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不動産業界でのSNS活用法やマーケティングの事例を紹介

不動産会社の主な販促方法はテレビCMや折込チラシですが、多くの費用がかかるため、すべての不動産会社が実施できるわけではありません。

そこで注目されているのが、拡散性が高く潜在層にもアプローチできるSNSマーケティングです。

この記事では、SNSの活用方法や事例をご紹介します。SNSマーケティングの知見がない企業でも自社に合ったSNSマーケティングの方法がわかれば、費用を抑えながら集客数を伸ばすきっかけになるでしょう。

目次

    不動産業界ではSNSが大注目

    不動産業界でSNSに注目が集まっている理由は、大きく分けて2つあります。

    • SNS利用率の上昇
    • 新型コロナウイルスによる非対面営業の増加

    総務省情報通信政策研究所の調査によると、日本でのSNS利用率は年々上昇しています。


    参考:総務省情報通信政策研究所

    数あるSNSのなかでも、LINEの利用率は全世代平均で90%を超える結果。また、動画共有サービスのYouTubeも利用率が高く、10代〜40代で90%を超えています。

    各SNSの利用率は以下の図を参考にしてください。

    参考:総務省情報通信政策研究所

    SNSが普及したことによって、多くの方がSNSで情報を集めるようになりました。そして、新型コロナウイルスの蔓延によって、非対面での営業を余儀なくされた不動産会社は、より多くの方に情報を届けるべくSNSを活用し始めたのです。

    本来不動産会社の営業は、住宅展示場や現地販売会で実際に会ってコミュニケーションを取りながら、物件の提案や案内をするといった方法が主流でした。

    しかし、非対面の営業が余儀なくされてからは、より多くの情報を写真や映像にまとめて顧客に届けることが重要となったのです。

    SNSはテレビCMや折込チラシなどと違い、時間と場所に縛られず、何度でも最新の情報を発信できます。そのため、以下のような不動産会社はSNSを取り入れてみるのがおすすめです。

    • 自社の認知度を高めたい
    • 予算を抑えて集客したい
    • 潜在層にアプローチしたい
    • スピード感を持って営業したい
    • 顧客と気軽にコミュニケーションを取りたい

    SNS運用は無料で始められます。これまでと違った販促方法を実施したい不動産会社は、ぜひ取り入れてみましょう。

    相性抜群!不動産業界のトレンドは”TikTok”

    TikTokの特徴は、コンテンツを制作するハードルの低さ。数秒から数分の動画がコンテンツであるため、誰でも気軽に投稿できます。そして、その気軽さがTikTokのカジュアルさに繋がっており、広告感を出さずにプロモーションが可能です。

    また、TikTokは不動産購入のメインターゲットにアプローチできるのも特徴的。「コンテンツファン消費行動調査」によると、2021年時点のTikTokユーザーの平均年齢は34歳です。

    参考:DIGIDAY

    国土交通省の調査でもわかる通り、30代は住宅購入者のボリュームゾーンであり、不動産業界のメインターゲットです。

    参考:国土交通省

    さらに、TikTokユーザーは各SNSのなかでも平均世帯年収が高い という調査結果が出ています。つまり、TikTokを活用すると、30代のハイエンド層にアプローチが可能というわけです。

    不動産業界でSNSを活用するメリット

    不動産業界でSNSを活用するメリットは以下の通りです。

    • 無料で集客できるので、費用対効果が高い
    • 写真や映像などのビジュアル面で印象付けられる
    • ユーザーとコミュニケーションが取れる
    • ハッシュタグなどを用いることで情報を届けたい層に見てもらえる
    • 拡散力があり、多くのユーザーに情報が届く

    不動産業界の販促方法はテレビCMや折込チラシ、ダイレクトメールなど、いずれも手間と費用がかかる手法でした。この点、SNSであれば無料で運用できるので、これまでの販促方法よりも高い費用対効果が期待できます。

    また、不動産選びで重要となる、室内状況や室内からの眺望などを、写真や動画で伝えられます。ユーザーが手軽に多くの情報を得られる点は、SNSの大きなメリットと言えるでしょう。

