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取材記事Interview

【専門家インタビュー】印貢 幸実様|物件紹介だけでなく、ペットのライフライン全般の紹介も行うトータルケアまで提供。ペットオーナー様への継続的なサポートを行い、信頼を獲得。

ペットと共に快適に暮らせる住まいの提供を目指す「ペット賃貸女子」を運営する印貢 幸実様。お母さまが不動産業に従事していた影響とペットショップでの業務経験を活かして、ペットと人が共に快適に暮らせる住環境を提供する不動産事業を立ち上げました。ペットオーナー様のニーズに応え、物件紹介だけでなく、ペット保険やペットホテル、動物病院などのトータルケアも提供しています。印貢様の取り組みや、ペット不動産業界の展望について伺いました。

目次

    物件のご紹介だけでなく、ペットのライフライン全般のご紹介も行い、トータルでペットオーナー様をサポート。

    取り組まれている「ペット賃貸女子」の活動内容について詳しくお聞かせください。

    ペット賃貸女子」は、「ペットと住む理想の部屋を一緒に探しましょう!」というコンセプトのもと、ペットと快適に暮らせる物件をご紹介するサービスを提供させていただいています。

    また、物件のご紹介にとどまらず、ペット保険やペットホテル、付近の動物病院など、ペットのライフライン全般のご紹介も行うトータルケアを提供しています。このように、トータルケアを提供することで、ペットオーナー様が安心してペットと暮らせる環境を整えることができるようサポートしています。

    ペット賃貸公式サイト:https://petchintai.com/

    「ペット賃貸」を運営される印貢様は、ご家族で経営されているペットショップの経験を生かし、ペットと快適に過ごせるお部屋探しをサポートしています。
    大型犬や多頭飼いなどペットの種類や性格に合ったお部屋を提案しているほか、動物病院、公園やドッグランなどの周辺情報まで案内することで、物件に住んだ後も安心してペットと暮らせる環境をペットの専門家として提供しています。

    SNSではペットと暮らせるルームツアー動画やお役立ち情報を発信しており、インスタグラムのフォロワー数は1万人に達しています。

    不動産業界に参入することになったきっかけをお伺いできますか?

    不動産業界に参入するきっかけは、母の影響が大きかったです。母は物件をリノベーションして販売する仕事をしており、その姿を見て、不動産に興味を持つようになりました。小学生の頃、授業参観に真っ白なスーツで来る母の姿がとてもかっこよく見えたことが強く印象に残っています。

    リーマンショックの影響で母は不動産業から撤退しましたが、私や兄の進学に備えて、自営業でペットショップを始めました。このペットショップは、コロナ禍のペットブームで成長しましたが、コロナ収束後に成長が停滞してしまいました。その頃、私はペットショップを手伝っており、母の仕事を盛り上げるため、憧れの母が行っていた不動産事業とペットショップを掛け合わせ、ペットオーナー様向け不動産事業を始めることを決意しました。

    ペットオーナー様向け不動産事業としてトータルケアを提供することを考えたのは、お客様からの声が大きなきっかけです。「ペットと住める部屋がない」「不動産会社に行っても最適な提案をしてもらえない」「妥協して物件を決めたけど近くにドッグランがない」といったお客様の声に応えるために、ペットと共に快適に暮らせる住環境の提供を目指しました。

    他のペット向け不動産サービスと比べて、「ペット賃貸女子」の強みはどういったところにありますでしょうか?

    「ペット賃貸女子」の最大の強みは、幅広い提携先と総合的なトータルケアです。私の母が経営するペットショップをはじめ、ペットホテル、ペット保険、動物病院など多くの提携先があり、契約者には物件周辺の動物病院をご紹介するなど、引越し後も継続的なサポートを行っています。引越し後にペットホテルや動物病院を探すのはお客様にとって大きな負担となりますので、そういった負担を軽減するためのサポートには特に力をいれています。

