ホームセキュリティは賃貸マンションに必要?導入すべき理由や導入方法を解説
防犯対策が重視される近年、賃貸マンションでもホームセキュリティの必要性が高まっています。しかし「本当にホームセキュリティを導入する意味があるのか?」と疑問に思う管理者・オーナー様も多いのではないでしょうか。
この記事では、賃貸マンションにホームセキュリティを導入すべき理由や導入方法について詳しく解説します。賃貸マンションの管理者・オーナー様に役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
賃貸マンションにホームセキュリティを導入すべき理由
ホームセキュリティとは、警備会社が提供する一般家庭向け防犯サービスのことを指します。建物や敷地内に設置したセンサーが異常を検知すると、自動的に通報が行われ、警備会社からパトロール員が派遣されるのが特徴です。プラン内容によっては、強盗や空き巣をはじめとした犯罪行為だけでなく、ガス漏れ・火災などのトラブル、高齢者・子どもの見守りにも対応してくれます。
ホームセキュリティと言うと一戸建て向けというイメージがあるかもしれませんが、賃貸マンション管理においても重視されつつあります。賃貸マンションにホームセキュリティを導入すべき理由を見ていきましょう。
ホームセキュリティを導入すべき理由
- 物件や入居者の安全を守れる
- 他の物件との差別化を図れる
- 資産価値が高まる
物件や入居者の安全を守れる
ホームセキュリティには、犯罪防止というメリットがあります。管理者として、物件や入居者の安全を守ることは最優先に考えるべきことの1つです。特に、契約内容に防犯対策に関する事項が盛り込まれている場合、犯罪が起きた際の責任の矛先が管理者側にも向けられる可能性があります。
契約に防犯の取り決めがなくても、犯罪が起きた賃貸マンションには悪い口コミが広まり、不利益を被るリスクがあります。万が一、殺人事件が起きれば事故物件として取り扱われることになるため注意が必要です。
ホームセキュリティには、ドアや窓に設置する防犯センサーや、警備会社の通報システムに繋がる非常・緊急ボタンなど、防犯対策に役立つサービスが充実しています。また、セキュリティシステムは24時間365日稼働しているため、いつでも建物や居住者の安全を守れる点も大きなメリットです。
また、プランによっては、防犯だけでなく火災やガス漏れなどの生活トラブルにも対応できます。アラームで全住民にトラブルを知らせるのに加え、警備会社にも通報が届くため、速やかな安全確保が可能です。110番・119番通報も任せることができ、小さなトラブルが大きな事故へと発展する事態を防げます。
他の物件との差別化を図れる
他の物件との差別化を図れることも、ホームセキュリティのメリットです。賃貸マンションを選ぶ際に、防犯対策を重視する人は少なくありません。特に、女性の一人暮らしや子どものいる家庭、高齢者などはセキュリティをマンション選びの重要項目に挙げるケースが多々あります。
近年、モニター付きインターホンやオートロックを備えた賃貸マンションが増えていますが、それでは不十分だと感じる人もいるでしょう。空き巣や強盗犯は、オートロックが付いている物件でも巧みに侵入経路を見つけ、犯行に及ぶ可能性があります。
各家庭が「個人的にセキュリティ機能を付けたい」と思っても、賃貸マンションには現状復帰義務があるため独自に防犯対策を行うのが難しく、不安を抱えながら住み続けるケースも少なくありません。通常のセキュリティ対策に加え、ホームセキュリティを導入すれば、「他の物件よりも防犯性が高く、安心して住み続けられる」と思ってもらえるはずです。
他物件と明確な差別化ができるようになれば、入居率が上がり、空室も減るためマンション経営に良い影響を与えられるでしょう。
資産価値が高まる
ホームセキュリティの導入は、資産価値の向上にもつながります。前述の通り、入居者の多くは安全な物件を求めており、防犯対策は重要視される項目の1つです。オートロックや防犯カメラの有無に加え、ホームセキュリティがあるか否かも入居の決め手になります。ホームセキュリティを備えた賃貸マンションは住み心地や安全性の面で評価が上がり、結果的に資産価値を高められるでしょう。
一方、ホームセキュリティをはじめとした防犯対策を行わずに犯罪が発生した場合、口コミで風評被害が広まる可能性が高いです。「あの物件は、安全性が低いから選ばない方が良い」という評判が広まってしまうと、いつまでも空室が埋まらず、資産価値も下がりやすくなります
賃貸マンションの資産価値を高め、良好な経営状態を保つという意味でもホームセキュリティ導入には大きなメリットがあると言えるでしょう。
賃貸物件にホームセキュリティを導入する方法
