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<5コツ目>空室対策1|データドリブンで考えたら魚屋がピッタリ来た!

賃貸管理業界と言えば、「空室対策!」と言う事で今回はご多分に漏れず空室対策をテーマにしてみました。

第1回目はデータドリブン的なアプローチで賃貸管理会社の空室対策を考えてみました。

目次

    データドリブン

    まずは「データドリブン」から始めたいと思います。

    念のため、データドリブンの意味を確認します。
    データドリブンはここ2~3年くらい徐々に注目され始めている考え方(手法)です。
    会社経営や営業戦略を経験や勘に頼って考えるのではなく、様々なデータの分析結果から意思決定していくと言う手法です。

    なんだ、当たり前じゃないかと言われるかもしれません。

    そのとおりです。

    ただ、これが改めて注目されている事には理由があります。
    日本でもやっとデジタル化が進み始め、WEBやIoT等、様々な手段で膨大なデータが蓄積されるようになりました。

    いわゆるビッグデータです。
    これにAIの進化が重なり、データ分析の分野が急激に進化しています。

    以前よりスピーディーに、かつ、利用価値のあるデータ分析のツールが多くなってきたた
    め、多くの企業がこの手法に重きを置きだしたからだと思います。

    部屋が空いてから考えたのでは遅い

    それでは、私なりにこれまで実施してきたデータ分析に基づく空室対策について、考えてみたいと思います。

    賃貸管理業はストックビジネスです。
    一度、契約をしたら毎月家賃が入って、管理手数料やら、サブリースであれば転貸差益が入ってきます。

    ところが一度部屋が空いたら、賃貸管理会社の手数料が止まるだけでなく、オーナー様の手元には1銭も入らなくなります。
    このためになるべく早く次の入居者を探さなければなりません。

    部屋が空いてから空室対策開始までの時間が空いてしまうと、それまでに空いている期間の家賃が入らないので、空室対策の開始は早めがいいと言う事になります。

    一番いいのは部屋が空く前から空室対策を考えておくと言う事になります。
    しかし、現実的にはなかなかそうはいきません。

    私がお勧めするのは、部屋が空いたら、一定の決めた日数に反響が無かったら募集条件を甘くしてでも空室の成約を最優先にすると言うものです。
    そして、成約してから、次にその部屋が空いたら、どんな空室対策をするか考えると言うものです。

    つまり、空室になってから、どうしようと悩んでいる間にも入るべき家賃が入ってこない訳ですから、家賃が下がっても入居してもらった方が得と言う事になります。
    その代わりこの部屋が次に部屋が空いたらすぐに手を打てるようにしておく事は言うまでもありません。

    品ぞろえ

    元付け会社、あるいは賃貸仲介部門を持たない管理会社は空室物件の品揃えに注意しなければなりません。
    なぜなら、こういった会社は自社で直接入居者を募集すると言う訳ではなく、他の賃貸仲介会社に入居者を探してもらう事になるからです。

    入居者を探してくれる賃貸仲介会社は、あらかじめどこの管理会社にはどんな空室があるかを頭に入れておいて、お客様から反響があったらすぐに適切な空室物件の紹介をする必要があります。
    彼らは状況把握のため、管理会社の空室物件専用サイトを見にきたり、メールやFAXで空室物件の一覧表を送るよう依頼してきます。

    その際、管理会社の空室が特定の物件に集中していたり、特定のエリアに空室が偏っていたりすると、その管理会社はいつもこういった状況であるのではないかと思われたりします。

    そうすると、その管理会社の管理物件が少ないエリアや少ない部屋タイプの空室が発生した時に、成約しづらくなってしまいます。

    このため、空室数と空室物件のエリアや部屋タイプのバランスを常に見ておく方が、募集がしやすくなります。

    季節ごとに家賃は異なる

    賃貸住宅の成約は季節に大きく左右されます。

    エリアや部屋のタイプにもよりますが、毎年1月から4月中旬くらいまでの繁忙期は通常月の2倍以上の成約があります。
    その後、閑散期に入って8月まで家賃相場が下がり続け、8月のお盆明けから9月にかけ、第2の小さな繁忙期があります。
    その後、また家賃相場が下がり続け、11月くらいまで下がった後、12月になると翌年の繁忙期を見据えて下げ止まります。

    つまり、出来るだけ空室を押さえながら、高い家賃で入居して頂くためには、この季節家賃を意識した戦略が重要となります。
    賃貸住宅の家賃相場は景気に左右されるだけでなく、季節にも左右されるので、その相場に合わせて募集しましょうと言う訳です。

    ただ、この季節家賃差があまりにも大きくなる場合には、多少手を打つ必要があります。
    閑散期に家賃をあまり安くして成約してしまうと、長期的な収支が悪くなるからです。

    このための打ち手の一つは、家賃を下げないで入居者の方のフリーレントを多くとる方法です。
    こうすれば、目先の家賃は入りませんが、仮に長く住んで頂いても、家賃は下がっていないので安心です。

    もう一つの方法は定期借家契約です。
    閑散期に家賃を安くして定期借家契約で入居して頂きますが、契約期間を次の繁忙期までとし、そこからは通常家賃とします。
    仮に入居者に契約期限で終了(解約)されてしまっても、繁忙期なので成約は難しくありません。