    そういった活動の結果、引越し後もペットの体調についてのご相談を受けることもあります。お客様からは、親身になって対応する姿勢を評価いただいていると感じます。

    「物件情報以外」の発信を精力的に行い、短期間で1万フォロワー獲得を実現。

    インスタグラムでの情報発信に力を入れていらっしゃいますが、情報を発信する際に意識されている点があればお聞かせください。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    インスタグラム公式アカウント:https://www.instagram.com/petchintai.co.jp/

    初めは他の不動産会社のインスタグラムを参考に、物件情報を中心に投稿していましたが、それだけではお客様の関心を引くことが難しいと感じました。お客様は「ペットと快適に過ごせる部屋」の情報以外にも、ペットに関する多様な情報を求めていることに気付いたのです。

    ペットオーナー様は、ペットの可愛さを他の人たちと共有したいという気持ちがあります。そのため、物件情報以外にも、物件付近のペットカフェやドッグランなどの、ペットオーナー様たちと繋がることができる場所や、開催予定のペットフェアなどの情報を発信しています。情報を発信する際は、みなさんがまだ知らないような最新の情報であることも重要です。

    インスタグラムで情報発信を開始してから、約3ヶ月で1万フォロワーを獲得したとのことですが、短期間で多くのフォロワーを獲得できた要因は何だとお考えですか?

    多くの方にフォローいただけた要因は3つあると考えています。1つ目は、アカウント開設前から母が経営しているペットショップで告知を行ったことです。特に、アカウント開設後の告知を大々的に行ったことで、情報発信初期から多くの方にフォローいただけました。

    2つ目はペット関連のイベントに出店したことが大きいと考えています。不動産関係のイベント出店は高額ですが、ペットフェスやペットイベントの出店料金は不動産イベントと比較してかなり割安なため、費用対効果が非常に高いと思います。何万人も来場するイベントに複数回出店することで、フォロワーを対面で獲得し、その後口コミで広がっていきました。

    3つ目はペットコミュニティでの口コミです。東京都内の場合はドッグランがある代々木公園や木場公園、駒沢公園などの周辺エリアにペットオーナー様が集中し、コミュニティが形成されています。これは狙ったわけではないのですが、そのコミュニティの中で話題になったことで自然と爆発的に口コミで広がっていきました。

    フォロワーの獲得を通して感じたことは、ペットに関する情報は口コミで広がりやすいということです。物件よりもペットに焦点を当てた情報発信が成功の鍵だったと考えています。

    情報発信時に他に意識している点はありますか?

    他に意識していることは人柄や思いを伝えることです。誰がどのような思いで接客しているのか、そのバックグラウンドを詳細に紹介することで、お客様に親近感を感じていただきやすくなり、信頼感が生まれます。

    そういった情報発信のおかげなのか、選んでいただいた理由として、「会う前から顔を知っていて、インスタライブで話しもしているから頼りやすかった」という声をいただくことがあります。通常の不動産会社では、店舗に入ってから担当者と対面するため、どのような人に対応していただけるのか、不安やストレスがかかる事もありますが、私は会うのが楽しみと思ってもらえるような情報発信を心掛けています。

    お客様が住んだ後の生活をイメージできるよう、実際に現地に行って物件を探す。今後は「ペットに関するトータルケア」を更に充実させ、満足度向上を目指す。

    「ペットと住める物件」が少ない中で、どのようにして物件を見つけ、ご紹介されているのでしょうか?

    現在では「ペットと住める物件」を取り扱う管理会社様から直接ご連絡をいただく機会が増え、非常に助かっています。しかし、サービス開始当初はコネクションがなく、現地に足を運び物件を探すことが多かったです。

    例えば、東急沿線や駒沢公園周辺で物件を探す場合、実際に現地に行き、動物病院やドッグランの場所を確認し、その近辺で物件を探すといったアナログな手法を取っていました。良さそうな物件を見つけたら、その場で管理会社に電話してペットと一緒に住めるかどうかを確認していたのです。

    また、ペットと散歩されている方にインタビューをさせていただき、家賃の相場感やペットと訪れる場所などを調査することも行っていました。スタート時はお客様が少なかったためこのような手法が可能でしたが、現在では多くの管理会社様から直接情報をいただけるようになり、今までよりも効率的に物件をご紹介できるようになっています。

