取材記事Interview

【専門家インタビュー】田中宏貴様┃不動産投資の可能性と新時代を作る不動産テックの魅力

田中さん_1200×628
サラリーマンから副業で不動産投資をスタートし、現在では20億の資産にまで事業を拡大した田中宏貴氏。 本インタビューでは、不動産投資を行う上でのポイントや不動産オーナーとしての心がけについて、また不動産テックの可能性ついてお話を伺いました。
目次

    1棟のアパートから始めた不動産投資が、20億の資産に

    私がサラリーマンとして一般企業に勤めながら、副業で不動産投資を始めたのが、今から15年ほど前のことになります。

    最初は地元埼玉のアパートを丸ごと1棟購入し、取得費用は約2,000万円でした。

    その後、木造アパートやRC造マンションを少しずつ買い増していき、3年位経った辺りから、確かな投資術として自分なりのやり方を見出せたように思います。

    バブルのような一過性の儲けではなく、永続的に家賃収入を得る仕組みを構築するという意味で、田中式“エターナル投資術”と銘打って、2017年にはノウハウをまとめた書籍を出版することができました(『満室経営で“資産10億円”を目指す田中式“エターナル投資術”』/ごま書房新社刊)。

    2020年現在は、所有不動産が20棟を超え、管理している部屋数は300室以上、資産は20億円を超えるまでになっています。

    「自分でコントロールできる人生を生きる」との思いが今につながる

    そもそも私が不動産投資に興味をもったのは、サラリーマンとして一生働き続けることに不安を抱いたからです。

    私が新入社員として鉄道会社に入社した頃は、「平成不況」の真っただ中で、山一證券の破綻なども起きた暗い時代でした。勤めた会社も負債を抱えている状態で、リストラと人材縮小に明け暮れ、同期社員のうち3名が入社からわずか3年程度で転籍出向扱いに。

    たまたま不採算部署にいたからという理由で、20代の若手社員がそのような扱いをされてしまうことに、大きな危機感を覚えました

    会社とは理不尽なところで、上司や人事部の都合1つで、自分ではどうしようもできない状況に簡単に追い込まれてしまいます。

    「自分でコントロールできない人生を生きるのは嫌だな」と感じた私は、会社からの給与以外に、別で財産を形成する方法を模索し始めたのです。

    色々な本を読み漁りましたが、1番影響を受けたのは、ロバート・キヨサキ氏の名著『金持ち父さん、貧乏父さん』(筑摩書房刊)です。

    そこには有益な資産であり収益を生み出す存在として不動産が紹介されており、幼い頃から物件の折り込み広告を見るのが好きだったこともあって、一気に不動産投資に対する関心が湧き上がりました。

    大好きな不動産が資産形成の手段になり得ることは、私にとっては嬉しい衝撃でした。

    不動産は、衣食住の「住」を担う根源的なもの

    田中氏が一人で話している様子

    当時は、財産形成といえば株式やFXなどの投資が一般的で、サラリーマンが副業で不動産投資を行うのは大変珍しかった時代でした。

    しかし、不動産投資は株やFXのようにパソコンに張り付いて市場動向を見守る手間がいらず、時間がないサラリーマンに向いています

    株やFXは市況によって一瞬で財産を失ってしまうというリスクがありますが、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンで、比較的運用がしやすい投資方法なのです。

    何よりも、不動産は衣食住の「住」を担う根源的なもので、絶対に無くなることはありません

    事実、不動産投資は紀元前から行われてきた長い歴史のある財産形成法で、そこに大きな可能性を感じた私は、独学で勉強を始めました。

    不動産投資の専門家が書かれた本を読んだり、投資セミナーに通ったりしながら徐々に知識を広げる一方で、家庭では5歳児の父親であり、世間的には年収500万円の鉄道会社社員です。

    どこにでもいるごく平凡なサラリーマンが不動産投資の世界に足を踏み入れてから早15年。数年前に会社も退職しましたが、現在は不動産投資で得られる家賃収入のみで生活できています。

