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賃貸マンション・アパートの修繕費の相場とは|貸主と借主の負担内容の違い

目次

    賃貸マンション・アパートを維持・管理していくには、定期的なメンテナンスや修繕をおこなわなければいけません。その都度費用もかかりますが、資産価値を守り、何よりも入居者が安心して暮らすためには必要不可欠です。

    今回は賃貸マンション・アパートにかかる修繕工事の種類とおおまかな費用の目安について解説します。

    賃貸マンション・アパートの修繕費とは

    「賃貸マンション・アパートの修繕費とは」のアイキャッチ

    賃貸マンション・アパートの修繕工事は以下の3つに大きく分けられます。

    • 大規模修繕
    • 小規模修繕
    • 原状回復

    物件を維持するためにはいずれもおろそかにはできません。種類によって金額や費用を負担する人(貸主か借主か)が変わります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    大規模修繕

    特に建物の外側は常に風雨に晒され、月日が経つごとに劣化していきます。大規模修繕とは、外壁や屋根、バルコニーなどの劣化を直す工事のことを指します。
    具体的には以下の内容です。

    (例)

    • 外壁の改修工事
    • シーリングの補修や充填
    • 屋根や屋上の防水工事
    • 鉄部の塗装
    • バルコニーや通路、廊下の補修工事 など

    その名の通り建物全体を補修する大規模な作業となり、その分費用も高めになります。しかし、建物の劣化を食い止めるためには必要不可欠な工事であり、10年ぐらいの周期で実施します。

    小規模修繕

    大規模修繕が建物全体を補修するのに対して、小規模修繕は一部を補修する工事を指します。また、点検や設備の補修・交換・改良も小規模修繕に当てはまります。
    具体的には以下の作業が挙げられます。

    (例)

    • 耐震調査
    • 外壁の部分的な補修
    • 部分的な塗装
    • 防犯カメラの設置
    • 共用部の照明のLED化 など

    周期は5~10年ほどですが、建物や設備に不具合があれば都度行わなければいけません。たとえば雨漏りをしていたらすぐに修繕しないと建物の内部が腐食する危険性があります。外壁材が剥がれ落ちていたら、同様に建物全体にダメージを及ぼしかねません。

    小規模修繕は種類も多いため、頻度も高くなりがちです。

    原状回復

    原状回復とは「ある事実がなかったとしたら本来存在したであろう状態に戻すこと」を指します。賃貸物件においては、入居者が退去する際に入居する前の状態に戻すことを指します。
    以下が当てはまります。

    (例)

    • クロスの張替え
    • 畳の交換
    • 照明器具の撤去
    • 床の傷の補修
    • 設備(キッチンや浴槽など)の補修・交換 など

    原状回復は特に決まった周期はありません。入居者が退去したら都度行う必要があります。
    この原状回復を行えば、再度部屋を貸し出せます。

    貸主と借主の修繕費負担の違い

    綺麗な家の写真

    修繕費の負担者は工事の内容によって異なります。

    • 貸主が負担するもの
    • 借主が負担するもの

    「物件全体の性能を維持」「資産価値を高める」ための修繕工事は貸主、借主に責任があるものに関しては借主が費用を負担する義務があります。それぞれどのようなものが挙げられるかを見ていきましょう。

    貸主が負担するもの

    貸主が負担するものとしては大規模修繕・小規模修繕が挙げられます。外壁の補修や防水工事、設備のメンテナンスや交換などは、建物の性能を維持する・資産価値をアップさせる修繕に当てはまるので、貸主負担となります。

    また、原状回復に関しても貸主が行わなければいけない部分があります。

    (例)

    • 画鋲程度のクロスに空いた穴の補修
    • 畳の交換
    • 床の傷の補修
    • フローリングのワックスがけ など

    原状回復についても物件の価値を維持するための修繕に当てはまり、貸主負担になる事柄が多いです。

    借主が負担するもの

    基本的に大規模修繕や小規模修繕の費用は、借主が負担することはありません。原状回復に関しても日常生活を送る上でやむを得ないもの、たとえば日焼けによる壁紙や畳の変色、床のワックスの剥離などに関しては貸主負担となります。

    しかし、借主に責任があるもの、たとえば故意、過失、または善管注意義務違反によって生じたものに関しては、借主が原状回復を行わなければいけません。具体的に以下のようなケースでは借主負担になる可能性があります。

    (例)

    • たばこのヤニによるクロスの汚れ
    • 引越し作業中に荷物を壁にぶつけて生じた傷
    • 飲み物をこぼして放置したことでできた畳のシミ
    • 壁紙の落書き
    • 手入れが不十分だったために風呂場に発生したカビ

    貸主負担か借主負担になるか判断が分かれるため、原状回復は揉めることがよくあります。退去時には立ち合い担当者と借主が退去立ち会いを行い、物件の状態を確認した上で、どちらが負担するかを話し合って決める必要があります。

    修繕工事のタイミングと修繕箇所

    一人の作業員が壁を点検している様子

    建物の劣化を防いで入居者が安心して生活できる環境を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
    修繕せずに放置しておくと物件の資産価値が下がり、入居者が退去する、募集しても集まらないなどの事態を招き、家賃収入にも影響が出ます。

    修繕工事のタイミングは建物の構造や大きさによって異なります。国土交通省が発行する『民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック』では、以下の区分ごとに適切な定期修繕工事の内容やタイミング・金額の目安が挙げられています。

    • RC構造20戸(1LDK~2LDK)
    • RC造10戸(1K)
    • 木造10戸(1LDK~2DK)
    • 木造10戸(1K)

    本稿でも『民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック』を参考に、建物ごとの定期修繕工事の時期や内容について解説しますので、ぜひ頭に入れておいてください。