    不動産業界でSNSを活用するデメリット

    不動産業界でSNSを活用するのはメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

    • 炎上リスクがある
    • 定期的かつ長期的に運用する必要がある
    • SNSの媒体によって訴求方法が異なる

    SNSは多くのユーザーに情報を届けられるのがメリットですが、その分炎上するリスクもあります。例えば、「担当者が自分のプライベートアカウントと間違って更新してしまった」「意図はないが差別的な表現をしてしまった」などです。

    SNSで炎上すると企業のブランドイメージ毀損に繋がりかねません。そこで、会社のPCでしかログインできないようにする、投稿内容はダブルチェックするなどの対策が必要です。

    また、SNSごとに投稿の作り方、訴求方法は異なります。すべてのSNSを活用するのは現実的ではないため、まずは1〜2個に絞って運用してみるのがおすすめです。

    どのように活用する?参考事例を紹介

    不動産業界でSNSマーケティングに注目が集まっている背景や、取り組むべきメリットがわかっても、実際に自社でどのように活用すればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

    ここでは、SNSを活用した具体例をご紹介しますので、自社の課題に合った運用方法を考えてみましょう。SNSの活用方法は大きく分けて以下の4つです。

    • 物件紹介
    • 自社の情報発信
    • ブランディング
    • ユーザーとのコミュニケーション

    それぞれについて具体的に見ていきましょう。

    物件紹介

    SNSを活用した物件紹介の方法は大きく分けて2つあります。

    • 物件のアピールポイントを写真で伝える
    • 動画でルームツアーをして詳細を伝える

    不動産を選ぶ際には第一印象が重要です。日当たりの良い広々としたリビングや、遠くまで見渡せる眺望をトップ画面に表示することで、ユーザーはその不動産に対して興味を抱きます。

    また、動画を回せば、画面越しにルームツアーができるため、写真だけでは伝わらない細かな部分まで伝えられます。より具体的な発信内容を考えるためにも、参考事例を見てみましょう。

    【Instagram】グッドルーム(goodroom)

    参考:https://www.instagram.com/goodroom_jp/

    グッドルームでは、リノベーション物件やデザイナーズ物件などの賃貸物件を専門にしているため、トップページ全体でおしゃれな雰囲気が醸成されています。

    明るくきれいな印象が伝わる写真を掲載していることに加え、30秒ルームツアーの動画があるため、物件の間取りや設備を手軽に把握できるのも特徴です。さらに、ハッシュタグで地名を入れているため、その地域特定で探している方にアプローチできます。

    【TikTok】成幸不動産 住まいる賃貸 藤井寺支店

    参考:https://www.tiktok.com/@smilechintai?lang=ja-JP

    成幸不動産住まいる賃貸藤井寺支店では、実際に営業担当者が室内の案内をしているような動画を数多く投稿しています。

    親しみやすいナレーションと、明るいBGMでカジュアルな要素を多く取り入れているのも人気のポイントです。

    自社の情報発信

    SNSで自社の情報発信に力を入れている企業は、物件の紹介ではなく、自社での取り組みやユーザーに役立つ情報を発信しています。

    近年では企業の社会貢献(CSR)が注目されており、そのような観点から利用するサービスや企業を選択する顧客も増えています。また、自社の取り組みをわかりやすく紹介することで、顧客だけでなく学生や求職者に対しても好印象を与えられるでしょう。

    自社の情報発信をどのように行っているのか、参考事例をご紹介します。

    【X(旧:Twitter)】リノベる株式会社

    参考:https://twitter.com/renoveru_11/status/1736317813944352773

    リノベる株式会社は、リノベーションのワンストップサービスを提供している企業です。

    物件の紹介だけでなく、リノベーションでおしゃれな空間を作るポイントや事例などを紹介。より多くのノウハウを無料提供することで「リノベーションはここに依頼すれば安心」という印象を与えていると推測できます。

