満室実現へ!おすすめの空室対策まとめ「家賃を安易に下げるのはご法度!?」

空室が出やすいアパート・マンションの特徴
空室が出やすいアパートやマンションの特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。
第一に、生活動線が意識されていないアパートやマンションは空室になりやすいです。
また、いくら空室対策をしても、そもそも物件が駅から遠ければ、駅に近い競合物件のほうに入居希望者が集まりやすくなります。
この章では以下のような特徴について、詳しく説明します。
- 生活動線が悪い
- 最寄り駅から離れている
- 周囲に競合物件が多い
- 物件情報の掲載を怠っている
これらの特徴は建物の立地等も関係するため、すぐに対策ができるわけではありませんが、特徴を知ったうえでできる対策を考えることが重要です。
生活動線が悪い
マンションやアパート内の生活動線が考えられていないと、どうしても空室になりやすいです。
「洗濯機がベランダにしか置けないため、寒い日に洗濯をするのが億劫になりそう」「コンセントが少なくて不便そう」など、生活上で不自由さを感じれば入居を躊躇してしまうでしょう。
また、「収納が少ない」「キッチンに冷蔵庫や食器棚を置くスペースがない」などといったケースも空室の原因に繋がります。
最寄り駅から離れている
アパートやマンションが最寄りの駅から離れているのも空室の原因となり得ます。お年寄りや足が不自由な方は、最寄り駅が近い物件のほうを好む傾向があります。
また、都市部では公共交通機関が移動手段となる場合が多いため、最寄りの駅から離れていると生活に不自由さを感じてしまうでしょう。
車移動が中心の地域でも、学生などが多いエリアでは駅に近いアパートやマンションが好まれる場合が多いです。
周囲に競合物件が多い
アパートやマンションの周囲に競合物件が多い場合も、空室になりやすいです。
以前は周囲に競合物件が少なかったけれども、その後に競合物件が増えるケースもあるので、周囲の物件の募集状況や賃料の相場情報には気を配っておきましょう。
物件情報の掲載を怠っている
空室で物件の募集をしている際に、情報誌やインターネットなどへの物件情報の掲載を怠っている場合にも、空室が長引きやすいといえるでしょう。
空室が長引きやすい原因としては以下のような例があります。
- リフォーム前の古い部屋の写真を掲載しているため、内見の希望者数が増えない
- アパートやマンションを探している人が空室情報を知ることができないため、問い合わせが増えない
- 不動産仲介会社のスタッフが空室情報を知らないため、紹介をしてもらえない
これらの原因で空室が長引いてしまわないように、物件情報が適切に掲載されているかは怠らずに確認しましょう。
おすすめの空室対策
なるべく空室を出さないために行う対策はどのようなものがあるのでしょうか。
空室対策にはいくつかの方法がありますが、時間や予算の都合もあるため、すぐにできることから対策していくのが良いでしょう。
一定の条件を満たせば「国や自治体からの支援」を受けられる場合があります。あわせて参考にしてみましょう。
その内容として、以下のようなものがあります。
- 住宅セーフティネット制度
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
「住宅セーフティネット制度」とは、2017年10月からスタートした、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮が必要な方のために、空き家・空室を活用するという制度です。
この制度に登録した住宅の改修への支援として、改修費に対する補助制度があります。
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、耐久性があり地震に強く、維持管理がしやすい住宅にリフォームする場合に、工事費の一部を国が最大300万円補助する制度です。
他にも、省エネ化や耐震補強、バリアフリー対応、多世帯向けのリフォームなどで、補助や助成、減税などの優遇を受けられる場合があります。
自治体により、独自の制度を導入していたり、地元の建材を使用することで助成を得られたりする場合もありますので、自治体のホームページを調べて問合せてみても良いでしょう。
