入居者アプリ」と歩む本質的な賃貸管理とは?

  • 入居者アプリ

有限会社明克

 

神奈川県川崎市に拠点を構え、川崎市を中心に不動産賃貸・管理を行う有限会社明克。不動産を通してオーナーや入居者へ献身的なサポートをする明克は、2021年11月に「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を導入。今回は代表取締役の櫻井様に、なぜ「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を選び、どのように活用しているのかお話を伺いました。

 

コミュニケーションの積み重ねがトラブルを未然に防ぐ

まず、貴社の賃貸管理の特徴や運営体制についてお聞かせください

1987年7月に不動産管理会社である明克を立ち上げ、2022年10月現在は従業員10人(パート含む)で運営しています。賃貸と委託管理を合わせて約300戸の自主管理オーナー様で、住宅物件のうちワンルームが全体の95%以上を占めています。東京都から多摩川を越えた川崎エリア側の臨海部という立地のため、東京都心や横浜方面へのアクセスも良く、羽田空港や臨海エリアで働く方々に人気の高いエリアです。

 

当社では入居当初の契約媒介をすることはほとんどありませんが、家賃収納管理や清掃メンテナンス業務、契約管理(更新・解約)といった入居後の管理(プロパティマネジメント)がメインの業務です。

 

普段から入居者様とのコミュニケーションを増やしているとお聞きしましたが、入居者様からの問い合わせでよくある質問や困りごとって何がありますか?

有限会社明克 代表取締役 櫻井様

やはり最近は「騒音」に関する問い合わせが一番多い傾向にあります。続いて「ごみの出し方」と「インターネット関連」、そして「設備の故障」「入居における事務手続きに関する問い合わせ」と様々な問い合わせをいただきます。

以前は不在が多かった日中の時間帯ですが、コロナ禍の影響で在宅率が高くなったため、近隣の生活音に対して敏感な方が増えました。マンション等の防音性能の高い鉄筋住宅で育った世代が、鉄骨や木造の集合住宅で初めて生活するケースも要因の一つだと考えています。

不動産関連の事務手続きは郵送や書面でのやり取りが多いですが、当社では基本的に対面でのコミュニケーションを重視しています。例えば入居時の契約関連は不動産仲介業者様に依頼していますが、引っ越し時の現況確認は当社が直接現地に赴き入居者様と立ち合いの下で行っています。その理由は最初から入居者様と面識を持つことが、その後の賃貸管理においても大変スムーズになると考えているからです。また、契約更新時は当社の事務所に足を運んでいただき、その際に設備の故障がないか等の確認と声掛けをしています。アナログ部分も含めたコミュニケーションの積み重ねが、退去時のトラブルの未然防止に繋がっていると考えています。

入居者様との接点を大事にしている御社が、入居者様の満足度を高めるために実施していることはありますか?

「宅配BOX」や「無料インターネット」などの設備は導入していますが、一番好評なのは24時間ゴミ出しができる「ゴミハウス(ゴミステーション)」の設置です。入居者様側からしか開閉できないドアの鍵をお渡しし、ゴミ収集業者が回収する側のドアは回収日の朝に当社の担当者が開錠しています。さらに清掃もほぼ週5日間入っていますので、不法投棄やルール違反が少なく、清潔感を保ちつつ気持ち良くご利用いただいています。

スピード感ある入居者対応に繋げるためのアプリ活用

お話を聞く限り、賃貸管理をするうえで困り事などは見当たらなさそうですが、アプリ導入前に業務の中で抱えていた「課題」や「悩み」はありましたか?

アナログ業務が多かったこともあり、入居者様へのスピード感ある対応ができなかったことですかね。当社ではアプリ導入前までは、入居者様への連絡手段は「電話」が中心でした。また、法定点検や建物全体修繕等の連絡は「手紙」で行っていました。そのため、電話の場合は、入居者様に連絡が繋がらない、後で繋がったとしてもワンテンポ対応が遅れてしまうので、特に緊急を要する修理対応に遅れが出てしまい、入居者様に迷惑をかけてしまうのが悩みでした。

さらに、時代を経るごとに、郵送した手紙を読まない入居者様も増えてきた傾向にあります。最近では公共料金やクレジットカードカードの明細がWEBでも確認できるようになり、郵便物の割合が減少していますよね。そのため、メールポストを開く機会も減ってきたため、手紙を送っても一方通行のコミュニケーションになりがちがだと考えています。

これでは入居者様が安心して住める環境を整えるのが難しいのでは…と思い、アプリのようなスピード感を持った意思疎通ができるサービス導入の検討も視野に入れました。

 

入居者様への満足度向上を目指すために、様々な葛藤があったんですね。他にアプリ導入を後押しする出来事はありましたか?