    部屋ごとに募集条件を変える

    当たり前の事を言っているようですが、お伝えしたい事は一般論と少しニュアンスが異
    なるかと思います。

    一般に部屋のタイプや面積、階数が同じであれば、家賃も同じにする事が多いかと思いま
    す。
    募集媒体がSUUMOやHOME’Sである以上、通常、部屋を探すお客様は検索条件を変えながら徐々に探す部屋を絞っていきます。
    そうであれば、同じ物件に同じ家賃の空室が発生した場合、同じ条件であるより、多少でも条件が異なれば、検索でヒットする可能性は高くなります。

    例えば、たまたま同じ部屋が空いて、1部屋を家賃7万円、礼金1ヶ月で募集したとしましょう。
    これを2部屋目は家賃72,000円、礼金なしで募集すると言うような意味です。

    こういった細かい技がお部屋探しの方の検索機会を増やす事につながります。

    付加価値を付ける

    一般に空室対策で一番多いのはこの手法ではないでしょうか?
    (あえて最後に持ってきました)

    当たり前ですが、ここで一番気をつけなければならないのは、費用対効果です。
    例えば家賃が5万円の部屋に付加価値(設備だったり、リフォーム工事だったりする)を
    30万円かけて募集した結果、空室が2ヶ月短縮できたとします。
    仮にこの効果がその後の入居者の入れ替え時と合わせ2回分あったとしても、その効果は5万円×2ヶ月×2回=20万円となり、差し引き10万円のマイナスとなります。
    かけた費用に対して効果が少なかったと言う事です。
    実際にはこのようなケースは多くあるように思います。

    この費用対効果は、同じ施策をしても物件によって異なります。

    例えば、インターネット無料物件にした場合の効果です。
    少し前の分析結果ですが、東京都内のあるエリアで空室数万戸を対象に分析をしました。

    その結果、築10年未満の物件の空室をインターネット無料にした場合の家賃の値上げ効果は、しない場合に比べて5000円のアップでしたが、築11年以上は7000円のアップとなりました。
    他の要素もあるので一概には言えませんが、築年数によって差があるのは間違いないようです。

    この理由は設置率にあります。

    募集物件のうち、築10年未満のインターネット無料物件の比率が41%であったのに対して、築11年以上の比率はたった7%でした。
    建物が古くてもインターネット無料物件に少しでも安く入りたいと言う希少性がこの差を生んだのではないかと思います。
    さらに、もっと驚いたのはその成約率でした。

    一定期間にその成約に至った成約率は築10年未満のインターネット無料の比率が49%であったのに対して、築11年以上の比率はたった18%となり、
    インターネット無料は築古の物件に設置した方が、その希少性からだんぜん成約率が高くなると言う結果となりました(7%→18%)。

    なぜ「魚屋?」

    さて、今回のテーマ「データドリブンで考えたら魚屋がピッタリ来た!」にある魚屋となぜ例えたのか、答え合わせをしたいと思います。

    改めて確認しますが、まず前提として、これまでご説明した内容は、すべてデータで確認した結果となります。

    その上で、「2.部屋が空いてから考えたのでは遅い」のところでご説明したのは、魚屋であれば、「一定の決めた日数に反響が無かったら募集条件を甘くしてでも空室の成約を
    最優先にする」が、「営業時間内に売り切らないと、魚が腐ってしまうので、その前に安くして売る」と言う考え方です。
    魚屋の閉店前の2割引きと言う事です。
    その日は2割引きで売ってしまうけど、翌日、同じ魚を仕入れたら、夕方までにどうやって売り切るかを考える事が必要だと言う意味です。

    「3.品ぞろえ」は文字通り、魚屋の品ぞろえと同じです。
    幅広いお客様に来ていただくためには魚種は多い方がいい事と、同じ魚ばかりたくさん売っていると、あまり美味しくないように思えてしまうものではないでしょうか。

    「4.季節ごとに家賃は異なる」も魚屋らしいところです。
    生鮮食品以外はそこまで価格に変動はありませんが、特に魚の価格は季節変動が大きいと思います。
    商品の需給バランスは常に変動しますから賃貸物件も季節に応じた価格を意識するのが必要ではないでしょうか?

    「5.部屋ごとに募集条件を変える」は、魚屋で言えば例えばアジを多く仕入れたら刺身やたたきやアジフライにして、売る事で少しでも売れ行きを良くすると言う事です。

    最後の「6.付加価値を付ける」と言うのは、差し詰め、マグロの解体ショーを企画したり、にぎり寿司にして売ったりする事になるでしょうか?

    以上、答え合わせをしてみました。

    こう考えて来ると、魚屋で大事な事は「鮮度」なので、長期空室は最大の敵になるのかもしれません。

    鮮度には気を付けましょう。

    まとめ

    今回は空室対策を魚屋に例えて、考えてきました。

    ただ、空室対策はリーシング対策だけではありません。

    次回は、リーシング対策と同等に重要なテナントリテンション(入居者の保持)について、考えてみたいと思います。

    最後になりますが、魚屋にあって私たちに欠けているものがあると思っています。

    それは「威勢」です。

    元気のない魚屋はなぜか鮮度が悪く見えてしまいます。
    私たちもこの「威勢の良さ」をどうしたら実現できるか考えてみたら面白いかもしれません。

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