これらの制度は募集の開始や締め切り、条件の変更などがされやすいため、こまめに確認しておきましょう。
上記のような制度を使って空室対策をすることも可能です。
ここでは、おすすめの空室対策を紹介していきます。
入居者のターゲットを見直す
募集をしてもなかなか入居者が決まらない場合には、空室対策として、入居者のターゲット層を見直すことを検討してみましょう。
どのような人をターゲットにするかで、募集広告の作り方や物件のアピールの仕方が変わります。
ターゲットには主に以下のような人がいます。
- 単身のビジネスパーソン
- 学生
- 高齢者
- ファミリー層
どのような入居者をターゲットにするかを考えた上で、そのターゲット層に合った広告づくりを検討しましょう。
学生や若者をターゲットにするのであればインターネットに広告を出す、高齢者をターゲットにするのであればチラシやポスティングをするなど、募集の仕方も変わってきます。
入居者が負担する費用を下げるorなくす
空室改善の施策として、入居者が負担する費用を下げる、もしくはなくすのも一つの方法です。
入居者が負担する費用には、主に以下のようなものがあります。
- 敷金・礼金
- 更新料
- 家賃
最近では敷金・礼金が一切かからない物件や、更新料が不要の物件もあります。
周囲の競合物件と比較して、敷金や礼金、更新料などの費用を安くする、もしくはなくすといったことも検討してみましょう。
敷金・礼金
敷金とは、賃貸契約中に家賃の滞納があった場合や、部屋を損傷した場合の修理費などの担保として、前もって入居者から預かり、退去時に精算するお金です。
礼金とは、物件を所有するオーナーに対して、慣習的にお礼の意味を込めて支払うとされているお金です。
礼金は敷金とは異なり、退去時に精算されることはありません。
敷金・礼金を安くしたり、なくしたりする場合のメリットとしては、入居時に初期費用が少なくなるため入居希望者が増える可能性があるということです。
しかし、オーナーとしてはその分の収入が減ることで、家賃の滞納があった場合の負担や、退去時の原状回復費用の負担が大きくなってしまうともいえます。
そのようなリスクも踏まえて敷金・礼金について検討してみるべきでしょう。
更新料
賃貸住宅の場合には、2年ごとに契約を更新するのが一般的です。更新料とは、その契約を更新する際に入居者がオーナーに支払うお金のことです。
更新料を安くする、もしくはなくすことにより、契約更新の際に退去されるのを防ぐことができます。
しかし、更新料は入居時にすぐに発生するお金ではないため、入居希望者によっては減額のメリットがあまり感じられないかもしれません。
家賃
家賃は入居希望者に最も見られる金額のため、減額するとその分、入居希望者は増えるといえます。
しかし、家賃を下げる際には以下のことに注意をしましょう。
- 周囲の物件の家賃相場を確認する
- 収益が減るだけでなく、売却額が減る可能性がある
- 家賃を再度増額することが困難になる
まずは周囲の競合物件を調査しましょう。このときのポイントは、物件を貸す側の立場ではなく借りる側の立場になって考えることです。入居希望者の気持ちになり、インターネットを検索したり、不動産屋さんの店頭の図面を見比べたりして、適切な賃料を見極めましょう。
単に家賃を最安値まで下げるのではなく、競合物件との条件の差を見て決めるのが良いでしょう。
また、家賃を低く設定することで物件を売却する際の査定額が下がってしまう可能性があります。利回りが低くなってしまうことで、投資物件としての価値まで下がってしまうのです。
他にも、家賃は一度契約をすると、入居後に増額の交渉をするのは難しいものです。社会情勢や周辺相場が大きく変動するなどの正当な理由がない場合には、たとえ裁判をしても簡単に増額することは難しいといわれています。
また、過去に募集した家賃の金額が、インターネット上などに記録として残る場合もありますので、退去後に新たに募集する際に価格の交渉を受けてしまうリスクや、他の部屋にいる既存の入居者からも価格を交渉されてしまうリスクもあり、注意が必要です。
そのため、家賃の減額については募集の掲載では記載せず、仲介会社にお願いして店頭や案内の際に検討者に直接伝えてもらう場合もあるようです。
