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不動産テックとは?カオスマップに掲載のサービス15分野を紹介

不動産業界に対して、アナログな仕事の進め方が多い業界だと感じている方も多いかもしれません。近年では、テクノロジーの力を活用した利便性の高いサービスが次々に登場するようになりました。不動産業界において、「不動産テック」と呼ばれる市場は近年成長を続けています。

この記事では、不動産テックの定義や目的、カテゴリー別の不動産テックの内容などを解説します。

目次

    不動産テックとは

    不動産テックとは、「不動産」と「テクノロジー」をかけ合わせた言葉です。ITツールやインターネットなどのテクノロジーを活用することで、新たな不動産関連サービスを生み出したりビジネスの進め方を変えたりすることを指します。

    一般社団法人不動産テック協会では、不動産テックについて以下のように定義しています。

    不動産テック(Prop Tech、ReTech:Real Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと。

    引用:一般社団法人不動産テック協会|不動産テックカオスマップ 不動産テックの定義

    ここでは、不動産テックについて、以下の点を解説します。

    • 不動産テック企業の定義
    • 不動産テックの取り組みの目的
    • 日本の不動産テックの市場規模

    不動産テック企業の定義

    不動産テック企業とは、単にITテクノロジーを利用しているだけでなく、テクノロジーの活用によって従来のビジネスの進め方や習慣を変えようとしている企業のことです。

    つまり、単にITツールを業務で活用しているだけでは不動産テック企業とは言えません。たとえば、メールやチャットサービスなどはITツールの一種ですが、これらを利用しているだけでは不動産テック企業という位置づけにはならないのです。

    不動産テックの取り組みの目的

    不動産テック企業の取り組みには、以下のような目的があります。

    • IT活用による業務の効率化
    • 不動産取引の活性化
    • 不動産に関する情報の集約・一元管理

    不動産テックによって実現できることとして、IT活用による業務の効率化が挙げられます。テクノロジーによって生産性が向上すれば、業務時間の短縮だけでなく顧客対応の充実も期待できるでしょう。

    また、これまで散在していた不動産に関する情報をデータベースに整理・集約することで、不動産取引の活性化につながることも想定できます。

    日本の不動産テックの市場規模

    日本国内の不動産テックの市場規模は、株式会社矢野経済研究所が2021年に実施した「不動産テック市場に関する調査」によると、以下の通り右肩上がりで拡大しています。

    出典:株式会社矢野研究所|プレスリリース 不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)

    上記のグラフから、2017~2020年にかけて徐々に市場が拡大してきたことが読み取れます。また、2025年度には2020年度比203.9%の約1兆2,462億円に拡大すると予測されており、直近では需要が高まり続ける市場だと考えられるでしょう。

    また、同調査によると、B to C領域ではマッチングサービス市場、B to B領域では仲介・管理業務支援や価格査定系市場が特に大きく拡大すると見込まれています。

    不動産テックのカオスマップ2023

    ここでは、一般社団法人不動産テック協会が掲示している不動産マップ カオスマップの最新版をご紹介します。

    出典:一般社団法人不動産テック協会|不動産テックカオスマップ 不動産テックカオスマップ最新版(第9版)2023年8月30日

     

    カオスマップとは、業界の各企業の特徴や関係性などを示す業界地図のことです。カオスマップは上記のようにサービスや分野ごとに分類され、カオスマップを見ることで業界内の各企業の立ち位置や勢力関係を確認できます。

    【カテゴリー別】不動産テックのサービス内容

    不動産テックのサービス内容は、以下のカテゴリーに分かれます。

    不動産テックのサービス内容

    カテゴリー 定義
    ローン・保証 不動産取得に関係するローンや保証サービスを提供するサービス。また、仲介や比較も実施している
    業務支援(集客) 不動産取得に関係するローンや保証サービスを提供するサービス。また、仲介や比較も実施している
    業務支援(顧客対応) 不動産関連業務の、主に集客フェーズで使用される
    業務支援(設計・施工) 不動産関連業務の、主に顧客対応フェーズで使用される
    業務支援(契約・決済) 不動産関連業務の、主に設計・施工フェーズで使用される
    業務支援(管理・アフター) 不動産関連業務の、主に契約・決済フェーズで使用される
    不動産情報 不動産関連業務の、主に管理・アフターフェーズで使用される
    物件情報・メディア 物件情報以外の不動産関連データの分析・提供
    価格可視化・査定 物件情報を掲載するサービスやプラットフォーム、不動産に関するメディアサービス全般
    スペースシェアリング 多種多様なデータを用いて不動産価格、賃料の査定、その将来見通しなどを行う
    マッチング 短期から中長期のスパンで物件をシェアして利用できるようにする
    リフォーム・リノベーション インターネットのプラットフォーム上でリフォーム・リノベーションの企画・設計・施工などをしてくれるリフォーム業者の紹介をする
    IoT ネットワークに接続されるデバイスで、不動産に設置、内蔵されるもの。また、機器から得られたデータ等を分析する
    VR・AR VR・AR機器を活用したサービスやVR・AR化するためのデータ加工に関連した
    生成AI 市場分析や顧客行動予測などを行う、新たなサービス