    「ペットと快適に過ごせる部屋」をご紹介する上で大事にしているポイントがあればぜひお聞かせください。

    ご紹介する際に大事にしているポイントは、住んだ後の生活を具体的にイメージできる物件を提供することです。動物病院は広告やSNSをしていないことが多いため、引越しされる方は、動物病院がどこにあるかを把握できていないことが多いです。そういった背景があるため、私は物件情報だけでなく、周辺の動物病院やトリミングサロン、おすすめのペットカフェなど、ペットに関連する施設もトータルでご紹介させていただくようにしています。

    引越しのストレスで体調を崩すペットはとても多く、その際に安心できる動物病院をご紹介するととても喜んでいただけます。

    通常の不動産取引では、一度ご利用いただくとそこで終わりとなってしまうケースが多いと思います。ですが、ペットに関連する施設もご紹介することで、お客様との関係が続き、再度引越しについてご相談いただくケースも増えています。

    今後、「こういうサービスがあれば便利だ」「こういう付加価値を付けたい」など、既存サービスのブラッシュアップ構想、また新サービスの構想があればぜひお聞かせください。

    現在力を入れている、「ペットに関するトータルケア」をさらに充実させつつ、サービス提供エリアを拡大していきたいと考えています。ペット関連の提携先を増やし、不動産以外のサービスも多く提供することで、お客様により満足していただけるようなサービスにしていきたいです。提携先とは相互送客のような仕組みも構築できればと思っています。

    また、イベントに出店するだけでなく、イベント自体を開催し、多くの方との交流を深めたいです。今後の構想についてお話しをさせていただきましたが、まずは目の前のことに集中し、お客様にご満足いただける物件のご紹介に全力で取り組んでいきます。

    「ペットと快適に過ごせる部屋」の普及を実現するためには、詳細な物件情報の発信など、多くの取り組みが必要。

    「ペットと快適に過ごせる部屋」の普及に向けて業界が直面している最大の課題は何だと捉えていらっしゃいますか?

    ペットと快適に過ごせる部屋」の普及に向けて業界が直面している最大の課題は、物件の空室率を下げるために「ペットと住める部屋」にするという考え方です。物件自体がペットフレンドリーであることを前提に提供されていれば、ペットを飼っていない方もペットフレンドリーな環境を理解し、ご近所トラブルが減ると考えています。
    国土交通省が5年毎に実施している「マンション総合調査」によると、居住者間のトラブル原因の上位に、「生活音」「違法駐車」「ペット飼育」の3つが挙げられています。この一つである「ペット問題」に関して適切に対応することは、お客様に快適な生活を提供する建設業界そして私達不動産業界の役割であり期待されている側面でしょう。

    上記のことを踏まえますと、空室対策として「ペットと住める部屋」にするだけでは、風評被害やペットによるトラブルが増える可能性が高くなる原因と言えます。このような問題を解決するためには、管理会社様がそういったことが起こりうることを理解し、対策を講じていただく必要があると考えています。
    ペットを飼う入居者様と飼わない入居者様の双方が安心して暮らせるようなサポート体制を整えることが重要になってくるはずです。

    現在、日本は子供の数よりペットが多い社会ながらも、ペット共生マンションは明らかに少ないので増やしていく試みが必要だと思っています。

    微力ながらも、私自身がペット可物件の需要を発信することで、ペット共生マンションが増えていくために尽力して参ります。

    今後は「ペットと快適に過ごせる部屋」を供給する側にもかかわっていくのでしょうか?