空室対策において、目の前の入居者の獲得のためには家賃を下げるメリットは大きいですが、他の面でデメリットが発生する可能性があるため、十分に検討して行いましょう。
フリーレントを採用する
フリーレントとは、入居してから1ヶ月など、ある程度の期間の家賃を無料にする方法です。近年では居住用の物件でも徐々に浸透しており、フリーレント物件も増えてきています。
フリーレントは入居時の初期費用を減らすことにつながるため、空室対策としても有効といえるでしょう。
なお、フリーレントは家賃が発生する期間を短くすることで初期費用を減らす方法のため、単純に家賃を減額することとは性質が異なります。フリーレントは見かけ上の利回りが下がらないため、物件の売却をする際の査定額が下がるリスクを抑えることができるのです。
また、フリーレントは家賃とは異なり、インターネット上などに記録として残る可能性が少ないため、退去後に新たに募集する際に価格の交渉を受けてしまうリスクや、他の部屋にいる既存の入居者から価格を交渉されるリスクも抑えられることでしょう。
ゴミ出しを24時間可にする
一戸建てや1棟マンション、アパートなどの場合には、空室対策としてゴミ出しを24時間可能にするという方法もあります。
ゴミ出しが24時間可能であれば、勤務体系が不規則な場合でも時間を気にせずゴミ出しをでき入居者のメリットになるため、入居希望者が増えるでしょう。
しかし、以下のような注意点もあります。
- ゴミ捨て場への初期投資が必要になる(カラスなどがゴミを荒らすのを防ぐため)
- ゴミ捨て設備が不衛生になりやすく、こまめな清掃や管理が必要になる
- ゴミ捨て場が荒れることで、入居者や近隣からのクレームに繋がる可能性がある
このような注意点を踏まえながら、ゴミ出しを24時間可能にするかを検討しましょう。
ペット可物件にする
ペット可の物件にすると、ペットを飼っている、もしくは飼いたい方にとっては非常に大きなメリットとなります。ペット可の物件が少ない地域もあるため、そのような地域でペット可にすることで、ペットを飼いたい入居希望者が増える可能性があります。
しかし、以下のようなデメリットもあります。
- ペット対応の設備を用意する必要がある
- 共用部が不衛生になりやすく、こまめな清掃や管理が必要になる
- 近隣から騒音や衛生に関するクレームが来る可能性がある
- 契約書に特約内容を明記する必要がある
他にも、ペットが嫌いな方や、ペットにアレルギーがある方にとっては入居を避ける理由にもなるため注意が必要です。また、ペットを飼育することで室内の壁や床が痛みやすくなるため、敷金を増額しておくなどの対応もあわせて検討しましょう。
なお、区分マンションの場合には、マンション全体の管理規約上、ペットの飼育ができない決まりになっている場合もあります。あらかじめ確認しておきましょう。
24時間駆け付けサポートをつける
24時間駆けつけサポートとは、何かあった場合いつでも連絡が取れ、すぐに対応してもらえるサポートのことです。
このようなサポートをつけることにより、入居者は安心して生活することができます。
しかし、委託業者への費用がかかる点で注意が必要です。
女性専用物件にする
1棟マンション、アパートなどの場合には、女性専用物件にすることで空室対策ができることがあります。男性の入居ができないことで、安心して暮らしたいと考える女性にとってはメリットになります。防犯対策をしっかりして、オートロックや防犯カメラなどで、セキュリティを充実させることが重要です。
しかし、以下のような注意点があります。
- 女性に向けた広告作りを工夫する必要がある
- 防犯カメラやオートロックの設備費用がかかる
- 当然ながら男性の入居ができなくなるため、かえって入居希望者数が減る可能性がある
入居者が連れてくる男性の立ち入りについては、引っ越しなどの限られた場合には事前に連絡してもらう決まりにするなど、事前に規定しておきましょう。
家具家電付きの物件にする
家具家電付きの物件は、新たに一人暮らしを始める学生や単身赴任者、日本で生活を始める外国人にとって、初期費用がかからないことから、注目を集めるかもしれません。
しかし、下記のような注意点もあります。
- 家具家電を準備するために費用がかかる
- 家具家電の好みが合わない場合がある