    ほぼ毎日更新している点も、フォロワーが多い要因と言えるでしょう。

    【Facebook】三井不動産

    参考:https://www.facebook.com/mitsuifudosan

    三井不動産は日本最大手の不動産会社です。

    三井不動産では、自社の施設や、施設に入っているテナント、自社で行っているサステナブルな取り組みなどを紹介しています。

    Facebookは長文の投稿ができるため、より多くの情報を届けられます。会社の規模が大きくなると誤った情報を伝えた際の影響も大きくなるため、正確かつ丁寧でわかりやすい内容の投稿が求められるでしょう。

    大企業のSNS運用では、いかに社会と繋がりを持って貢献しているかという点を積極的に伝える必要があります。

    ブランディング

    ブランディングとは、ブランドを形成するためのマーケティング戦略です。適切なブランディングによって、狙ったターゲット層にアプローチできます。

    SNSにおけるブランディン戦略の1つは発信内容の「統一性」です。ここでは、発信内容が統一されているSNSの事例を紹介します。

    【Facebook】住友不動産株式会社

    参考:https://www.facebook.com/sumitomolatour

    住友不動産株式会社ではいくつかのFacebookアカウントがありますが、こちらは高級賃貸「ラ・トゥール」のアカウントです。

    建物のイラストやプロのカメラマンが撮影した外観、夜景などを掲載しており、その他の情報は最小限に留めているのが特徴。価格の記載などもしていないため、気になった方は公式ホームページへアクセスする流れが組まれています。

    このように、一目で高級賃貸を取り扱っていることがわかるアカウントは、適切にブランディングされている例だと言えるでしょう。

    【YouTube】株式会社住建ハウジング

    参考:https://www.youtube.com/user/Jukennet/videos

    住建ハウジングのYouTubeでは、高級マンションや高級戸建てを専門にルームツアー動画を配信しています。

    住建ハウジングは土地や事業用不動産の取り扱いもしていますが、YouTubeで初めて住建ハウジングを見た方からすると「高級物件を取り扱っている」という、ブランディングができます。

    利益率の高い高級物件を中心に発信することで、SNS運用の費用対効果を高められます。

    ユーザーとのコミュニケーション

    SNSは双方向のコミュニケーションを取れるのが特徴です。

    少し堅いイメージのある不動産業界ですが、SNSでコミュニケーションを取ることで親しみやすさを感じてもらえるでしょう。

    また、近年はメールよりもSNSでの連絡が主流です。メール問合せにしか対応していない不動産会社とSNSにも対応している不動産会社を比較すると、後者のほうがより顧客との接点ができる可能性があります。

    ここでは、SNSでコミュニケーションを取る方法について、事例を見ながら解説します。

    【X(旧:Twitter)】株式会社KIZUNAFACTORY

    参考:https://twitter.com/inagaki_kizuna

    株式会社KIZUNAFACTORYは西新宿所在の不動産会社です。

    X(旧:Twitter)アカウントは代表の名前で運用しており、不動産情報の発信や部屋探し・売却の相談を行っています。

    Xは属人性の高いSNSであるため、企業アカウントでユーザーとやり取りするよりも、代表が情報発信したほうが信頼性・権威性を示せる場合もあります。企業の規模にもよりますが、代表自身が発信することも検討してみてはいかがでしょうか。

    自社でSNSマーケティングを始めるときの流れ

    自社でもSNSマーケティングを取り入れたいとお考えの場合は、以下の流れに沿って準備を進めることをおすすめします。

    1. SNS運用の目的を決める
      「物件を紹介したい」「自社のブランディングをしたい」など、SNSを運用する目的を明確にしてください。
    2. 運用するSNSを決めてアカウントを作成する
      TikTokやInstagramなど、どの媒体で発信するかを決めましょう。
    3. プロフィールを充実させる
      会社名や所在地、誘導先のURLなどを入力します。
    4. コンテンツを考えて投稿する
      運用目的に沿ったコンテンツを考えて投稿してください。
    5. 継続する
      フォロワーはすぐには増えません。1日1回や2〜3日に1回など、定期的に更新しましょう。

