お問い合わせ
特集記事Feature

<10コツ目>空室対策6|賃貸物件も鮮度が大事?

今回は空室対策の6回目です。
リーシング業務の流れに合わせ、前回は空室対策の視点から見た、入居者からの解約連絡や募集条件の決定方法についてご紹介してきました。

募集条件が決まった後、今回は次のステップ、募集メディアの選択について考えていきたいと思います。

目次

    メディアの現状

    一言で賃貸の募集メディアと言ってもWEBメディアやマスメディア、ソーシャルメディア、屋外広告、印刷物等、多岐に渡ります。

    これらの中でも賃貸物件の募集と言えば、WEBメディア、その中でもやはり中心となるのは、SUUMOやHOME'Sに代表される不動産ポータルサイトではないでしょうか?
    これらのサイトは、前回ご紹介した通りお部屋探しをする方の3大ポイントである立地とスペック(仕様)と家賃を網羅的にかつ、使い勝手も良く構築されており、これらが中心となっている事については特に説明の必要もないと思います。

    この不動産ポータルサイトを、仮に日用品を取り扱う一般の商品に例えれば、スーパーマーケットに近いかもしれません。
    スーパーマーケットは、リンゴは果物コーナーに、アジは魚売り場に、生産地ごと、価格ごとに整然と並べられており、広い売り場の中で、目的の品物をすぐに見つけ出すことが出来ます。

    不動産ポータルサイトでも同様に、賃貸物件が立地とスペックと家賃ごとに整然と並べられており、多くの物件の中から目的のものを比較的迷わないで探し出すことが出来るのではないでしょうか?
    不動産ポータルサイトは、こういった核心的な利便性を持つ事から、今後も賃貸物件の募集の中心である事に変わりはないのではないかと思います。

    ただ、一方では社会の多用化が進み、賃貸物件も供給過多気味に推移する事がほぼ確定的になっている中で、最近、様々な動きが見られるようになってきました。

    WEBメディア

    SUUMOやHOME'Sを不動産ポータルサイトの中のスーパーマーケットとして例えましたが、これにならって言えば、最近、直売所(道の駅?)や専門店、あるいは専門店街のような形態のサイトが登場しています。

    直売所に当たるサイトは、賃貸仲介会社を通さないで大家さんや賃貸管理会社が直接募集するサイトの事です。これらのサイトはその価格的優位性だけではなく、産地直売と言うだけに鮮度(情報公開のスピードや精度)や生産者(大家さんや管理会社)の顔を売りにしており、消費者(お部屋探しをする方)はおとり広告などを気にせずに安心して買い物が出来ます。

    専門店に当たるサイトは、ペットが飼育できる物件、楽器を使用できる物件、セキュリティに強い物件、デザイン性の高い物件等、特定のカテゴリだけを集めたサイトの事を言います。
    さらにこれらの専門店的なサイトばかりを集めた専門店街のようなサイトも登場しつつあります。

    これらの直売所や専門店は、スーパーマーケットのようにプル型(お店を開いてお客様をお待ちする)だけではなく、プッシュ型(例えばペット飼育の可能な物件であれば、ペットショップに賃貸物件の募集を取り次いでもらうと言うように自分たちから外に向けて働きかける)にも時間をかけるため、今後、新たな販売チャネルの開拓が期待でき、管理会社も要注目です。

    マスメディア

    マスメディアは新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどを指しますが、賃貸物件の募集のためにこれらに広告を載せると言う意味ではなかなか費用対効果が合わないため、パブリシティに力を注ぎます。つまり、ニュースや記事として掲載してもらう事に注力すると言う事です。掲載してもらうためにはプレスリリース(マスメディアがニュースや記事にしやすいように情報や写真、動画などをまとめる)が必要となります。

    このプレスリリースを自社のホームページで配信すれば誰でも見る事は出来ますが、それだけでは誰も見に来てくれません。
    このため、通常はプレスリリース配信サービスを利用します。このサービスは情報を提供したい多くのマスメディアに対して、安価(数万円)で一括して情報を配信できるサービスです。以前は私も賃貸管理会社内で、個性的な物件が準備できると利用していました。