不動産業界でもDXの波が押し寄せていたことです。例えば、宅地建物取引業の一部が改正され、今後はIT重説や電子契約が進んでいくのは目に見えていますよね。また、賃貸住宅管理業法が施行されたことで、自主管理大家とはいえ将来的に管理の質が問われるようになっていくことに加え、電子帳簿保存法や2023年10月に導入されるインボイス制度などによって加速するDXに適応していくためアプリの導入を検討し始めました。

 

インボイス制度とは?
出典:国税庁

 

本当に欲しかった「チャット機能」で、密な意思疎通を実現

今では多彩なアプリがありますが、「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を選んでいただいた理由をお聞かせいただけますか?

「GMO賃貸DX」に初めて出会ったのは、2021年に開催された賃貸住宅フェアと不動産テックの展示会でした。もともと当社では2000年ごろにWEBページを開設しましたが、当初からGMOインターネットグループのサーバーを利用しています。安全性も高く、信頼して利用させていただいています。そこで、同じグループ会社が提供するアプリなら信用できると思ったのがきっかけです。

その展示会では各社得意分野があり、正直どのアプリにするのか大変迷いました。契約管理や修繕等のメンテナンス管理、経理管理と、各社のサービスに特徴がありました。その中でも「GMO賃貸DX 入居者アプリ」は、入居者様が利用しやすいスマートフォンアプリを提供していたのが決め手の一つです。アプリひとつで入居者様が必要な契約情報や設備の説明書をいつでも確認可能で、定期的なお知らせやニュースを流すことができ、何より入居者様と気軽にチャットができることがニーズに合致しました。

 

ありがとうございます。「GMO賃貸DX 入居者アプリ」のチャット機能を使い、どのようなコミュニケーションを図ろうと考えていたのですか?

当社では従来「入居管理帳」という紙の帳簿で入居者様ごとの管理をしていました。病院でいう「カルテ」のようなイメージです。ここには、過去の問い合わせの記録、トラブルや延滞の記録等が事細かく記入がされていて、これはこれで大変重宝しています。

アプリ検討当初はLINE等のSNSを利用して入居者様へアクションをしようと試みましたが、プライベートに踏み込み過ぎてしまうのではないか、加えて通知の頻度や配信等のミスも不安材料でした。その点、賃貸管理に特化したアプリであれば、前述したようなリスクも避けられます。入居者様が必要とする情報や内容を適切な形で届けられる「GMO賃貸DX 入居者アプリ」が当社の求めていたアプリでした。

 

実際に「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を使ってみて、管理画面の操作性などはいかがですか?

たいていの操作は管理画面(ダッシュボード)で完結するので、パソコン操作が苦手な方でも問題なく使えると思います。「この項目が左側にあったほうがいいかも?」といった細かい改善点については、サービス導入から伴走してくださっている貴社のサポート担当者に提案しています。

 

アプリを利用する入居者様からの反応はいかがですか?

以前、設備の故障があった入居者様からチャットを通じて動画が送られてきました。特に異音は音の大きさやその様子は言葉では伝えづらいので、大変助かったと言われました。当社としても現地へ急行する前に状況がよく分かり、次の対応策を迅速に取ることができました。こうやって入居者様へ適切な対応をミスなく行えるのも「GMO賃貸DX 入居者アプリ」があるからです。

また、アプリの導入案内をした時に「紙での案内がなくなるのはいいことですよね」と言われたことがよくあります。こういう意識を持たれている入居者様が最近増えているのは、「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を導入したからだと感じています。

 

業務効率化にとどまらない本質的な賃貸管理を

GMO賃貸DX導入前と後とで変わったことがあればお聞かせください。

入居者様からの問い合わせの第一報はこれまで電話が一番多かったのですが、アプリのチャットに変わったことで、対応のための事前準備がしっかりでき、スピーディーで的確な回答が可能になりました。そのため、問い合わせから解決するまでの期間がかなり短縮されました。 

その反面チャットで細かな要望を伝える方も増えてきましたが、要望を言いやすい環境・関係性を作れたことは前向きに捉え、意見のもみ消しがないように今後の賃貸運営に役立ていこうと考えています。 

