2024.05.23 RELEASE

オリジナルアプリ「オンテック オーナーアプリ」の導入で、業務の平準化によるオーナー様の満足度向上を期待。

  • オーナーアプリ

愛知県小牧市を中心に賃貸管理、仲介業を展開している株式会社オンテック。中部地方の不動産業界を牽引する同社が、DX化の一環として、オリジナルアプリ(※)「オンテック オーナーアプリ」の導入を決めました。導入から間もない同社に、事業内容や導入にいたった経緯、また期待していることなどについて伺いました。

※「GMO賃貸DX」を企業独自ブランドとしてオーナー様へご利用いただける、オプションサービス

GMO賃貸DXは独自のブランディング戦略の一環として非常に重要

まずは貴社とお取引のあるオーナー様と、どのような点に注意してお付き合いをされているか教えてください。

▲株式会社オンテック 営業統括部 次長 伊藤軌禄氏

オーナー様は、ほとんどが代々受け継がれた土地にアパートやマンションを建築されています。元々、相続対策として建てられることが多いですね。今では、アパートに関して投資という概念が非常に一般的になってきましたが、弊社の創業当初は、投資という目的ではなく、受け継いだ土地をどう継承していくかという目的でアパートを建てていました。

そのため、土地に対する思い入れが非常に強いオーナー様が大半です。そういった想いを理解しながら、オーナー様とお付き合いをしています。

DX化に関してオーナー様からの要望はありましたか?

オーナー様からは、「建物の点検報告をもっと簡潔にできないか」という声がありました。特に他社の物件も管理しているオーナー様からの要望です。また、遠方のオーナー様とのやり取りに時間がかかるため、メールでの書類や情報の交換が多くなりました。これについても、もっと効率的な方法を考えなければならないと感じています。

GMO賃貸DXを導入したきっかけについて教えてください

不動産や建築業界の方なら同じ悩みを抱えていらっしゃると思うのですが、オーナー様や入居者様とのやり取りに紙を使用することが圧倒的に多いです。特に書類のやり取りで、ファックスを利用し、それを本社で再入力するといった非効率な作業が発生していました。また、ファックスの送受信のやり取りに無駄が多く、工事の進行が遅れるといった問題もありました。これらの業務効率を向上させたいと考えていました。

加えて、オーナー様の世代が変わってきたと同時に、スマートフォンが普及したことで、デジタル化が必須だと考えたのもの導入したきっかけのひとつですね。

GMO賃貸DXを導入した決め手は何でしたか?

他社のサービスと比べて、アプリの視認性が圧倒的に優れている点です。年配のオーナー様にも分かりやすく、操作がしやすいことを重視しました。また、紙での工事受注やそのやり取りも電子化する方向で、そうした関連サービスも決め手のひとつでした。また、1〜2年ほど前から営業担当の方よりお声をかけていただき、熱い想いを感じたのも大きなポイントです。

弊社では定期的に各拠点でオーナー会を行っており、また賃貸経営に関する勉強会なども開催しています。これらの会の案内や出欠確認も、このアプリを使えばスムーズに行えると思いました。

さらに、オリジナルアプリでオンテックとしてオーナーアプリを提供できるため、ブランディングという面でも重宝しそうです。弊社では4、5年前から中部エリアでテレビCMを放映し、シャークヤくんというキャラクターと新しいロゴマークを導入してきました。このアプリも、オンテックの認知度をさらに高める機会として、独自のブランディング戦略の一環として非常に重要だと考えています。

▲オンテックオリジナルキャラクター「シャークヤくん」

オーナー様との接点を増やしつつ、業務を効率化していきたい。

導入後に期待していることは何ですか?業務効率化やコスト削減以外に期待される効果はありますか? 

我々は管理会社であり、管理物件がなければ仲介も成立しません。固定的な収益を生み出すためには、管理物件を増やすことが命題です。このGMOアプリを利用して、既存のオーナー様の管理離れを防ぎつつ、他社で管理されているオーナー様にも当社のサービスを知ってもらい、「オンテックはこんなサービスをやっているのか、管理を任せてみよう」と考えていただくことが目標です。この戦略により、管理物件を増やし、売り上げを拡大することを期待しています。

また、デジタル化の流れは避けられないですから、オーナー様のみならず、将来的には入居者様の満足度を向上させるためにアプリ導入などの施策を展開する予定です。

アプリを活用することでオーナー様とのコミュニケーションは改善していけそうでしょうか?

新型コロナウイルスの流行が始まってから、非接触の必要性が高まり、私たちも対応を迫られました。特にオーナー様とは、訪問回数を重ねることで関係を深めることが重要だったのですが、コロナにより訪問が難しくなりました。アプリを使えば、電話するほどでもない小さなコミュニケーションや、文書のやり取りを効率的に行えます。さらに、人手不足の中で、訪問にかかる時間と労力を削減し、効率的に業務を進めることができるようになります。

オーナー様自身もコミュニケーションを求めており、特にデジタルでのコミュニケーションの機会が増えています。アプリを通じたコミュニケーションを強化し、必要に応じて訪問を加えることで、従来の方法とは異なる新しいサービスを展開できると考えています。

世代交代においても、このアプリに期待していることのひとつですね。オーナー様がいくら元気であっても、やがて世代交代は必要です。しかし、情報の伝達がスムーズに行われないこともあります。GMO賃貸DXは、過去のやり取りを含めて全ての情報を共有することができるので、新しい世代も自分たちの管理物件の履歴を把握しやすくなります。

アプリを活用し、スキルセットの平準化を目指す。

こんなサービスがあればというお考えはございますか?