- 他人が使用した家具家電を嫌がられる可能性もある
あらかじめ家具家電があることで、内見のときから生活のイメージをしやすいことや、入居してすぐに新生活を始められる状況から入居を決める場合もあるようです。
一方で、故障時の費用負担や破棄時の処分のルールなどについては、後にトラブルになる可能性があるため、あらかじめ決めておきましょう。
共用部をこまめに清掃する
利用する頻度も高いので、共用部が汚れやすいのはご存じですよね。そのため、こまめに清掃するのは忘れてはいけません。
入居者が気持ちよく生活できるほか、入居希望者が内見に来た際にも印象が良くなります。
入居者に人気の設備を設置する
生活に便利な設備を設置することも、空室対策には有効な方法です。
全国賃貸住宅新聞に掲載されている2020人気設備ランキングによると、入居者に人気の設備には以下のようなものがあります。
- エアコン
- 室内干し
- 無料Wi-Fi
エアコンや部屋干しは、あらかじめ用意されている物件が多いため、基本的に設置しておくことがおすすめです。その上でさらに喜ばれるものとしては、無料Wi-Fiと宅配ボックスが挙げられるでしょう。
最近では、インターネットは仕事や生活において必須ですよね。また、平日は仕事で荷物が受け取れない、という人にとって宅配ボックスが設置されていることは大きなメリットです。
しかし、以下のような注意点もあります。
- 設置費用がかかる
- 無料Wi-Fiの速度、品質には注意が必要
- 宅配ボックスを設置する場合を確保
このような注意点を踏まえた上で、設置するかどうか検討しましょう。
また、お金をかけずに見栄えを良くする方法として、照明やスイッチカバーの交換や、蛇口やシャワーヘッドの交換、インターホンの交換もおすすめです。他にも、便器やウォシュレット、洗面台も、意外と安く手配できるものが多く、費用対効果が高いといえるでしょう。
リフォーム・リノベーションをする
抜本的に空室対策を行う方法としては、リフォームやリノベーションするというのも一つの方法です。
時間やお金のかかる方法にはなりますが、ターゲットに合致するようなリフォーム・リノベーション内容であれば、入居希望者は増えることでしょう。
しかし、物件をリフォーム・リノベーションする際には、以下のような注意点があります。
- 費用が決して安くない
- リフォーム・リノベーションをしたからといって必ずしも入居希望者数が増えるとは限らない
- 物件のターゲット層のニーズに合っていないリフォーム・リノベーションをすると、無駄な手間と費用となる
- リフォーム・リノベーションのコスト削減を優先すると、中途半端な仕上がりになる可能性がある
- リフォーム・リノベーションが長引いた分だけ募集や入居開始が遅れてしまう(空室期間ができてしまう)
リフォーム・リノベーションでは、以下を検討してみましょう。
- バス・トイレ・洗面台を別にする
- プロパンガスから都市ガスにする
- 和室を洋室にリフォームする
- 楽器可の物件にする
- 収納を増やす
- セキュリティ対策をする
- 外壁塗装をする
- 全面的にリノベーションをする
- モデルルームを作る
ここでは、その理由を具体的に説明します。
バス・トイレ・洗面台を別にする
物件をリフォーム・リノベーションする上で、バス・トイレ・洗面台を別にするのは非常に効果的です。
様々な調査の中で、バス・トイレ・洗面台が別々のほうが良いと考える入居希望者が多いといわれています。インターネットで物件を検索する際に、「バス・トイレ別」を選択する人も増えてきています。
そのため、バス・トイレ・洗面台を別にすることは、空室対策として有効だといえます。
プロパンガスから都市ガスにする
プロパンガスと比較して、都市ガスの方が利用料金が安いです。そのため、プロパンガスから都市ガスへ切り替えることは、入居希望者にとってのメリットといえます。
一方で、都市ガスに切り替えるためには、ガス導管が近くを通っている必要があります。また、壁や床下のリフォームが必要なケースもあり、リフォームの費用がかかる場合があるため事前に見積もりを取った上で検討をしましょう。
和室を洋室にリフォームする
入居希望者の調査では、和室よりも洋室を好む人が多いといわれています。そのため、空室対策として和室を洋室にリフォームすることも有効な方法といえるでしょう。