賃貸マンションにホームセキュリティを導入する際の一般的な手順は、以下の通りです。
ホームセキュリティの導入手順
- 警備会社やシステムの提供会社に問い合わせる
- 目的や物件の状態・環境に合ったプランの提案を受ける
- 契約後、物件へのシステム・機器の取り付け工事を行う
警備会社やシステムの提供会社に問い合わせると、担当者によるヒアリングと現地調査が行われます。提案されたプランや見積もりに納得できた場合は、契約を交わし、導入工事を行うのが基本的な流れです。マンションの規模やプラン内容によっても異なりますが、工事期間は1〜2日ほどかかります。
警備会社の中には、工事不要のホームセキュリティサービスを提供している場合もあるため、工事を行いたくない場合は検討してみてください。セキュリティ機器をコンセントに挿すだけで設置が完了するものなどさまざまな種類があり、目的に合わせて選択できます。
なお、ホームセキュリティを導入する際はコストに注意しましょう。物件の規模によっては、多額の出費になるリスクがあります。また、物件のタイプや立地によってはホームセキュリティを導入できない可能性もゼロではありません。特殊な物件でも親身になってプランを提供してくれる警備会社を選ぶことが大切です。
賃貸物件へのホームセキュリティの導入費用の目安
ホームセキュリティ導入における1戸あたりの費用の目安は以下の通りです。
1戸あたりの費用目安(機器レンタル)
初期費用 | 30,000~60,000円(工事費) |
月額費用 | 3,500~6,000円 |
1戸あたりの費用目安(機器購入)
初期費用 | 180,000~310,000円(工事費+機器購入費) |
月額費用 | 2,000〜3,000円 |
機器の取り付けが必要な場合は初期費用として工事費が発生し、機器レンタルでは月額費用がかかります。機器を購入する場合、月々の費用はレンタルより安く抑えられますが、初期費用に機器の購入費が入る点に注意が必要です。また、月額費用の中にどのようなサービスが含まれているのか、プラン内容をよく確認したうえで選択しましょう。
賃貸物件に導入できる主なホームセキュリティ
ここでは、賃貸物件への導入が可能なホームセキュリティをご紹介します。
賃貸物件への導入が可能なホームセキュリティ
- セコム株式会社「セコム・ホームセキュリティ スマートNEO」
- アルソック(綜合警備保障株式会社)「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」
「セコム・ホームセキュリティ スマートNEO」は、スマホを使って離れた場所でもセキュリティ状況の確認・操作を行えるのが特徴です。「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」は、防犯対策だけでなく、火災や急病など幅広いトラブルにも対応してくれます。
セコム株式会社
セコム株式会社では、賃貸マンション向けプランとして「セコム・ホームセキュリティ スマートNEO」を提供しています。
セコムの特徴は、離れた場所からでもスマホを使ってセキュリティ状況の確認を行えることです。また、セキュリティの解除や警戒などの操作もスマホで行えます。簡単に操作できるホームコントローラーも付いているため、スマホの操作が難しい子どもや高齢者でも手軽に扱えるでしょう。
導入費用
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
機器レンタル | 工事費:47,300円 保証金:20,000円(非課税) |
4,950円 |
機器お買い取り | 買取システム料金:173,910円 | 3,410円 |
※料金はすべて税込
セコムは、全国約2,600ヵ所の緊急発進拠点から迅速に緊急対処員が駆けつけてくれるため、スピーディーな対応を重視したい場合におすすめです。
契約の流れは以下の通りです。
- セキュリティプランの提案
- 契約後、取り付け工事を開始
- 工事完了後、すぐに利用スタート
アルソック(綜合警備保障株式会社)
アルソック(綜合警備保障株式会社)では、集合住宅向けに「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」を提供しています。
空き巣・強盗の侵入感知はもちろんのこと、急病や押し売りなどのトラブルが起きた場合は非常ボタンを押すだけで通報できるのが特徴です。煙や火災の発生も感知してくれるため、万が一のトラブルを未然に防げるでしょう。
導入費用
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