不動産業界に限らず、ビジネスの世界では情報を整理し、活用することが大きな課題です。私たちが望んでいるのは、物件、オーナー、入居者に関する情報を整理し、効果的に活用できるシステムの構築です。現状では、情報が分散しており、それを活用可能な形にする前の段階での整理ができていません。この部分を改善するために、効果的なデータ管理システムが必要です。そうしたシステムがあれば、情報を適切に活用し、業務効率を向上させることができるのではと考えています。顧客管理システムのようなものですね。

これは顧客一人あたりの単価を上げることにも繋がりますが、実際には現場での作業効率も重要です。たとえば、退去時の立ち会いで今は紙を使って作業していますが、それが手間となっています。そこで、建物の詳細がデジタルで整理されていれば、現地でタブレットを使って即座にデータを入力でき、作業を誰が行っても同じ結果になります。

見積もりや物件の診断結果など、人による変動が大きい現状では、結果の平準化がされていませんし、効率も良くありません。この部分をDX化して効率化し、もし適切な技術を持つ会社があれば、そういった企業と連携して進めていく必要があると思っています。

すでに社内で進めているDX化としては、建物点検の報告書の取り扱いを例に挙げると、これまで紙ベースで行っていた作業をウェブ上で確認できるサービスに移行しました。ただし、まだ完全には解決していない課題もあります。今後これらの課題もデジタル化へ移行することで解決できればいいですね。

GMO賃貸DXでは、オーナー様とのやりとりを社内共有することができます。この点について、どのようにお考えですか?

非常に魅力的ですね。例えばLINEやメールでは上席者のやり取りを新人スタッフが見ることはできませんが、このアプリでは設定により、そのようなやり取りを共有することが可能です。これを研修材料として使用し、どのように応答しているかを学ぶことができるのではと期待しています。そして、新人スタッフがテンプレートを参考にして、適切な言い回しを学ぶことが可能になりますよね。つまりスタッフ間のコミュニケーションスキルの平準化を図ることができるのではと考えています。

また、不動産業界では現在、電子契約などのIT化が進行中ですが、この業界は伝統的に紙文化が強いため、DX化が遅れているとされています。弊社のような地域では管理戸数が多い管理会社が、積極的にIT化を推進することで、業界全体の変革を促せればいいのではないでしょうか。

円安や物価高騰の影響を受けても家賃はあげられない。この現状をかえるには、業界全体での取り組みや意識改革が必要。

不動産業界のDX化における現状や課題について教えていただけますか?

不動産業界は厳しい状況にあります。特に賃貸不動産は、円安や物価高騰の影響を強く受けています。一般的に物価が上がると消費者価格も上がりますが、不動産の家賃は上げづらいのが現状です。これは法的にも契約上も制約があるため、物価高に伴う家賃の適正な調整が難しいです。

電気代や水道代は上がっていますが、共益費は固定されている状況です。そして従業員の給料も上げなければなりません。しかし、家賃を上げようと提案すると、やはり多くの場合反対されます。家賃を上げるために付加価値を提供しようとしていますが、そのための工事費も上昇しています。その結果、私たちやオーナー様が自腹を切ることが増えています。

賃貸経営は厳しさを増しており、多くのオーナー様が経営の厳しさを感じています。解決策として、法整備が進むことを望んでいます。理想としては、物価が上がるならば家賃もそれに応じて自然と上がる、これが法律的に可能な状態にしてほしいです。この点に関しては、業界全体での取り組みや意識改革が必要だと思います。

既存のサービスのブラッシュアップや新しいサービス構想があれば教えてください。

直面している大きな問題として、人手不足があります。今期は特に、業務の集約化を図ることを検討しています。これは個別の店舗で行っていた作業を、本社やエリア単位で処理できるかどうかを見直す良い機会です。そうすることで、効率化を進め、人手不足に対応していきたいと考えています。

また、必要とされる人材の像も変わってきています。これまでは店舗にいなければできない業務が多かったですが、今後は本社勤務や遠隔勤務で対応できるスキルを持つ人材を求めるようになるでしょう。これにより、人事戦略も変わってくると考えています。このような変化を踏まえ、新しい人材を積極的に取り入れ、今後の展望を広げていきたいと思います。

また、不動産業界全体での取り組みは本当に重要です。例えば家賃設定においても、適正な基準を設けることが望まれます。ただ、自由競争の市場では難しい側面もありますが、エリアごとに適正な家賃や物件の紹介方法について、管理会社や仲介業者間でコミュニケーションを取り合いながら、共通の基準を設けていく試みをしています。

このような地域ごとの取り組みが、業界全体の発展につながり、より健全な市場を形成するのではないかと考えています。

■会社名
株式会社オンテック
https://www.on-tec.net/

■所在地
〒485-0075 愛知県小牧市大字三ツ渕字西之坪1138番地

■事業内容
賃貸住宅及びテナント仲介
建物管理
家賃管理
退去立会い及びリフォーム工事
営繕工事

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