2023.05.11 RELEASE

「GMO賃貸DX 独自アプリ ベルテックス」で、顧客とのより人間的な関係づくりや生活用品の物販が現実的に

  • オーナーアプリ
  • 入居者アプリ

東京都新宿区を拠点に不動産開発や賃貸管理を手掛ける株式会社ベルテックス。不動産投資事業では独自ブランドを展開し、貸主の収益性と借主の満足度を高めるべく「GMO賃貸DX オーナーアプリ」を導入しました。さらにGMO ReTechのカスタマイズで独自アプリ「ベルテックス」も開発。両者を活用した背景や成果について、株式会社ベルテックス 不動産事業本部 営業推進部 賃貸営業課 課長の下田竜大氏に伺いました。

少人数で多くの物件を管理するために電話やメールからの脱却が必要だった

初めに、貴社の賃貸管理の特長や運営体制について教えてください。

弊社では賃貸管理課と賃貸営業課が関連業務を担当し、前者は入居者様やオーナー様への対応に、後者は空室物件への客付けに特化したチームです。それぞれ10名ずつ配属され、トータルの管理戸数はおよそ3,600戸ですね。現在は少人数でより多くの物件を扱うことを目標に、業務の自動化を進めているところです。

「GMO賃貸DX オーナーアプリ」を導入するにあたり、どのような「課題」や「悩み」を抱えていたのでしょうか?

インタビュイー:株式会社ベルテックス 不動産事業本部 営業推進部 賃貸営業課 課長の下田竜大氏

業務の自動化を進める上で、当時の主なコミュニケーション手段であった電話やメールからの脱却がどうしても不可欠でした。なぜなら電話だと「相手とつながらない」、メールだと複数の人と内容の異なるやり取りを続ける中で「互いに理解できなくなる」といった状況が生じ、情報整理が困難だったからです。

また、契約書や覚書の作成や郵送といった紙業務が多々あり、オーナー様からも「書類を探すのに時間がかかる」「外出時に契約書を忘れたら何もできない」などの意見を頂いていました。さらに、オーナー様が弊社の担当者と話そうにも部署ごとに多数の電話番号が存在し「どこに掛ければいいのか分からない」とのご指摘がありました。これらがネックになっていましたね。

導入にあたり、懸念されたことなどはございましたか?

そもそもお客様とコンタクトを取る部署は「社内外を含めて連絡方法を統一するべき」と考えていましたが、そのためにアプリを導入しても「目的を理解してくれるのか」「使い慣れた電話やメールから切り替えてくれるのか」といった不安がありました。
また、オーナー様や入居者様とは、基本的に解約・入居募集時以外には連絡を取らないため「わざわざスマホの容量を割いてまでアプリを入れてくれるだろうか」といった疑問もありました。でも、結局は杞憂に終わりましたね。

今ある機能はもちろん、将来に向けた改善やアップデートに期待して導入を決意

他社製品と比較し、導入の決め手になった要素は何ですか?

▲ベルテックスオーナーアプリ(左)、ベルテックス入居者アプリ(右)

前提として、導入を検討する時点から弊社独自のアプリ開発も構想していました。GMO ReTech以外の各社は、オーナー様向けアプリはあるけれども入居者様向けが無かったり、あるいはその逆だったりして複数製品を導入する必要があり、使い方やログイン方法がバラバラになる可能性がありました。オペレーションの煩雑化は避けたいと考えていたところ「GMO賃貸DX オーナーアプリ」に出合いました。

GMO ReTechの営業担当者にはどのような印象を受けましたか?