    今はまさに、自分の人生を自らの手でコントロールできており、思い描いた理想が叶っているといっていいでしょう。

    積算評価と収益性のバランスが重要

    不動産投資のノウハウについては、前述の著書に詳しく書いていますので割愛しますが、最も大切なのは「積算評価」と「収益性」のバランスです。

    積算評価とは銀行が査定する不動産の担保価値のことで、平たくいえば“銀行にとって金を貸す価値がある物件かどうか”を見極めることに、ほかなりません。

    物件そのものの価値と、投資家が抱えている負債総額を天秤にかけた上で、価値があると判断されれば銀行からの融資が下りることになります。

    積算評価を高めるための好条件な物件探しはもちろんのこと、できるだけ空室を作らないなど、すでに取得している物件の収益性を上げる努力が大切です。

    高い積算評価を得られる物件を確保し、時には土地値に近い物件を織り交ぜながら、収益性のある物件を買い続ける

    その上で、取得した物件を絶えず満室で運営していく。これが不動産投資において非常に重要な部分です。

    不動産オーナーとは、サービス業に徹する存在

    郊外型新築1LDKの部屋と田中氏

    最近建築したニーズをつかんだ郊外型新築1LDKの建築物件

    業界用語で、賃貸物件を借りてくれる入居者様を見つけることを「客付け」と呼んでいます。

    客付けは不動産投資を行う上で欠かせない行為であり、客付けの能力次第で投資の成功・失敗が決まるといっても過言ではありません。

    私は客付けを効率よく行うために、常日頃から自分の保有物件に付加価値を与える工夫を凝らしています。

    現在は、賃貸物件を探す手段として、不動産会社が運用するポータルサイトを見るのが主流になっています。

    不動産業界は古い業界なので、町の不動産屋さんの店頭にしか貼られない物件情報があるのも事実ですが、ほとんどポータルサイトに集約されているといっていいでしょう。

    毎日、何千・何万といった物件がポータルサイトに集まることとなり、その中でお客様の目を引くのは至難の業。今の時代は借り手市場であり、不動産オーナーは自分の物件をお客様に選んでいただけるための“サービス精神”を忘れてはなりません。

    私は物件の写真を撮る際に自前で購入した観葉植物やソファを置いて住まいのイメージを高めたり、そのような植物や家具を入居時にプレゼントしたりしています。

    ほかにも、引っ越し作業の労をねぎらうためにミネラルウォーターを差し入れたり、ファミリーの入居者様にはクリスマスにお菓子の詰め合わせを贈ったり、ささやかながらお客様に「ここに住んで良かった」と思っていただけるよう、心を込めてさまざまなサービスを行っています。

    不動産業界のIT化は、ペーパーレス・判子レスの流れを加速させる

    不動産業界はまだまだ古い体質が残っていると前述しましたが、そのような中でも徐々にIT化は進みつつあります

    従来は対面で行うよう定められていた賃貸契約時の重要事項説明(重説)ですが、法改正により、2017年10月からオンライン会議システムの利用も可能となりました。

    こうしたリモートでの説明方法を「IT重説」と呼んでおり、私も何度か経験したことがあります

    わざわざ会わなくとも重説を行なえるのはやはり効率が良く、特に名古屋や札幌など遠方の不動産を所有している私にとっては、今後を考えると便利になる可能性が大いにあります

    2020年のコロナ禍によって、オンライン会議システムの普及が拡大したこともあり、今後一気に利用が進むのではないかと感じています。

    IT化推進の動きは、不動産業界に根強く残る紙文化・判子文化も一変させてくれると期待しています。

    私は現在、1棟収益マンション建設への投資も行っているのですが、家を新築で1棟建てると、段ボール1箱分の関連書類がもれなく付いてきます。

    建てるごとに事務所に段ボールがドンと送られてきて、積みあがっていく日々。過去の契約書類も貯まりに貯まっていて、かなりのスペースを書類が占領している状態です。

    電子決済が当たり前となって紙の書類がなくなれば、このスペースが丸々空くことになりますし、環境にも負荷をかけません。

    2020年夏の政権交代後から、ペーパーレス・判子レスの流れが、加速する様子を見せています。ぜひ不動産業界も改革の波に乗って、環境にやさしい業態になっていければと願っております。