和室は畳の交換や障子や襖の手入れなどでも一定の手間や費用がかかります。入居時のメンテナンスや退去後の修繕などの観点でも、洋室にリフォームしておくというのはおすすめです。
楽器可の物件にする
楽器可の物件は、楽器を演奏している方にとっては、非常に大きな魅力に映るでしょう。
楽器可の物件は少ないため、他の物件との差別化となり、入居希望者が増える可能性があります。
一方で騒音を気にする入居希望者にとっては、物件を選ばない理由にもなりますので注意が必要です。また、壁や床、天井などに防音のリフォームをする必要がある場合もあるため、注意が必要です。あらかじめリフォームの見積もりをとって検討するのが良いでしょう。
近年のトレンドとして、自宅でSNSを使ってライブ配信したり、YouTubeなどの撮影をする方も増えてきています。騒音の対策が十分にできている住宅が少ないことから、騒音のトラブルが原因で引っ越し先を探しているケースも見られます。
このように時代の変化に合わせて、競合物件よりも先んじてターゲット層にアプローチするのもおすすめです。
収納を増やす
部屋の収納も多いほうが人気のため、収納を増やすリフォームも空室対策としては有効です。
洗面台やキッチンに戸棚を付けるリフォームでは、間取りを変えずに空間の有効利用ができるため、比較的安価にリフォームすることができます。
セキュリティ対策をする
全国賃貸住宅新聞に掲載されている2020人気設備ランキングによると、単身向け・ファミリー向けを問わず、セキュリティ関連の設備が人気上位にランクインしています。
ランキングでは、以下の設備が紹介されています。
- 防犯カメラ
- オートロック
- ホームセキュリティ
上記のような防犯対策の中でおすすめなのが、オートロックや防犯カメラの設置です。
特に高齢者の多い地域や、大学生などの一人暮らしが多い地域では、セキュリティ対策をすることにより、入居希望者が増えることでしょう。
セキュリティ対策には他にも、以下のようなものがあります。
- センサーライト
- カラーモニター付きインターホン
- ディンプルキー
これらをぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装をする
空室を減らすためのリフォームとして、外壁塗装をする方法もあります。外壁塗装をすることで、物件の印象を変えるだけでなく、老朽化を防ぎ資産価値を保つこともできます。
しかし、外壁塗装には費用がかかるため注意が必要です。リフォームの見積もりを取った上で外壁塗装を検討しましょう。
外壁は、塗装をせずに上からパネルを貼る方法や、すべての外壁ではなく道路に面した壁のみにしぼる方法、高所を避けて手の届く範囲を対象にするなどと工夫して、費用の負担を減らしながら見栄えを良くする方法もあります。
全面的にリノベーションをする
築年数が古い場合や、部分的なリフォームではなく全体のリフォームをしたい場合には、全面的にリノベーションをすることも、空室対策として有効です。
全面的にリノベーションすることで、築古物件でも新築に近い見た目にすることができます。
部分的なリフォームを何度も行うよりも、全面的にリノベーションをする方が効率もよく、かえって時間やお金を節約できることがあります。風呂、トイレ、洗面台などの水回りのリノベーションについても、該当の箇所がまとまっている場合には合わせておこなうことを検討しましょう。
モデルルームを作る
部屋数の多い1棟マンションやアパートなどの場合には、1部屋をモデルルームにすることで物件の魅力を引き出す方法もあります。モデルルームを作り、家具家電を設置することで、入居者希望者に生活のイメージを喚起することができ、入居の意欲を高めることができるのです。
部屋を装飾する家具や家電は、ホームステージングのサービスを利用してレンタルもできます。あるいは、事前に購入して設置する場合には入居者へのプレゼントとしても良いでしょう。
一方で、モデルルームにすることで1部屋分の入居時期が遅れ、家賃の回収までに時間がかかってしまうリスクも発生します。手配や管理に費用がかかることもあるため、費用対効果を見極める必要があります。
区分マンションのリフォームと民泊に注意!