一般的に営業担当者は、製品やサービスの契約に向けて全力を注ぎ、目的を果たすと情熱を失う傾向にあります。一方、私たちにとって重要なのは「導入後にどう支えてくれ、どのような展開が期待できるのか」であり、この点でGMO ReTechを選んで正解でした。役員とも話しましたが、アプリの機能そのものは自分たちで調べられ、内容をほぼ理解した上で契約するわけです。各社のできること・できないことは目に見えていて、どんなに営業担当者が尽力しても明確な差として表れてしまうのです。また「うちの製品にはこれだけ多くの機能がある。でも、今後も変えるつもりはない」では、弊社の方向性と合いません。それよりも「まだ実装されていないが、今後はこんな機能が追加される」といった導入後の開発体制が気になる中で、GMO ReTechは将来性や柔軟性に期待を持てました。

実際に先日も、CS※担当者に「入居者アプリの契約情報欄に郵便番号を表示できないだろうか?」と尋ねたところ、すぐに開発責任者と相談し、変更のメリットを理解した上で実装してくれましたね。

私たち不動産会社は、システム関連の知識が素人に近く「大切な予算を使うのに失敗したらどうしよう」「細かいエラーに気付けるだろうか」などと恐れに近い感情を抱いたりします。GMO ReTechのCS担当者は、こうした不安を丁寧に解消してくれますね

※「CS」とは、カスタマーサクセスのこと。「お客様の成功を達成する」という考え方や、活用支援と契約継続を担う部門。

アプリの導入を検討中の不動産管理会社に向けて「GMO賃貸DX」を選択するメリットをお聞かせください。

やはり、契約後もCS担当者が親身にサポートしてくれることです。また、内容にもよりますが、こちらの要望を反映した開発にも着手してくれますね。現時点で“見えている機能”だけでアプリを選ぶのは簡単ですが、契約するまで分からなかったフォロー体制が充実している点で本当にGMO ReTech選んで良かったです。

中でも、日々のデータ連携に関する支援に助けられていますね。作業への慣れからミスを見落とすこともありますが、GMO ReTechの営業担当者は「データが未入力ですが大丈夫ですか」などと気付いたことを指摘してくれます。

また「以前こういう取り組みをされると伺いましたが、進めていらっしゃいますか」と、先を読んで動いてくれますね。この先、他のCS担当者に代わっても同じレベルのサポートが受けられるよう希望します。

顧客とのコミュニケーション量が急増。物販も予定する中で「カルーセル機能がナンバーワン」

アプリ導入後、どのような効果を感じていらっしゃいますか?

アプリにより、いつでも気軽に連絡できる点をオーナー様も入居者様も理解してくれ、毎日のようにチャットでやり取りするようになりました。導入前と比べてコミュニケーション量は約4倍になり、想像に反して忙しくなりましたね(笑)。特にオーナー様からの売却査定依頼が急増し、対応に追われています。「物件を売りたい方々が潜在的に多かった」と気付かされた次第です。

このように、コミュニケーションが密になったおかげで多様な意見を把握できるようになりました。それを個々のサービスに生かすことができ、いい機会になっています。

導入時に苦労されたことと、それをどう乗り越えられたのか教えてください。

基幹システムとの連携について理解するのが難しいです。社内向けの説明会を開くにしても、私自身が内容を把握していないと何も話せないので勉強が大変ですね。

「SNSやメールでの連絡が当たり前なのに、なぜアプリのチャットを使うの?」という意見に対し、どう説得すればいいのか悩んだ時期もありましたが、それでも「アプリが浸透したら業務軽減につながる」「会社も今以上にハッピーになれる」と、推進させたい気持ちを強く持って臨みました。

いずれも心配したような事態は起きず、オーナー様からも「使い勝手が良いから、これからはアプリで連絡します」といった感想が寄せられていますね。

アプリでよく使う、あるいはお気に入りの機能はございますか?

▲ベルテックス入居者アプリのカルーセル画面

画像などのコンテンツを、最大10個までかわるがわる表示できるカルーセルがお気に入りです。むしろ、このUIが今後の主役になるといっても過言ではありません。

現在は入居者アプリのトップに配置して各ホームページに飛ぶよう設定していますが、将来は物販につなげる予定です。現場側からするとチャットや収支明細の機能に目が行くと思いますが、私は新たな売上の施策などを考える立場にいるので、やはり「カルーセル機能がナンバーワン」ですね。

チャットに関して重宝している機能はございますか?

