2026.01.16 RELEASE
地域密着型の不動産管理会社による挑戦|農家・地主オーナーとのデジタルコミュニケーション実現への道のり
- オーナーアプリ
神奈川県を中心に賃貸管理事業を展開する株式会社ジェイエーアメニティーハウス。同社は農家や地主など地域に根ざしたオーナーとの長年の信頼関係を基盤に、きめ細かな賃貸管理サービスを提供してきました。
2026年1月、同社は GMO ReTechが提供する「GMO賃貸DX オーナーアプリ」をベースに、独自機能と独自デザインを追加開発した「ジェイエーアメニティーハウス オーナーアプリ」 をリリースし、本格運用を開始しました。
地主系オーナーが多い管理会社で、どのようにデジタル移行へのハードルを越えていったのか。導入から約1ヵ月でインストール率20%を達成した取り組みについて、賃貸管理部長の古谷田様、賃貸管理部 賃貸企画課の政山様に伺いました。
地域に根ざした賃貸管理とジェイエーアメニティーハウスの強み
貴社の事業概要について教えてください。

▲株式会社ジェイエーアメニティーハウス 取締役 賃貸管理部 部長 古谷田 晃生 氏
古谷田様:当社は神奈川県を中心に賃貸管理事業を展開している不動産管理会社です。最大の特徴は、オーナーの多くが農家や地主の方々であるという点です。
代々この地域で土地を所有されてきた方々との長年の関係性の中で信頼を築いてきました。
現在の管理戸数は約22,000戸で、地域に密着したきめ細かいサービスを提供することを大切にしています。オーナーとの距離が近く、日々の業務の中で直接お会いしてコミュニケーションを取ることも多いですね。
地域密着型の不動産管理会社として大切にしていることは何でしょうか?
古谷田様:当社が最も大切にしていることは「オーナーの困りごとを聞き取る」という姿勢です。賃貸管理にとどまらず、テナント管理や売買の相談など、不動産に関わる幅広いご要望に柔軟に対応できる体制を整えています。
また、デジタル化を推進している一方で、オーナーのもとへ伺い、直接お話をする機会は今後も大切にしていきたいと考えています。
地域に根ざした不動産管理会社だからこそ、人と人とのつながりを軸にしながら、安心して任せていただける関係性を築き続けることが重要だと感じています。
オーナーアプリ導入前の課題とシステム選定の決め手
アプリ導入を検討し始めた背景について教えてください。導入検討のきっかけとなった出来事はありましたか?

▲株式会社ジェイエーアメニティーハウス 賃貸管理部 賃貸企画課 課長 政山 朋喜 氏
古谷田様:アプリ導入を検討し始めた背景には、コロナ禍の影響がありました。
オンライン会議や電子的なやり取りが一般化し、オーナーの方々も以前よりデジタルに対する抵抗が薄れてきたと感じたことが、導入を現実的に検討する後押しとなりました。
政山様:もともとオーナーアプリには興味を持っていたんです。ただ、投資家系のオーナーであれば好意的に受け入れていただけると考えていたのですが、当社の場合は地主系オーナーが多いため、すぐに導入という形にはなりませんでした。
しかし、ここ数年でオーナーアプリを導入される不動産管理会社が増えてきたことで、オーナー側にも抵抗感がなくなってきているのではないかと判断し、本格的な検討を始めました。
導入前にはどのような課題を抱えていましたか?
古谷田様:最も大きな課題は、オーナーとの連絡手段が統一されていなかったことです。電話、メールのほか、担当者個人のLINEでやり取りをしているケースもありました。
当社では社内連絡ツールとしてLINEワークスを導入していますが、担当者個人のLINEとの連携はしていないため、連絡が担当者個人の中だけでとどまってしまう状況が生まれていました。
この状態では情報の共有が困難で、担当者が退職した際に、やり取り履歴が消えてしまうというリスクもあります。また、「言った・言わない」のトラブルも起こりやすい状況でした。
システム選定において重視したポイントは何でしょうか?
政山様:最も重視したのは、既存の賃貸管理システムとの連携です。業務フローとスムーズにつながるアプリであることが必須条件でした。
古谷田様:将来的にはオーナーとの契約を電子契約に移行したいという構想があり、その移行がスムーズに進むことも重要でした。また、当社の業務に合わせたカスタマイズ開発が可能かどうかも大きな比較ポイントでした。
さらに、導入時のサポート体制も重視しました。現場の理解が欠かせない取り組みのため、伴走支援が手厚いことは決め手の一つでした。
数あるサービスの中から「GMO賃貸DX」を選んだ決め手を教えてください。

