【アンケート調査】賃貸不動産管理会社の社員が離職する原因は○○|ランキング形式で紹介
厚生労働省によると、不動産管理業は離職率が14種中4位で高い傾向にあるようです。
離職率の高い不動産管理業ですが、離職の原因は何なのでしょうか。
今回は、離職経験のある全国の賃貸不動産管理業で働く男女200名に、離職した原因に関するアンケートを取りました。
アンケートの結果、個人的な理由が1位ではあるものの、全体として会社に対する不満や重労働からくるものが多い印象です。
賃貸不動産管理会社の社員が離職する原因ランキング
実際に不動産管理業で働き離職した経験がある人は、どんな理由で離職したのか、意見が多かった順に並べました。
- 第1位:家庭事情の変化
- 第2位:やりがいを感じなくなった
- 第3位:独立・起業する
- 第4位:人間関係がうまくいかない
- 第5位:社風や経営方針が合わない
- 第6位:給与・待遇制度に不満があった
- 第7位:労働時間が長い
- 第8位:業務や会社に将来性を感じない
- 第9位:心身の健康を崩した
- 第10位:土日祝日が休めなかった
第1位は「家庭事情の変化」でしたが、離職理由の約7割が会社の労働環境に起因するようです。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
第1位:家庭事情の変化
退職理由で最も多かったのが、「家庭事情の変化」というもの。
家庭の事情とは具体的に、親の介護や家業を継ぐ、育児パートナーの転勤、婚姻関係などが挙げられるでしょう。家庭事情の変化によって、勤務先から遠くに引っ越すことになったり、毎日決まった労働時間が確保できないなど様々なケースが考えられます。
家庭の事情といわれれば、深く突っ込んで聞いたり、引き止める事は難しいかもしれません。
とはいえフレキシブルな労働体制や福利厚生、有給システムなどが整っていれば、離職する必要がなくなる人も増えるはずです。個人の事情だから仕方ないと諦めていると、離職率は下げられません。
第2位:やりがいを感じなくなった
仕事内容が単純作業だったり、自分の代わりは誰でも務まると感じる業務内容、どれだけ頑張っても昇進しない、業務内容がずっと変わらないといった場合、社員はやりがいを感じなくなるようです。
また厳しい就職活動を乗り越え入社したにもかかわらず、希望していた部署や仕事と違う業務や自分に適性だと感じない業務をしていると、離職を考える原因となり得ます。
個人の適性をしっかり見極めることや、頑張りをしっかり評価することはやりがいにもつながる大切な要素であるといえるでしょう。
第3位:独立・起業する
一定数は入社当初から独立や起業を志している社員もいて、社員の成長は喜ばしい面でもあるでしょう。
社員が退職・独立を申し出た際に、会社側がどのような対応をとるかは、会社の評判に関わるため大切な場面だといえます。
会社の損得だけを考えて一方的に会社に残るよう要求したり、退職理由に関係なくむやみに引き留めると、会社の悪評に繋がりかねません。
独立や起業の意志を思いとどまらせるのは簡単ではないため、応援する姿勢を取る方がいいでしょう。
第4位:人間関係がうまくいかない
人間関係が引き金となって退職を経験した人もいますよね。特に上司との関係性について悩む人が多いようです。
一方で「会社の待遇が悪くても職場の人がいいから辞めない」という人もいるほど、仕事を選ぶ上で人間関係は重要なポイントであることがわかります。
社員の教育はもちろん、上司と部下の関係性など円滑な人間関係が作れるような環境をサポートすることが、離職率を減らす方法の一つですね。
第5位:社風や経営方針が合わない
例えば落ち着いた静かな雰囲気の職場もあれば、体育会系の職場もあるように社風が自分に合わないと退職へとつながる可能性があります。
また小さい会社の場合だと、経営者の仕事のやり方や経営方針が社員にも響きやすいです。
経営者の仕事のやり方に疑問を抱くようになったり、上司や先輩に共感できない場面が多いと退職の原因ともなり得ます。
こうしたミスマッチが起こらないように、インターンシップなどを設け入社前に社内の雰囲気を掴む機会があれば、社風や経営方針が合わないことによる離職は回避できます。
第6位:給与・待遇制度に不満があった
給与支払いの遅延、残業代がでない、ボーナス額への不満などお金に関する不満も退職理由につながります。
給与関連は生活レベルに関わるため、重要視している人が多い傾向ですね。
成果を残しているにもかかわらず、給料が上がらなかったり平均以下の給与である場合、モチベーションが保てず退職につながりやすいです。