参加者を追加する機能が便利です。メールのCC(カーボンコピー)と同様に内容をまとめられるので見やすく、返信も容易ですね。この機能により「共有が無かった」「知らなかった」という事態を防げています。また、従来は担当者が休むと「例の件でメールを送っておいたよ」などと声を掛けたり、社内SNSで伝えたりしていましたが、その手間も無くなりました。休んだ人をチャットに加えるだけで済み、閲覧されると赤い表示も出るので分かりやすいです。

アプリ導入による、お客様の反応はいかがでしょうか?

オーナー様からは「すぐに収支明細を見られていいよね」といった意見を頂いています。また「チャットのトピック機能でカテゴリーごとに分けられるのが便利」との声も届いています。

このトピック機能では、退居時の「原状回復の請求額はいくらか」、募集時の「家賃を何円に設定するのか」という案件が混ざらないのが魅力のようですね。

導入前に予想していなかったメリットなどはございますか?

やはり、オーナー様が「アプリのほうが気軽に連絡できる」と認識し、コミュニケーションが盛んになったことですね。従来は電話で確認し、エビデンスを残すためにメールを往復させていましたが、アプリのワークフロー機能によって省略できています。また「アプリを単なる連絡手段にするだけでは面白くない」と思っていたので、物販につなげられるカルーセルにも感心しました。

社内の皆さんからはどのような反応がございますか?

一人のお客様に全員で対応する」という雰囲気が出てきました。個人で抱えていた不安や悩みを共有し、フォローしやすくなりましたね。連帯感が強まったと思います。

そもそも弊社のメールはCCに上席を入れないと送信できず、当然ながら私も受信していますが、あまりにも数が多いので一つ一つに細かく目を通すのは不可能です。しかしチャットだと、連続して流れてくるメッセージに引き寄せられる効果がありますね。「こんなメッセージを返したのか」などと過程が分かり、メンバーへのアドバイスはもちろん、必要に応じて私から先方に回答する機会も増えています

企業の魅力を前面に押し出す独自性を求める中、独自アプリ「ベルテックス」を開発

独自アプリを選んだ理由をお聞かせください。

▲ベルテックスオーナーアプリApp store画像

原点は「ベルテックスという企業をオーナー様や入居者様にもっと知ってほしい。ブランドにしたい」という思いからです。

独自アプリを開発することで「独自のファンドサービスとシームレスな連携を図れる」とイメージできた上に、私たちは不動産投資会社なので「アプリから物件を購入できたら面白い」とも考えました。ベルテックスの良さを前面に押し出す独自性を求めたことが大きな理由ですね。

データ連携の自動化により、どの程度のコストを削減できるとお考えでしょうか?

現時点では基幹システムから手動でデータを引き出しています。この作業に毎日15分ほどを要しているので、月30日として計算すると、15分×30日で7.5時間です。弊社の時給を2600円とすると、月に約2万円を削減できることになります。

データ連携の費用がこの額を上回るのであれば無意味ですが、逆に7.5時間で2万円以上の利益を出せる活動ができるのであれば前向きに検討したいです。

リロクリエイト社との共同運用によって入居トラブルに対応されていますが、どのような構想でしょうか?

初めに、リロクリエイト社は入居トラブルが生じた際に24時間、365日体制で駆けつける会社です。私自身もアプリを通じた24時間、365日のサービス提供を考える中、同社への連絡手段が電話のみだった背景から「アプリのチャットによるトラブルサポートは可能だろうか」と考えたことが出発点になりました。

共同運用により「深夜でもチャットでつながれば入居者様が安心できる」「いつでもトラブル解決の回答が得られる」といったメリットが生まれた他、アプリ内にリロクリエイト社の電話番号を入れて連絡先の検索を不要にしました。

