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退去時の立ち会いの流れや管理会社が借主に確認すべきことを解説

目次

    借主が賃貸マンションやアパートなどの物件を退去する際には「立ち会い」を行う必要があります。これを行わなかったり、ないがしろにしていたりすると後々トラブルにも発展しかねません。

    今回は退去時の立ち会いの流れやチェックすべきポイントについて解説します。

    賃貸物件の退去時の立ち会いとは

    借主が賃貸契約を解約したら、退去日には借主と立ち会い担当者(管理会社)が立ち会って物件の現況を確認して、原状回復の責任範囲を明確にしなければいけません。これを退去時の立ち会いといいます。

    たとえば壁紙が汚れていたときに、それは借主が汚してしまったから原状回復する必要があるのか? それとも通常使用でやむを得ず汚れてしまったから借主に原状回復義務は発生しないのか? などを判断します。

    こうして物件の状態を確認した上で借主は物件から退去します。

    立ち会い日が決まるまでの流れ

    立ち会い日は以下のようなプロセスで決まります。

    • 契約書に記載の解約予告期間(1~2ヶ月前が多い)に借主から解約の電話を受ける
    • そののち解約通知書が届く
    • 解約通知書をもとに借主・立ち会い担当者の双方都合を合わせた日程を決定する

    立ち会い日は退去する借主の都合を優先して決める必要があります。借主から解約通知書が届くので、その後に退去日を決めます。

    ただし、立ち会い担当者の都合もあるので、具体的に何日にするかは借主と立ち会い担当者で調整をしてスケジュールを組みます。

    賃貸物件の退去時の立ち会いにかかる時間

    退去の立ち会いは、物件の大きさにもよりますが概ね30分~1時間程度です。時間帯としては午前中から夕方まで、つまり日中に行うケースが多い傾向があります。

    退去時は照明なども外しているので、日没後や夜間は物件の現況が確認しづらいため、可能な限り明るいうちに行うのが理想的です。

    立ち会い日は借主が引っ越す当日に行われることが多く、立ち会いが終わったら鍵の返却もしてそのまま物件を後にします。

    前述の通り立ち会い日の日程は借主側と立ち合い担当者の都合を考慮しなければいけません。立ち合い担当者の都合がつかないと、立ち合い日が引越し日よりも後になってしまう事もあります。

    立ち合いをする会社の規模や時期によっても異なりますが、借主は遅くても希望日の2週間位前までには管理会社に連絡をする様にとアナウンスをする必要があります。

    退去時の立ち会いの流れ

    退去時の立ち会い当日の流れは以下のようなイメージです。

    1. 引っ越しで荷物を運び出す
    2. 立ち会いの担当者が部屋を訪れる
    3. 破損部分などがないか担当者と一緒に確認
    4. 補修内容などを確認して退去立ち合いに関する書類にサインする
    5. 鍵の返却

    引っ越し作業が完了したら立ち会い担当者が物件を訪問して立ち会いがはじまります。物件の確認をした後、退去立ち合いに関する書類にサインをして最後に鍵を回収します。

    それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。

    1.引越しで荷物を運び出す

    退去することが決まったら、借主は物件の中にある物をすべて運び出し、立ち会いまでに引っ越し作業を完了させなければいけません。

    引っ越し先が近い場合や業者が空いている場合は必要なものから徐々に運び出すように、余裕をもって徐々に作業を進めることも可能です。しかし、引っ越し先が遠方である場合や業者の繁忙期にあたる場合は、1日で一気に作業しなければいけないケースも想定されます。

    その場合、立ち会い当日に引っ越し作業を行うことも考えられます。

    引っ越し作業と立ち会い日が同じになっても問題ありません。しかし、少なくとも立ち会い時間までにはすべての荷物が物件から出されている状態になっている必要があります。

    2.立ち会いの担当者が部屋を訪れる

    あらかじめ借主と立ち合い担当者で決めていた立ち会いの時間になったら、担当者は物件へ訪問します。借主は荷物の搬出を終えている必要があります。

    3.破損部分などないか担当者と一緒に確認する

    立ち会い担当者が物件に入ったら立ち会いスタートです。担当者と借主が一緒に床や壁、設備などの状態を一つひとつ確認していきます。

    物件内に傷や汚れなどがあった場合は、それが借主の入居前からすでにあったものなのか、入居後にできたものなのかを明確にすることが大切です。借主は、入居前にあった傷や汚れが入居前の内見時に撮影した写真などを見せながら説明をすると、立ち会いがスムーズになります。

    4.補修内容などを確認して契約書にサインする

    物件の確認が終わったら補修が必要かどうか? 敷金を戻すかどうか? を担当者が判断し、借主側は退去立ち合いに関する書類にサインをします。支払いに関する重要な書類となるので、借主には内容をよく読んでもらいましょう。