区分マンションでは、1棟のマンションに対して複数のオーナーが物件を所有していることから、所有する範囲が専有部分と共有部分に分かれており、それぞれの使い方についてマンションの管理規約で制限が設けられていることが多いです。
多くの場合では、共有部分を勝手にリフォームすることができず、専有部分のリフォームでも、リフォームに制限があります。たとえば、玄関の扉や窓枠が共有部にあたるため、交換やリフォームができないということもあります。リフォームをする際には、あらかじめマンションの管理規約を確認するようにしましょう。
※参照:「国土交通省 マンション標準管理規約」
なお、近年では賃貸よりも民泊のほうが収益が出やすいことから、区分マンションでも民泊をおこなう例が増えてきています。不特定多数の出入りによるセキュリティや騒音の問題からマンションでの民泊を管理規約で禁止している場合がありますので、十分に注意してください。
また、民泊は地域の条例により異なりますが、旅館業法違反により刑事罰の対象となることがあります。事前に届け出が必要な場合もあるので、行政や自治体のホームページを確認しましょう。
※参照:「厚生労働省 民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」
家賃のクレジットカード決済を導入する
空室対策として、家賃の支払いにクレジットカード決済を導入する方法もあります。
家賃は比較的高額の支払いのため、クレジットカード決済を導入することで、入居者にとってはポイントが貯まりやすく喜ばれることが多いです。オーナーにとっても、事前に引き落としできることから家賃の滞納のリスクが減るなどのメリットがあります。
しかし、導入するにはクレジットカード会社と契約をする必要があり、カード決済の手数料が家賃収入から差し引かれるというデメリットがあるので注意が必要です。
入居者特典ありの物件にする
入居者特典として、プレゼントを用意するという方法も空室対策の一つといえます。
例えば、入居者に家具・家電などをプレゼントしたり、商品券やギフト券をプレゼントしたりするといった方法です。
特に学生や単身赴任者などにとっては、家具・家電のプレゼントは初期費用を抑えることができ、新生活をスムーズに始めることにもつながるため喜ばれます。
入居審査の条件を緩和する
空室を減らす方法として、入居審査の条件を緩和するという方法もあります。
入居時の審査は通常、入居者や近隣のトラブルや、家賃滞納のリスクを避けるために行います。空室であることよりも入居を優先したい場合には、それらのリスクと引き換えに、入居審査の条件を緩和することで入居の可能性を高めることができます。
条件をどこまで緩和するかについては、リスクを踏まえて十分に検討しましょう。
募集広告を見直す
すでに入居者の募集をしているにもかかわらず、入居希望者が少ないという場合には、募集広告を見直してみましょう。
募集広告をより魅力的にすることで、入居希望者を増やせる場合があります。
魅力的な広告の具体的な例を以下で2つ紹介します。
- 入居後のイメージがしやすい写真や動画をネット広告に出す
- 物件の良い点を明確に記載する
なお、不動産は一般的な商品と比較して高額なため、消費者保護のため広告での表記の制限が数多く存在しています。例えば、格安、最高などといった誇張や、優良誤認を導く価格の掲載、事実と異なる表記や写真の使用は認められません。公正競争規約と宅建業法を確認し、詳しくは専門家に相談しましょう。
まとめ
今回は物件の空室対策として、具体的な例を紹介しました。
空室対策は、家賃を安くすることだけではありません。様々な空室対策の方法がある中で、それぞれのメリットとデメリットを理解しながら、費用対効果の見込める空室対策から検討をしてみてください。
空室対策に悩む場合には、専門家に相談するのもおすすめです。
GMO賃貸DXの「アンケート機能」「メッセージ機能」を利用すれば、入居者が現在持っている不満などを簡単に知ることができ、それらを解消することで空室対策にもつながります。ぜひ利用してみて下さい。