    マスメディアで賃貸物件の募集を行うためには、「話題性」が必要になります。単に個性的であるだけではなく、それをどのように伝えるかも重要になるため、ハードルは低くありませんが、うまくいけば非常に大きな反響を得ることが出来ます。

    ソーシャルメディア

    ソーシャルメディアは上記のスーパーマーケットの例で言えば、セレクトショップやブランドショップに当たります。
    代表的なメディアはSNS、つまりX(旧Twitter)やInstagram、TikTok、YouTube、Facebook、LINE等、有名なWEBサービスがこれに当たります。

    これらのサービスは一般的に双方向のサービスのため、プッシュ型の戦術も必要となりますので、単に賃貸物件の特徴だけ並べて掲載してもまったく効果は無く、誰が(ユーチューバー?)、どのように、どのメディアを使って情報発信し、どのようなルートでその反響を受けるか等、それなりにノウハウが必要となってきます。

    また、これらのSNSサービス以外にも、ソーシャルメディアの中には地域のコミュニティなど特定の方々を対象にしたメディアもあります。
    例えば、一般の不動産ポータルサイトでは反響を得にくい、駅から遠いマンションの入居者募集の際に、その地域のコミュニティを対象とするソーシャルメディアに投稿すると言った賃貸物件の募集方法が考えられます。

    アナログメディア

    ここでアナログメディアと言う分類は適切でないかもしれません。
    なぜなら、これまでご紹介したマスメディアやソーシャルメディアにもアナログメディア(紙面等)は存在するからです。

    ただここでは、賃貸管理会社が自ら屋外広告や印刷物と言う手段を使って、入居者の募集をすると言う意味でとらえて頂ければと思います。

    賃貸管理会社が一番利用するアナログメディアと言えば、賃貸物件の現地に取り付けるノボリではないでしょうか?風になびくノボリは、お部屋探しのために賃貸物件を訪れる方々に対して、それなりにインパクトがあります。以前よりノボリを見る機会が減ったようにも思えますが、私は一定の効果があると思っています。

    広告の効果の一つに単純接触効果(ザイオンス効果)があります。
    これはその広告に接触する機会が増えるほど、親しみがわくと言う心理効果を利用しているものです。
    この単純接触効果は同じメディアに何回も登場するとかえって嫌悪感を抱くと言うリスクがありますが、一方でメディアの種類が増えれば増えるほど、その効果が増す事が分かっています。

    例えば、ある賃貸物件を不動産ポータルサイトで見た後、SNSでも見て、現地に行くとノボリもあったと言うようなケースです。
    この効果を活かす意味でも現地看板やノボリは効果があるのではないかと思います。

    また、アナログメディアとして、チラシやパンフレットもあります。

    内見するお部屋の中にチラシを置く賃貸管理会社も見かけますが、このチラシの中にポータルサイトだけではアピールしきれない内容を盛り込む事で効果が期待できると思います。

    まとめ

    今回は賃貸物件の募集メディアについて、考えてきました。

    賃貸物件の募集メディアについては最初にご紹介したように、これまでも、そしてこれからも不動産ポータルサイトの優位性は変わらないと考えています。

    ただし、少子高齢化で空室が増加し、コロナ禍でオンライン化が一定程度進む中で、新たなニーズが生まれつつあると思います。
    立地とスペック(仕様)と家賃と言う黄金の三点セットだけではなく、コミュニティやサービス、ライフスタイルと言うようなカテゴリ、こういったカテゴリは住むことを重視したり、住むことそのものを目的とした新たなカテゴリです。

    黄金の三点セットは巨大な市場ですが、縮小市場です。
    これに対して時代のニーズに合わせて生まれた新たなカテゴリは今のところ小さな市場ですが今後は拡大する可能性の高い市場です。
    市場が拡大すればメディアも成長していくので、賃貸管理会社として、こういったメディアに注目するだけではなく、賃貸物件の供給そのものにも関わって行くべきではないでしょうか。
    以上

    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    CONTACT

    GMO ReTechでは、賃貸運営を楽にする
    をミッションにしております。
    賃貸業務でのDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して
    お気軽にご相談下さい。

    キーワードKeywords
    キーワードKeywords
    業務効率化や売上アップにつながる「お役立ち資料」をチェック!無料ダウンロード
    無料でWeb相談
    無料ダウンロード