    「入居者アプリ」は、オーナー・管理会社・入居者の三者に利点を生む

    モデルルーム化を行った都内の新築RC物件の部屋

    モデルルーム化を行った都内の新築RC物件の部屋

    また、最近では不動産管理会社がスマートフォンのアプリを介して、入居者とやり取りするケースも増えています。

    いわゆる「入居者アプリ」と呼ばれるもので、オーナー・管理会社・入居者の三者がアプリ内で情報共有ができる仕組みです。

    私も実際に使っており、入居者にとっては「管理会社への連絡がスマホで簡単にできる」「契約書類の閲覧がいつでもどこでもできる」といったメリットがあります。

    管理会社にとっては、定期清掃や設備点検などのお知らせをアプリで配信できる、通知漏れがなくなるといった利点があります。

    入居者からの連絡もアプリで一括管理できるので、見落としや伝え忘れなどのミスを防ぐことが可能です。オーナー側も清掃や点検の完了報告をアプリで受け取れるため、業務効率がアップします

    IT化推進の一方、セキュリティ強化にも尽力

    私の肌感覚では「入居者アプリ」を採用している物件はまだ全体の1割程度かなという感じですが、ゆくゆくはアプリを使えることが、物件に付加価値を与えるようになるかもしれません。

    “アプリなし”と“アプリあり”の差が、物件を選ぶ際の決め手となるのであれば、導入も進んでいくでしょう。

    私も、新しくて便利なものは積極的に取り入れ、入居者様に対する新たなサービスとして活用できるよう心がけていきます

    ただし、IT化に伴い、セキュリティ面はますます強化しなければなりません。

     

     

    不動産業界に長らく携わっていると、不当契約や詐欺まがいの被害に遭ってしまうことも少なからずあります。

    賃貸物件を他人名義で借りて、実際には別の人物が住んでいるということも実際に起こっており、書面での契約ですらそのような違法行為を見破れないのに画面上の契約で本当に大丈夫なのかという不安はあります。

    IT技術開発者の方々には、ぜひセキュリティ面を最優先事項とし、安心・安全なシステムを構築していただけるようお願いしたいです。

    “受講者の幸せ”こそが自分のやりがいにつながる

    田中式の受講風景

    田中式エターナル投資塾 受講風景(入室時の体温確認や通風の確保など感染対策を徹底して開催しています)

     

    私は現在、会員制セミナー「田中式エターナル投資塾」を主宰し、約50名のお客様にご参加いただいています。

    会員様の中には、不動産投資家としてすでに独立している方や、投資会社を経営されている方もおりますが、大半はサラリーマンで、これから不動産投資を副業として始めたいとお考えの方です。

    まさに過去の自分を見ているようで「成果を出してもらいたい!」という強い思いがあります。

    もともと当塾は、昔勤めていた会社の同僚や知人から「不動産投資を教えてくれ」と請われて始めたもので、本当に小さな集まりからスタートしました。

    事業として真剣に取り組んでいますが、利益優先で教えようと思ったことは一度もなく、自分の知識が誰かのお役に立てれば、それでいいと考えています。

    私の話を聞いてくださった方が投資に成功して、幸せになってくれることこそが私のやりがいであり、セミナーを主宰する意義です。

    このコロナ禍でも、賃貸住宅物件市場はさほど大きなダメージを受けずに済んでいます。

    これもやはり衣食住の「住」は人間生活の根本であり、未曾有の状況にあっても揺るぎようがない強固なインフラであるという事実が影響しているのでしょう。

    不測の事態に強い不動産投資は、これから投資を始めたいと考える初心者の方にもおすすめです。

    ぜひしっかりと勉強して、たくさんの優良物件を世の中に送り出してください。私も全力でサポートします。

    本記事取材のインタビュイー様

    田中宏貴 氏
    田中式エターナル投資塾代表 会社員の傍ら、2005年より不動産投資を開始。現在東京・千葉・埼玉・名古 屋・札幌・大阪・広島に20棟以上300室超の物件を所有。全物件をほぼ満室で10年以上運営を継続。42歳で早期退職を実現した独自のノウハウ『田中式「エターナル投資術」』を2017年書籍化。話題を呼び、セミナー講師やコラムの執筆も実施中。 不動産投資を始めるサラリーマンや投資家へ向けた「田中式エターナル投資塾」で、塾生を指導。50名を超える人気の勉強会となっている。

     

    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    CONTACT

    GMO ReTechでは、賃貸運営を楽にする
    をミッションにしております。
    賃貸業務でのDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して
    お気軽にご相談下さい。

    キーワードKeywords

    ReTechSummit2021