お買い上げプラン | 工事費:35,519円 機器費:147,620円(非課税) |
3,300円 |
レンタルプラン | 工事費:35,519円 機器費:0円 |
5,841円 |
ゼロスタートプラン | 工事費:0円 機器費:0円 |
6,435円 |
※料金はすべて税込
アルソックでは、初期費用0円の「ゼロスタートプラン」から長期利用でお得になる「お買い上げプラン」まで揃っているため、ニーズに合ったプランを選択したいと考えている場合におすすめです。なお、アルソックでは、防犯機能付きインターホンと連動した「インターホン監視プラン」も提供しています。
契約の流れは以下の通りです。
- 問い合わせ
- プランの提案
- 契約・センサー取り付け
導入費用が安いホームセキュリティ
ホームセキュリティの導入費用をできるだけ抑えたい場合は、工事不要のシステムを選ぶのがおすすめです。ここでは、工事せずに導入できるホームセキュリティをご紹介します。
工事せずに導入できるホームセキュリティ
- Secual(株式会社Secual)
- leafee(株式会社Strobo)
Secualのセキュリティでは、窓やドアに取り付けたセンサーが異常を感知した際に大音量のブザーで侵入犯を追い払ってくれます。leafeeは、画像付きの異常検知記録がスマホアプリに残るため、防犯対策だけでなく子どもの見守りなどでも活用できるのが特徴です。
Secual(株式会社Secual)
Secualでは、スマホで簡単に操作できる工事不要のセキュリティシステムを提供しています。開閉センサーと人感センサーを窓やドアなどの侵入経路に取り付けると、異常を感知した場合は大音量のブザーで侵入犯を追い払ってくれるのが特徴です。リーズナブルな価格で、気軽にホームセキュリティを導入できるでしょう。
導入費用
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
ワンルーム向け防犯パック | 18,150円 | 1,078円 |
2LDK向け防犯パック | 28,050円 | 1,078円 |
※料金はすべて税込
開閉センサーと人感センサーは、自分で簡単に取り付けられるだけでなく、デザイン性にも優れています。住まいに馴染む清潔感のあるデザインになっているため、見た目にもこだわりたい場合におすすめです。
契約の流れは以下の通りです。
- 公式サイトで購入手続き
- 1週間程度で機器が到着
- 無料の専用アプリをインストール&ログイン
- 機器を登録してプランを購入
- Wi-Fiゲートウェイとセンサーを取り付ける
leafee(株式会社Strobo)
leafeeは、センサーやカメラが異常を検知した際にスマホに通知が届くのが特徴です。万が一のときは大音量ブザーで侵入者に警報を鳴らすのに加え、オプションサービスで警備員駆けつけサービスを受けることもできます。検知履歴は画像付きで確認できるため、防犯だけでなく、子どもの見守りや来客・置き配の確認など、さまざまな用途で役立てられるでしょう。
導入費用
プラン | 初期費用 | 月額費用 |
サブスクプラン | 0円 | 1,628円〜 |
機器買取プラン | 12,980円 | 1,078円 |
※料金はすべて税込
leafeeは、14日間の無料トライアルが設けられており、最低利用期間・解約可能月といった縛りもないため、気軽にホームセキュリティを導入したい場合におすすめです。
契約の流れは以下の通りです。
- 公式サイトでプランの申し込みを行う
- 製品が到着したら自分で取り付けをする
- 14日間の無料トライアル期間後、正式に契約
まとめ
ホームセキュリティには、建物と居住者の安全を守るのに加え、他物件との差別化を図り、資産価値を高めるというメリットがあります。サービスが充実したプランから工事不要かつリーズナブルに始められるプランまでさまざまな種類があるため、費用対効果の高いものを選ぶことが大切です。各社が提供するホームセキュリティプランを比べて、マンションに適した防犯対策を導入していきましょう。
この記事のポイント
- 賃貸マンションのホームセキュリティ導入にはメリットがある
ホームセキュリティには、建物と居住者の安全を守り、他物件との差別化を図れるというメリットがあります。人気物件となり入居率が上がれば、資産価値の向上にも繋がるでしょう。
- 工事期間は1〜2日ほどかかる
ホームセキュリティの導入工事期間は1〜2日ほどです。工事を行いたくない場合は、自分で機器を取り付けて簡単に始められるプランもあります。
- 導入時はプラン内容をよく精査する
ホームセキュリティ導入時は、現地調査を行ったうえでプランが提案されます。導入にはある程度の費用がかかるため、サービス内容をよく確認して決めましょう。