また、以前は入居者様全体への周知事項は紙でのお知らせがメインでしたが、アプリ導入以降は大幅に減少して業務が楽になったと従業員からの声が届いています。ただ、普段からアプリを開いている方でないと伝わっていないという点にまだまだ工夫の必要があると感じ、1ケ月に1度のペースで定例ニュースを流すなど、変化をつけた運用を試みています。

 

問い合わせ数の減少などの業務効率化を目的としている管理会社様が多い中で、入居者様との関係値向上を目的とする理由をお聞かせください。

もちろんアプリ導入によって業務効率化が図れるに越したことはありません。ですが、当社では入居者様がアプリを使うことで、困った時にいつでも問い合せしていただける環境を構築するのが入居者アプリの本質であると考えています。そのため、管理会社の業務を減らすことだけが入居者アプリの目的ではなく、入居者にとってより良い体験を提供していくことが使命であると思っています。

問い合わせ数が多いという点に関しては、入居者様への説明力がまだまだ足りないと受け止めており、他社様の事例を見て勉強しています。ただ、問い合わせしづらい仕組みや雰囲気を作って関係性を希薄にしてしまうことだけはないような配慮も大切にしていきたいです。

 

入居者様との「密なやり取り」にこだわるきっかけがあれば教えていただけますか?

書面だけを送るような事務手続きは簡単ですが、当社ではコミュニケーションは絶対に必要だと考えています。もし、書面や電話だけで契約を済ませ、実際に会ったことがない相手にモノ(部屋)を貸すのはやっぱり抵抗があります。実際に会って話してみると入居者様も安心感が出て、賃貸契約以外の話題も出てくるわけです。例えば、仕事の話だとか、趣味の話など、その人柄が分かるぐらいの関係になると、気軽に質問もしやすくなるみたいです。お互いをよく知ることができれば物件を綺麗に使っていただけたり、トラブルが発生する確率も大幅に減るメリットがあります。人柄や属性などのデータはその方へのアプローチにも役立ちます。

一方で最近では家賃さえ支払っていればコミュニケーションは必要いらない、信頼関係の構築は必要ないという方も増えています。こういう方は、苦情もなかなか注意できなかったり、契約条件で揉める確率が高くなります。実際、犯罪拠点として利用されていたケースもありました。警察の話では、そういう方は敷地内で会っても挨拶をせず、人を避ける傾向にあるそうです。むしろ集合ポストが荒れていたり、掃除が行き届いていないような物件を探しているとのケースが多いとのことです。

また、いつのまにか他人へ転貸借されていたケースもありました。普段からコミュニケーションを図っていたため、異変から1ケ月以内に発見できましたが、現行の借地借家法上、明け渡しには現在住んでいる方へ明け渡しの通知が必要で、短いとは言え大変苦労した記憶があります。

このような経験も踏まえ、細かな意思疎通は当社において欠かせない賃貸管理のコンポーネントだと言い切れますね。

 

DXの推進にはアナログでの関係性構築が前提条件

入居者様とコミュニケーションを効率化させるようなアプリ導入を考えている皆様に向けて、どのような点に着目してアプリ導入を進めればいいのかアドバイスをいただけますでしょうか?

有限会社明克 櫻井様

当社では対面や面識があるからこそ初めてDXが成立し、その関係性を築いた先に「GMO賃貸DX 入居者アプリ」を活用して業務をスムーズに行うことができると考えています。何度も言いますが、メールや電話だけで会話したことがあるだけだと、なかなか相談しづらいのではないかと思います。機械だけに頼らず、人と人が直接会って関係性を築くアナログな部分も必要です。

 

GMO賃貸DX導入に限らず、DXを推進していくことで今後どういった展望を考えていらっしゃいますか?

電子契約にIT重説など、時代が「紙」から「デジタルデータ」に変化する入口に立っていると思います。当然、双方のコミュニケーションの主流も手紙や電話からチャット等のツールに変化してくるでしょう。そして、スマートフォンの中に契約や取扱説明書等の賃貸契約に関する情報を集約する時代がきたと思っています。それらを総括する上ではアプリの充実は欠かせないと考えています。

先日、事務所の引っ越しをしましたが、紙で保管していた書類が大量だと気づきました。紙以外にも、鍵が電子錠に変更となったり、将来的には一度も貸主・借主が直接モノのやり取りをしない時代が来るかもしれません。そのような時代で、これからの賃貸管理にはスピードとセキュリティがより重視され、空いた時間で質の高い安心・安全なサービスを入居者様へ提供していくことが、DXの役割だと考えています。

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