「賃貸契約も入居後のトラブルも全てスマホで解決していきたい」という私たちの思いがリロクリエイト社とGMO ReTechを結び付けた形ですね。

アプリを通じた物販について、どのようなアイデアなのかお聞かせください。

背景として、お客様も弊社も、互いに「メリットがあるからずっとつながっていたい」との思いがあるとの認識があります。

家具や家電のサブスクを手掛ける会社と委託契約を結び、アプリ内のカルーセルからレンタルできる仕組みを考えています。

そもそも弊社は新築物件を開発する際、浴室に高機能シャワーヘッドを採用したり、eスポーツのためのゲームゲーミングルームを用意したりと、ひと手間加えてきました。しかし、既存の物件に入居された方が利用できないことが課題でした。そこで、アプリを通じて最新の生活用品やテーマ性のある家具・家電の購入およびレンタルを可能にし、独自のライフスタイルを実現してもらえるよう目指したことが始まりです。

これから提携会社を増やし、最初は浄水器や空気清浄機、続いて食料品や日用雑貨を扱う予定です。いずれもベルテックスだけの特別価格で提供したいですね。

利益も頭に入れていますが、何よりもアプリ内のサービスに満足してもらい、更新率を向上させることを最優先の目標としています。部屋から出ることなく、何でも手に入るとしたら非常に便利ですよね。

入居者様向けアプリとIoTアプリとの連携について、いかがお考えでしょうか?

アプリがあらゆるリモコンになり、テレビや照明、カーテンなどをコントロールできるようになれば、物販と同じくスマホ一つで何でもできるようになります。

将来的に、例えばお年寄りや障がいのある方も私たちの管理物件で暮らせるよう、ヘルパーによる見守りサービスをアプリに加えることも可能になるかもしれません。「ベルテックスの入居者アプリを開けば何でも叶うね」と、手放せない存在になることが理想です。部屋の鍵を開けるたびに、テレビをつけるたびにアプリを立ち上げるようになれば、入居者様との接触頻度も高まります。

管理会社の機械的な役割は終焉に。アプリこそ顧客との関係性や従業員の気持ちを高める第一歩

今後、外部業者との委託や連携について、どのように取り組んでいく方針でしょうか?

2023年はアプリを浸透させる年にしたいです。現時点でオーナー様の50%程度、入居者様の30%ほどの利用です。アンケート機能によって様々なニーズも引き出せるので、弊社には無いアイデアも頂いて改善につなげていきたいものです。

さらに物販に限らず、アプリをコミュニティの場として活用したいです。入居者様のダンスコンテストを企画したり、フットサルチームを作ったり、バーベキューを開いたりして顧客と管理会社という概念を超えた関係が築けたら素敵ですよね。

私自身「管理会社は管理会社から脱却しなければ」と強く思っています。エアコンが壊れたので直す、騒音トラブルが生じたので解決する……といった業務はあまりにも機械的で「果たして、管理会社の皆さんは人間らしく働けているのだろうか」と危惧しているほどです。

そうではなく、入居者様とのフットサルやバーベキューで従来の管理会社のイメージを変える必要があるのではないでしょうか。私たちは従来の姿から、アドバイザーやコンサルタント、あるいはコンシェルジュといった役割を担うフェーズに移るべきだと考えています。

「GMO賃貸DX」のような不動産プラットフォームやアプリの導入を考えている方々にアドバイスをお願いします。

「不動産管理会社は不具合を解消さえすればいい」という時代は終わりを迎え、今後はより幅広いサービスを提供し、生活の一部になることが求められます。これらを叶える第一歩がアプリであり、さらにオリジナルアプリの開発による各種サービスの提供は従業員の働きがいにもつながるはずなので、ぜひ検討してはいかがでしょうか。

■会社名
株式会社ベルテックス
https://vertex-c.co.jp/

■所在地
【本社】〒163-6009 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー9階

■事業内容
不動産コンサルティング
不動産企画・開発
不動産の売買・賃貸仲介及び賃貸管理業務
不動産の運用
リノベーション及びリフォーム業務
損害保険代理店業務
生命保険の募集に関する業務

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