    5.鍵の返却

    担当者が電気のブレーカーを落とし、借主から鍵を返却してもらったら、立ち会い完了です。仮に合鍵などを作っていた場合は、それも借主からすべて返却してもらう必要があります。後々合鍵を作っていたことが発覚するとトラブルに発展する可能性も考えられます。

    退去立ち会い時に管理会社が借主に確認する項目

    立ち会い時に管理会社の立ち会い担当者が借主に確認すべき項目は大きく分けて以下の5つです。

    • 部屋の状況確認
    • 退去理由
    • 退去後の連絡先
    • 電気、ガス、水道の使用停止手続き
    • 鍵を受け取る

    後々のトラブルを防ぐためにも、借主・貸主双方がしっかりと確認して合意を形成しておく必要があります。

    部屋の状況確認

    賃貸物件では、借主に原状回復の義務が生じるケースと生じないケースがあります。日常生活を営む上でついてしまう傷や汚れ、経年劣化などに関しては借主が補修する必要はありません。

    一方で故意、過失、あるいは通常の使用を超えるような範囲の破損や損耗などがあった場合、借主は原状回復をする必要があり、追加で修理費を支払わなければいけない場合もあります。

    この境界線は人によって判断が異なり、トラブルにも発展しやすい部分です。一般的には国土交通省のガイドラインに従って判断するのがベストで、管理会社の立ち会い担当者はその内容をよく知っておく必要があります。

    立ち会い時には主に以下のような項目について確認します。

    • たばこの匂い、汚れ、黄ばみ
    • 壁紙・クロスの傷や汚れ
    • 水回りのカビや水垢
    • 床の傷や汚れ
    • 網戸の破損や汚れ
    • エアコンやウォシュレットなどの動作確認
    • 照明器具などの確認
    • 換気扇の動作確認や汚れ
    • 結露チェック

    それぞれチェックすべきポイントを詳しく解説していきます。

    たばこの匂い、汚れ、黄ばみ

    たばこの臭いが部屋に染み付いている、ヤニで壁紙が汚れていたり黄ばんだりしていて清掃で除去出できない程度の場合は、通常使用による汚損を超えるものと判断され、借主にクリーニングや壁紙の貼り替えを請求できる可能性があります。また、物件内が禁煙であった場合は、借主が契約違反にあたると考えられます。

    壁紙・クロスの傷や汚れ

    喫煙によって変色が生じたケースや壁紙に故意に落書きをしたケース、汚れを見落としてそのままにしていたケース、ピンや画鋲による穴が下地にまで到達してしまい張り替えが必要な場合は、借主へ原状回復を依頼できる場合があります。

    しかし、日焼けして壁紙やクロスが変色してしまったケースは通常使用の範囲のため、借主が原状回復を行わなくても良い可能性があります。また、画鋲やピンなどの穴が空いていても、それが下地ボードまで到達してしまい張り替えが必要なケースでなければ通常使用の範疇と考えられます。

    水回りのカビや水垢

    風呂やトイレ、洗面台のカビや水垢に関しては清掃、手入れを怠ったことが原因である場合、善管注意義務違反に該当して借主に高額なクリーニング代や補修費用などを請求できる可能性があります。
    たとえば、風呂掃除を定期的にしていなかった、換気を適切に行っていなかったことによってカビや水垢が発生した場合は、借主の責任になることが考えられます。

    ※善管注意義務違反:取引において一般的・客観的にある程度の注意をしなければならないという注意義務のこと。

    床の傷や汚れ

    床に物を落として大きな傷をつけてしまった、飲み物をこぼして十分な掃除をしなかったがためにシミになってしまった、子どもが落書きをしてしまったケースでは、借主の責任になる可能性があります。

    しかし、日焼けによる変色や通常使用による経年劣化、汚れや傷などは、原状回復義務に該当しないと考えられます。たとえば、家具を置いたことによって生じた痕やへこみ、日常生活をしている上で生じる小キズなどは、通常の使用の範囲内となります。

    網戸の破損や汚れ

    網戸の経年劣化による汚れや破損などがあった場合は、貸主側が張り替える必要があります。子どもが破ってしまった、物をぶつけて壊してしまった、適切な掃除や手入れを怠って汚れてしまったケースでは、借主側の責任になる可能性が考えられます。

    エアコンやウォシュレットなどの動作確認

    故意や過失、善管注意義務違反などによって故障したり性能が低下した場合は、借主側の責任になると考えられます。たとえば、エアコンのフィルター掃除を怠った結果性能が低下してしまった、タバコの臭いが付着してしまったケースなどが該当する可能性があります。