古谷田様:標準版である「GMO賃貸DX オーナーアプリ」が、当社の実務フローと非常に親和性が高いと感じたことが大きな理由です。そのうえで、当社向けに追加開発を行える柔軟さが決め手となりました。
政山様:ホーム画面のスライド広告機能や書類のフォルダー自動保管など、標準機能の使いやすさも魅力でした。紙で行っていたお知らせ配布や書類管理の負担が軽減できる点を評価しました。
また、デモ画面の操作性が良く、オーナー側のアプリ画面もシンプルでわかりやすいことから、高齢のオーナーにも受け入れていただけるのではないかと期待が持てました。
導入にあたってプロジェクト体制はどのように構築されましたか?導入後の社内での反応についてもお聞かせください。
政山様:正直に言うと、現場では最初チャット機能への懸念が強く、「連絡が増えるのでは」「対応時間が読めなくなるのでは」と不安の声もありました。他社の運用例や利用ルールを共有し、段階的に理解を深めてもらいました。
古谷田様:当社の賃貸管理部に「賃貸企画課」という部署があり、新しい取り組みを始める際はこの課が中心となって進めます。今回はオーナーアプリということもあり、ICT部門も初期段階から関わってもらいました。
政山様:プロジェクトメンバーは各部署の責任者を中心に賃貸管理部から各部門に声をかけて、そこから必要に応じてメンバーを増やしていく形で編成しました。各部門で関わりの深い責任者が参加することで、現場の意見を吸い上げやすい体制を作ることができました。
社内での運用定着に向けた取り組みについて教えてください。
政山様:2025年6月に社内向け勉強会を実施し、今後も年2回の営業研修を中心に継続的に教育する予定です。また、導入が進まないオーナーへの説明方法は、ロールプレイング形式も取り入れ、現場が話しやすい導線を整えていきたいと考えています。
古谷田様:社内マニュアルについては、最低限のルールを定めた2ページ程度のものを作成しました。アプリという性質上、細かくルールで縛りすぎず、基本ルールの統一と担当者の裁量のバランスを大切にしています。
導入後のオーナーとの関係性の変化
オーナーへの案内はどのように進められましたか?

政山様:オーナーへの周知は、3段階に分けて丁寧に進めました。まず、毎月発行しているオーナー向けの広報誌で「ジェイエーアメニティーハウスとしてオーナーアプリを導入します」という予告を掲載しました。
次に、導入の目的や背景を詳しく説明した通知文をお送りし、事前に理解を深めていただけるよう努めました。
そして、ある程度周知が進んだ段階で、実際のダウンロード方法やID・パスワードをご案内しました。こうした3回の紙媒体での通知に加えて、営業担当が日々の訪問時に口頭でも補足説明を行うことで、オーナー一人ひとりに寄り添った案内を心がけました。
導入から約1ヶ月が経過していますが、手応えはいかがでしょうか?
政山様:正直、想像していた以上の成果が出ています。導入から約1ヶ月で、すでにインストール率が20%を超えました。オーナーアンケートなどを実施しても回答率が低いという経験があったため、この数字は期待値の中でも上振れした結果だと感じています。
古谷田様:初速としては非常に良好なスタートが切れたと評価しています。最初の数日はあまり進まず、正直「危ないかもしれない」と心配していたのですが、1週間を過ぎたあたりから徐々に増え始め、1ヶ月後には目標に近い数字になっていました。
高齢のオーナーからの反応はいかがですか?
政山様:これは意外だったのですが、高齢のオーナーからも思ったほど強い拒否反応はありませんでした。もちろん「絶対嫌だ」という方も一部いらっしゃいますが、想像していたよりも少数です。
むしろ、タブレットをお持ちの高齢の方が意外に多く、「見てみたい」と興味を示してくださるケースもあります。スマートフォンが生活の一部になっていることで、アプリという形での提供が功を奏しているのかもしれません。世の中のデジタル化が想像以上に進んでいるということを、今回の導入で実感しました。
1月より本格的に展開されるかと思いますが、改めて貴社のKPIを教えてください。
古谷田様:目標は2026年3月末に50%、9月末に70%、2027年3月末に90%という段階的な計画を立てています。
営業担当の人事考課にもこの数値目標を組み込んでおり、営業所ごとの進捗状況を定期的にモニタリングしています。全社を挙げて取り組む体制を構築することで、着実に導入を推進していきたいと考えています。
今後の展望とロードマップ
導入によって期待している効果について教えてください。