    具体的な構想があるわけではありませんが、最終的には、物件を供給することにも取り組むことができればと思ってはいます。仲介業も非常に楽しいですが、物件を供給する分野にもチャレンジし、幅広いサービスを提供できるようになりたいです。両方の業務を将来的に手掛けることで、より多くのニーズに応え、総合的な不動産サービスを提供できるようになることを目指しています。

    「ペットと快適に暮らせる住環境」を増やすために、業界に提案したいことがあれば、ぜひお聞かせください。

    物件情報に「ペット可」や「ペット相談」といった簡単な表記しかなく、詳細が記載されていないことが多いため、これを改善していただくとよりスムーズな物件のご紹介が可能になると思います。実際に問い合わせをしてみると、「猫は難しい」「小さい犬なら可能」といった具体的な条件が出てくることが多く、お客様にも負担がかかりますし、管理会社様側にも余計な対応工数が発生してしまっています。

    この点を改善し、物件情報をもっと詳細に開示することで、お客様が安心して物件を選べるようになるだけでなく、管理会社様の対応工数も削減ができます。

    「ペットと快適に過ごせる部屋」を実現するために、設備などの要望はありますか。

    ペットと住める部屋」にフローリングが多いことが気になっています。小型犬の場合、手足が弱く、フローリングは負担がかかるため、フローリング以外の選択肢が増えると良いと思います。

    また、階段も特に小型犬にとっては負担が大きく、膝蓋骨脱臼(パテラ)のリスクがあり、最悪の場合、足が動かなくなることもあります。階段には滑り止めをつけるなどの配慮をしていただくと、より安心してペットと住むことができるようになります。

    また、犬の遠吠えや猫の発情期、夜鳴きなどによるご近所トラブルを防ぐために、防音性能が高い二重窓やシャッターの設置、壁の中にはガラスウールやセルロースファイバーなどの断熱材を施工すると良いと思います。いずれも吸音材として機能するため、断熱材を隙間なく施工することは外部に漏れる音を軽減できます。

    ペットは「家族の一員」であるということを浸透させ、ペットと人が共に快適に暮らせる住環境の発展を目指す。

    印貢様の今後のビジョンや想いについてお聞かせください。

    今後のビジョンは、不動産に特化するだけでなく、ペットサービス関連全般を手がけることです。ペットに関するサポート全てをお任せいただけることを目指し、ペット不動産のパイオニアになるために努力を続けていきます。

    少子化が続く日本では、15歳未満の子供の数に比べペットの数が多くなっています。

    学生服のメーカーがペット市場に参入したり、赤ちゃんのおむつよりもペット用のトイレシートの数のほうが売れたりする世の中になってきています。驚きですよね。

    「日本ペットフード工業会」の調査によると、日本で飼われている犬の数は約1,200万匹、猫の数は約950万匹に達しており、ペット関連市場の規模は、約1兆3,000億円(平成23年9月時点・株式会社富士経済調べ)に上ります。その分、ペットを飼う人たちの数も増加してきており、その大半がペットを室内で飼うことを望んでいます。
    これだけのペット需要があるにも関わらず、今尚ペットユーザーに対して不動産仲介会社が消極的なのは疑問です。

    不動産業界を変えたいというよりも、ペットとのあり方や向き合い方を変えていきたいと考えています。ペットは「家族の一員」であり、その考えを不動産業界にもっと浸透させていきたいです。多くの不動産会社様と一緒にペットと人が共に快適に暮らせる住環境を提供することを目指します。

    まとめ

    ペットと共に快適に暮らせる住環境の提供を目指す印貢 幸実様。ペットオーナー様が理想の住まいを見つけるためのトータルケアを提供し、物件紹介にとどまらず、ペット保険やペットホテル、動物病院の紹介など、多岐にわたるサポートを行っています。今後は、サービスエリアの拡大やイベントの主催など、さらなるサービスの充実を図り、ペットと人が共に快適に暮らせる社会の実現に向けて邁進しています。印貢様のビジョンと情熱が、今後の不動産業界にどのような変革をもたらすのか注目です。

    本記事取材のインタビュイー様

     

     

     

     

     

     

     

     

    印貢 幸実 氏

    ペットと共に快適に暮らせる物件の提供を目指す「ペット賃貸女子」を運営。ペットと暮らすためのトータルケアを提供することに注力し、物件情報だけでなく、ペット保険やペットホテル、動物病院の紹介など、ペットのライフライン全般のサポート。

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