    しかし、家電製品には耐用年数があります。たとえば、エアコンの耐用年数は約6年とされています。普通に6年以上使っていて故障や性能の低下が見られた場合は、借主に原状回復義務が生じない可能性があります。

    照明器具などの確認

    照明器具は入居する前からあったものはそのままにして、入居後に取り付けたものは退去時に撤去しなければいけません。借主が処分したくない、あるいは新居に持って行きたくない場合は残置物扱いとなります。

    また、照明器具で問題となるのが、天井に付着した跡です。もともとあるコンセントを使って照明器具を取り付けた結果、跡がついてしまうのは通常使用の範囲内と考えられます。しかし、その範囲を超えると借主に原状回復の義務が発生する可能性があります。

    換気扇の動作確認や汚れ

    掃除を怠ったことで著しく油が付着したり、サビが発生、換気扇自体が変色してしまケースは、借主側の責任になると考えられます。

    しかし、通常の使用の範囲内での汚れや破損、薄い油汚れや変色などは、日常生活でつく可能性があるため、借主に原状回復の義務が発生しない可能性があるのです。

    畳は経年劣化がしやすく、どうしても日焼けによる変色が発生します。素材も柔らかいため傷がつきやすいです。一般的に貸主側が次の入居者のために裏返しや表替えを行います。

    ただし、飲み物をこぼして適切に掃除しなかったためにシミやカビが発生してしまった、物をぶつけて大きな傷をつけてしまったというケースでは、借主の責任になることが考えられます。

    結露チェック

    結露は建物の構造上の問題であることが多いのですが、結露が発生しているのにも関わらず借主が貸主に報告しなかった、拭き取るなどの手入れを怠ってカビが発生したり壁などが腐食してしまったケースでは、借主に原状回復義務が生じる可能性が考えられます。

    退去理由

    退去時には可能な限り借主が退去する理由を確認しましょう。就職や転勤、結婚などの理由なら良いならともかく、物件に何らかの問題があって退去する可能性も考えられます。

    「設備が古い」「近隣の臭いや騒音が気になる」「家賃が高く感じるようになってきた」「住み心地が良くない」「治安が悪いと感じるようになった」というように、何らかの不満が募って退去するケースは要注意です。次に入居した人も同じような理由で早期退去してしまうリスクがあります。

    しっかりと退去理由を確認し、物件や周辺の環境に問題がある場合は改善に努めましょう。

    退去後の連絡先

    退去後も敷金の精算や立ち会いの見落としなど、借主と連絡するケースは多々想定されます。退去した後でも確実に連絡が取れるよう、連絡先や転居先は必ず確認しておきましょう。

    電気、ガス、水道の使用停止手続き

    退去時に電気やガス、水道などライフラインの利用停止手続きが適切に行われていないと、次の借主がスムーズに入居することができません。しっかりと停止手続きが行われているかも必ず立ち会い時に確認しましょう。

    鍵を受け取る

    立ち合いでの確認が終了したら、立ち合い担当者は借主から鍵を返却してもらう必要があります。スペアキーを作っていた場合はそれも含めてすべて回収します。

    借主が鍵を紛失、破損している場合は、貸主に報告する必要があります。貸し出した本数の返却がない場合、借主の費用負担になるケースがあります。

    退去立ち合い日に借主本人が立ち会いに来ない場合の対処方法

    借主が仕事などの理由で立ち会い当日に来られない場合があります。退去の立ち会いは代理人でも可能です。

    仮に借主が代理人を立てている場合は委任状があること、立ち会いから鍵の返却、敷金精算まで代理人が責任をもって引き受けることを同意しているかを確認しましょう。

    GMO賃貸DXなら借主との連絡も簡単で退去立ち合いもスムーズにできる

    「GMO賃貸DX」は不動産管理会社向けのアプリで、入居者とスムーズなコミュニケーションを実現します。「メッセージ機能」を使えばチャット感覚で立ち合い担当者と連絡を取ることができ、退去立ち会いの日程調整もスムーズに行えるようになります。借主と密に連絡を取り合えば、事前準備や退去立ち会いもそつなくこなせます。

    「住み替え物件案内(オプション)」によって、退去する借主に対して新しい物件が紹介できるので、お客様としての関係と継続できる可能性が高くなります。

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    まとめ

    退去立ち会いは事前の日程調整から当日の確認まで、やるべきことが数多くあります。事前にチェック項目や原状回復の基準を把握しておけばスムーズに立ち会いが進んで後々のトラブルも防ぐことができますので、今回の記事を参考にして退去立ち会いの流れやポイントを理解しておきましょう。

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