政山様:最も期待しているのは、収支報告書の郵送業務の削減です。これまでは印刷、封入、発送と、毎月相当な手間とコストがかかっていました。電子化されることで、業務効率は大きく向上すると期待しています。
また、連絡手段が一本化されることで、情報共有や引き継ぎが格段にスムーズになります。担当者が退職した際にやり取りの履歴が失われるリスクが解消される点も大きなメリットです。
さらに、チャット機能によってやり取りが記録に残るため、「言った・言わない」などのトラブルも減少すると見込んでいます。
今後活用していきたい機能はありますか?
政山様:まずは修繕承諾のワークフロー機能を活用していきたいと考えています。修繕の承認プロセスをアプリ上で完結できれば、業務スピードは大きく向上します。
また、将来的にはオーナーとの契約書や覚書を電子契約に移行していきたいと考えています。オーナーアプリとの連携がスムーズに行えれば、ペーパーレス化がさらに加速するはずです。
収支報告書に関しては、順次有料化施策を実施予定です。紙での郵送を希望される方には有料で提供し、それ以外の方にはアプリ上での確認を標準とする形を目指しています。
「GMO賃貸DX」を通じて、今後オーナーとどのような関係性を構築したいとお考えですか?
古谷田様:最終的には、オーナーの困りごとがすべてアプリ上で解決できる状態を目指しています。賃貸管理だけでなく、テナント、売買、不動産に関わるあらゆる相談をアプリで完結できるようにしたいと考えています。
ただし、繰り返しになりますが、人と人とのつながりは絶対に残しておきたいと思っています。アプリ上にデータは残りますが、オーナーのもとへ実際に訪問し、顔を合わせてコミュニケーションを取るという、地域密着型の不動産管理会社としての強みは維持していきます。
デジタルとアナログのバランスを取りながら、オーナーにとって最も便利で安心できるサービスを提供していきたいですね。
アプリ導入を検討している同業の皆さまへアドバイスをいただけますか?
古谷田様:システム選定で大切なのは、自社の業務フローにどれだけ適合しているかという点です。今までのやり方を大きく変えるのは難しいため、既存の運用にしっかり合うシステムを選ぶことが重要だと思います。
また、導入検討の際には、提案企業と打ち合わせを重ねることをおすすめします。資料を読むだけでは理解しきれない部分が多いため、対話をすることで、自社に本当に必要な機能が見えてきます。
政山様:役員への稟議の際には、削減見込みの金額やROIを可視化して示すとスムーズです。当社でも効果を図示して説明することで、承認を得やすくなりました。
「GMO賃貸DX」に期待することがあれば教えてください。
古谷田様:サブリース物件の解約通知や入居通知の自動化機能があると、さらに業務効率が向上すると思います。このような機能の追加も期待しています。

会社紹介
株式会社ジェイエーアメニティーハウスは、神奈川県を中心に賃貸管理事業を展開する地域密着型の不動産管理会社です。農家や地主といった地域に根ざしたオーナーとの長年の信頼関係を基盤に、きめ細かなサービスを提供しています。
「オーナーの困りごとを聞き取る」というテーマのもと、賃貸管理にとどまらず、不動産に関わるあらゆる相談に対応。
デジタル化を推進する一方で、人と人とのつながりを大切にする姿勢を貫き、地域に必要とされる企業として成長を続けています。
■会社名
株式会社ジェイエーアメニティーハウス
https://www.ja-amenityhouse.co.jp/
■所在地
〒243-0023
神奈川県厚木市戸田2508-27