    SNSマーケティングを行うときのポイント

    SNSマーケティングをする際には、以下のポイントを意識することが大切です。

    • 競合他社の動向を調査する
    • 自社ホームページを充実させる
    • ターゲット層の利用者が多いSNSを利用する

    競合他社がSNSマーケティングを導入している場合、以下のような項目を調査する必要があります。

    • どの媒体を利用しているのか
    • 更新頻度はどれくらいか
    • いいね数はどれくらいか
    • 伸びている投稿の共通点は何か

    これらを分析することで、自社のSNS運用にも活かせるでしょう。

    また、SNSはあくまでもユーザーとの接点です。その後SNSでやり取りする可能性もありますが、興味を持ったユーザ−の多くはホームページを訪れます。その際に見栄えが悪かったりコンテンツが充実していなかったりすると、問合せには繋がりません。

    自社ホームページの内容を充実させたうえで、SNSマーケティングを実施することが大切です。

    SNSごとの特徴を紹介


    ここでは、各SNSの特徴を詳しくご紹介しますので、自社に合ったSNSを検討してみてください。

    TikTok

    TikTokは、認知度を向上させたい企業におすすめです。

    TikTokはインフルエンサーなどの人による拡散ではなく、アルゴリズムで拡散している点が特徴です。フォローの有無に関わらず情報が拡散されるので、不動産の購入や賃貸を検討していなかった潜在層にも情報が届く可能性があります。

    思わず最後まで見てしまうルームツアー動画などを作れば、多くの方に認知してもらえるでしょう。

    Instagram

    Instagramは、認知度の向上やブランディングに取り組みたい企業におすすめです。

    Instagramは写真や動画で視覚的に訴求できるため、おしゃれな室内写真やルームツアー動画を作ることで自社サイトへの誘導に繋がります。また、掲載する写真を統一することで、例えば「リノベーションの会社」「デザイナーズ物件の会社」といったブランディングも可能です。

    X(旧:Twitter)

    Xは、認知度の向上に加えて、顧客とコミュニケーションを取りたい企業におすすめです。

    Xは他のSNSと比較しても拡散力の高さが特徴です。定期的に更新することで、自社を知ってもらうきっかけになるでしょう。また、ハッシュダグなどで簡単にユーザーを探せるので、フォローやいいねをしてコミュニケーションを図れます。

    YouTube

    YouTubeは、集客・ブランディングをしたい企業におすすめです。

    1つの動画で多くの情報を伝えられるYouTubeは、ほかのSNSと違い、文字やショート動画だけでは伝えられなかった細かな情報まで伝えられます。

    設備の紹介など丁寧なルームツアー動画などを作ることで、問い合わせに繋がる可能性があります。また、サムネイルに力を入れればブランドイメージも確立できるでしょう。

    Facebook

    Facebookは、ブランディングやセミナー告知をしたい企業におすすめです。

    長文かつ多くの写真を添えて投稿できるFacebookは、1つの投稿に多くの情報を詰め込むことが可能。質の高い写真を多く投稿すれば視覚的にも訴求できます。

    また、ユーザーの年齢層が他のSNSと比べて高いことに加えて、実名登録であるためユーザー同士の親密度の高さが特徴です。

    イベントの共有機能もあるので、セミナーの告知にも活用できます。

    LINE

    LINEはユーザーと気軽にコミュニケーションを取りたい企業におすすめです。

    LINEは国内ユーザー数9,200万人と、他のSNSと比べても圧倒的なシェアを誇っています。日常生活でのやり取りでメールを利用する方は少なくなっているため、最も日常に浸透しているSNSと言えるでしょう。

    ここまでLINEが普及すると、メールでしかやり取りできない不動産会社に抵抗感を持つ方がいても不思議ではありません。ユーザーとコミュニケーションを取るツールとしてLINEを活用してみるのがおすすめです。

    また、LINEはメルマガのような使い方もできるので、リストマーケティングにも役立ちます。

    まとめ

    SNS利用率の上昇や、新型コロナウイルス感染症拡大による非対面営業の増加を背景に、不動産業界でもSNSマーケティングに注目が集まっています。

    なかでもTikTokは、不動産業界のメインターゲット層である30代にアプローチできることから注目されています。しかし、SNSマーケティングの手法はTikTokだけではありません。

    InstagramやTwitter、YouTubeなどさまざまな媒体があるため、各媒体の特徴と自社の課題を踏まえて、利用するSNSを選ぶことをおすすめします。

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