個人の努力にふさわしい評価を下せるよう、また社員が待遇や給与に不満を感じていないか、日頃からコミュニケーションを取りながらヒアリングすることが求められるでしょう。
第7位:労働時間が長い
長時間労働により拘束時間が長いと、自分や家族との時間が持てずストレス溜める原因となりやすいです。
最悪の場合、過労により体調や心身を崩して働けなくなるといったケースまであり、現在、労働時間による過労は労働災害(労災)として認められるといった施策もあるほどです。
長労働時間は社会的にも問題視されており、社員の残業や休日出勤が多い会社は、何かしらの対策が必要でしょう。
第8位:業務や会社に将来性を感じない
急速に発展しているAI技術や自然災害、またウイルスの発生などによって働き方が多様化している時代に突入しています。特にこうした変化の中では、社員たちは会社に対して将来性の有無に敏感になっているでしょう。
「この会社は10年後も大丈夫かな?」「この業界は生き残れるかな?」といった不安から退職を選ぶ人もいます。
社員が不安に感じないよう日頃から円滑なコミュニケーションが大切であるだけでなく、時代の変化に合わせて社内改革を恐れない姿勢が求められるでしょう。
第9位:心身の健康を崩した
長時間労働や有給が使えない、人間関係などさまざまなストレスや過労から、体調を崩してしまう人も少なくありません。
この場合、一時的な対策ではなく、労働環境を根本から見直さない限り、何度も同じことを繰り返してしまうでしょう。
社員の労働負担を軽減する対策や、気軽に相談できるサポート窓口の設置など、働きやすい環境づくりは社員の健康を守る上でとても大切です。
第10位:土日祝日が休めなかった
いくら好きな仕事であっても、残業や休日出勤が多いと、不満は募っていくと思います。
自分や家族の時間が持てなくなると、最終的には心身共に健康を保てなくなり、退職へと結びついてしまうでしょう。
多くの社員が休日出勤をしている状況であれば、確実に人手不足と言わざるをえません。人件費削減などとコストカットしていると、一生懸命育ててきた社員が退職し、結果的に不利益を被ることになるでしょう。
また一部の人だけが休めない状況にないか、しっかり社員の様子を把握しておく必要があります。
社員の離職原因をスムーズに解決しないとどうなる?
社員の離職原因を解決しないと、以下のような事態に発展する可能性があります。
- ネット上で悪い口コミが広がる
- 新たな人材が欲しいのに入社希望者が集まらない
- 法的措置を講じられる
- 物件のオーナーから敬遠される
働きやすい労働環境を確保し社員を守ることが、経営の安定にも必要不可欠であることは明白でしょう。
社員離職防止の鍵は「ITシステム」
離職原因の解消には、日頃から社長や管理職などが社員と対等に丁寧なコミュニケーションを図りながら、社内の状況をしっかり把握しておくことが重要です。悩みや相談、不満などにいち早く気づき改善していく姿勢が求められます。
また社員の離職を防ぐための取り組みとして、「管理会社の業務を効率化」も一つ大切な要素でしょう。
業務効率化の方法として、ITシステム(不動産テック)の導入が近年注目されており、今や必須となってきている背景があります。
不動産テックを導入することで、テレワークが可能になったり、オンライン内見・電子契約システムで即日契約や契約更新ができる、入居者様やオーナー様とのコミュニケーションが円滑に行えるなど、大幅な業務効率化が期待できます。また郵送書類なしに月次収支報告したり、ワークフローをスムーズに行えるでしょう。
不動産業界は離職率が高い傾向にあるにもかかわらず、日本情報クリエイトが行った調査によると、不動産業界の75%がいまだに働き方改革への取り組みを行っていないという回答結果が得られているのが実態です。
裏を返せば、不動産業界で他社と差をつけ生き残る施策として、不動産テックの導入が考えられるでしょう。
まとめ
今回は、賃貸不動産管理業に勤め、離職経験のある男女200名に、離職理由についてアンケートを取りました。個人的な理由が1位ではありましたが、全体の7割程度が会社の労働環境に問題があることがわかりました。
会社が抱える問題や社員が抱く不満を改善していかなければ、離職を防ぐことはできません。
こうした事態に陥らないためにも、日頃の円滑なコミュニケーションや日常業務の効率化が大切なポイントとなるでしょう。
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不動産業務に特化したITシステムを導入し、労働環境を整えていくこと、時代の変化に合わせて社内も変化していく姿勢が、離職率を減らすことにつながっていくでしょう。