    ※参考:民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック

    RC構造20戸(1LDK~2LDK)

    木造と比較すると頑丈なRC構造の建物でも、定期的な修繕は必要です。特に20戸以上のマンションだと入居者の数も多く、工事も大掛かりになりがちです。

    下表に築年数ごとに必要となる修繕内容をまとめました。

    30年以上に関しては記載していませんが、それ以降も修繕が必要なのは変わりありません。むしろ築年数が古くなれば、それだけ修繕すべき箇所も増えてきます。

    築年数 修繕内容
    5~10年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    排水管(高圧洗浄等)
    11~15年目 屋根・外壁(塗装)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    給湯器等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄等)
    16~20年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)
    21~25年目 屋根・外壁(塗装・葺替)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    浴室設備等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄)
    26~30年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)

    RC造10戸(1K)

    10戸程度のマンションやアパートであっても、内容は20戸以上の建物と変わりません。以下のような修繕を行う必要があります。

     

    築年数 修繕内容
    5~10年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    排水管(高圧洗浄等)
    11~15年目 屋根・外壁(塗装)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    給湯器等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄等)
    16~20年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)
    21~25年目 屋根・外壁(塗装・葺替)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    浴室設備等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄)
    26~30年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)

     

    木造10戸(1LDK~2DK)

    木造に関しては以下のような修繕が必要となります。特に雨水などが侵入すると建物の腐食につながるので、防水や外壁塗装は必須です。

    築年数 修繕内容
    5~10年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    排水管(高圧洗浄等)
    11~15年目 屋根・外壁 (塗装)
    ベランダ・階段・廊下(塗装)
    給湯器等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄等)
    16~20年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)
    21~25年目 屋根・外壁(塗装・葺替)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    浴室設備等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄)
    26~30年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)

     

    木造10戸(1K)

    1Kのアパートも同様に定期的な修繕が必要です。特に木造は耐用年数が22年とされているので、築22年以上の建物は入念に点検し、劣化部分は早めに補修しましょう。

    築年数 修繕内容
    5~10年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    排水管(高圧洗浄等)
    11~15年目 屋根・外壁 (塗装)
    ベランダ・階段・廊下(塗装)
    給湯器等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄等)
    16~20年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)
    21~25年目 屋根・外壁(塗装・葺替)
    ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
    浴室設備等(修理・交換)
    排水管(高圧洗浄)
    26~30年目 ベランダ・階段・廊下(塗装)
    室内設備(修理)
    給排水管(高圧洗浄等・交換)
    外構等(修繕)

     

    賃貸マンション・アパートの修繕費の相場

    封筒の中にお金が入っている写真

    賃貸マンション・アパートの修繕費はどのくらいかかるのでしょうか?

    • 修繕箇所別の費用
    • 原状回復にかかる修繕費用

    以上の項目に分けてご紹介します。いずれにせよそれなりに大きな金額がかかるので、相場についてもしっかりと把握し、適切な料金で工事をしてくれる業者を選ぶことが大切です。

    修繕箇所別の費用

    まずは修繕箇所別の費用相場を見ていきましょう。

    種類 修繕箇所 費用相場
    大規模修繕 外壁補修 1万円~3万円/㎡
    大規模修繕 シーリングの打ち替え 800円~1,200円/㎡
    大規模修繕 屋上の防水工事 4,000円~9,000円/㎡
    小規模修繕 タイル補修工事(ひび割れ補修・交換など) 700円~1,000円/1箇所あたり
    小規模修繕 共用部の照明LED化 50万円~100万円/1棟
    小規模修繕 耐震調査 1,000円~2,500円/㎡

    特に大規模修繕は、建物全体を施工するので高額です。前述の『民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック』によると、RC造20戸のマンションでは5年~10年目に1棟あたり170万円、11~15年目の大規模修繕時には1,090万円かかるという目安が算出されています。

    原状回復にかかる修繕費用

    次に借主が退去する際の原状回復にかかる修繕費用の相場を見ていきましょう。

     

    負担者 修繕箇所 費用相場
    貸主 クロス張替え 1,200円~1,500円/㎡
    貸主 畳表替え 5,000円~7,000円/帖
    貸主 ふすまの張替え 3,000円~4,500円/1面
    貸主 フローリングの張替え 8万円~12万円
    貸主 柱の修繕 1万円~4万円
    借主 床に付着した飲み物のシミ除去 1万円/1箇所
    借主 浴室の水垢・カビの除去 1万円~2万円

    少なくともトータルで10万円は見積もっておいたほうが無難です。大規模修繕、小規模修繕よりは費用は安い傾向がありますが、それでもある程度のコストはかかります。部屋の状況や設備の劣化具合によって費用は大きく異なります。

    前述の通り、原状回復は貸主と借主のどちらが負担するかで揉めやすいポイントとなります。両者でしっかりと合意を形成しておくことが重要です。

    修繕工事の資金不足にならないために修繕積立が必要

    砂時計とお金

    修繕工事は定期的に行わなければならず、費用もそれなりにかかります。日頃から資金を積み立てておかないと、修繕費用が足りず、必要な修繕ができないという事態にもなりかねません。そのまま放置しておくと入居者の安全や安心を脅かすことになり、資産価値も低下してしまいます。

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    こうしてワークフローを改善することで、管理会社内でも普段の家賃収益や修繕費の積み立てに関する誤算やトラブルの防止につながります。

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    まとめ

    賃貸マンション・アパートの管理は修繕や原状回復がつきものです。建物は劣化を大前提とし、定期的に修繕が必要であることを常に念頭に置くことが大事です。

    いざ修繕時期が来たときに慌てないためにも、日頃からどんな修繕が必要なのか?費用がいくら必要なのかを把握して、計画的に工事を進めていきましょう。

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