    参考:一般社団法人不動産テック協会|不動産テックカオスマップ カオスマップ ガイドライン 各カテゴリーの定義

    それぞれについて詳しく見ていきましょう。

    ローン・保証

    不動産取得に関係するローンや保証サービスの提供・仲介・比較をするツールなどを指します。テクノロジーを駆使することで、さまざまなパターンでローンのシミュレーションが可能です。
    ローン・保証のサービスの具体例は、以下の通りです。

    企業 概要
    ARUHI 住宅ローン不正利用検知システム「ARUHI ホークアイ」
    株式会社MFS オンライン不動産投資ローンサービス「モゲチェック不動産投資」

    業務支援(集客)

    不動産関連の集客フェーズに関するサービス・ツールのことです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    ダイヤモンドメディア株式会社 不動産業者向けの集客サイト構築パッケージ「ダイヤモンドテール」
    株式会社イーライフ 物件情報の管理から自社ホームページでの集客など幅広い機能を持つ「EZ-SERIES(イージー・シリーズ)」

    業務支援(顧客対応)

    不動産関連業務の顧客対応フェーズにおけるサービス・ツールです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    イタンジ株式会社 内見予約受付・連絡・レポートを自動化システム「内見予約くん」
    株式会社CHINTAI 反響に対する業務時間を削減し、顧客管理を円滑にする「反響管理FA」業務支援(設計・施工)

    業務支援(設計・施工)

    不動産関連業務の設計・施工フェーズにおけるサービス・ツールです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    株式会社アンドパッド 現場の効率化から経営改善まで一元管理できる「ANDPAD(アンドパッド)」
    株式会社MetaMoji タブレットで幅広い現場業務を集約できる施工管理業務支援アプリ「eYACHO(イー・ヤチョー)」

    業務支援(契約・決済)

    不動産関連業務の契約・決済フェーズにおけるサービス・ツールです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    株式会社ハッチ・ワーク
    日本情報クリエイト株式会社
    月極駐車場の管理業務を最大95%削減できる月極駐車場オンライン管理システム「アットパーキングクラウド」
    Gooddaysホールディングス株式会社 不動産賃貸業向け電子署名サービス「IMAoS(イマオス)」

    業務支援(管理・アフター)

    不動産関連業務の管理・アフターフェーズにおけるサービス・ツールです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    株式会社いえらぶ GROUP 不動産管理のクラウドサービス「いえらぶクラウド」
    日本情報クリエイト株式会社 仲介業務から管理業務までを一元管理できる「賃貸革命10」不動産情報

    不動産情報

    不動産に関する情報を集約・提供するメディアやサービスのことです。ユーザーにとって有益な情報を提供し、不動産関連会社につなぐことを大切な役割としています。具体的なサービスの例は、以下の通りです。

    企業 概要
    株式会社ゼンリン 不動産業務に必要な情報・機能をワンストップで提供する「ZENRIN(ゼンリン)GISパッケージ不動産シリーズ」
    ウチノカチ 全国約10,000エリアにわたる駅周辺の公示地価と路線価、および固定資産税評価額を簡単に算定できる「トチノカチ」物件情報・メディア

    物件情報・メディア

    物件情報や広告を各種メディアに掲載するサービスです。具体的なサービスとしては、以下が挙げられます。

    企業 概要
    株式会社Housmart AIやビッグデータを活用して中古マンションを賢く購入・売却できるアプリサービス「カウル」
    株式会社東京カンテイ 国内最大級のマンションデータベースを保有するマンション専門情報サイト「マンションライブラリ」価格可視化・査定

    価格可視化・査定

    細心の解析技術を活用し、不動産価格の査定や将来の予測を可視化するサービスのことです。身近なところでは、不動産価格の一括見積サービスが挙げられます。具体的なサービスの例は、以下の通りです。

    企業 概要
    株式会社LIFULL 知りたい物件の参考価格を誰でも簡単に調べられるサービス「プライスマップ」
    株式会社コラビット 国内の不動産の市場価値を自動査定・提供するサイト「HowMa(ハウマ)」

    スペースシェアリング

    不動産・土地の空き情報のシェア・マッチングを行うサービスです。駐車場やイベントスペースだけでなく、美容室や会議室などの検索・予約サービスもあります。具体例は、以下の通りです。

    企業 概要
    AIRBNB,INC. 貸し切りの家や個室の検索・マッチングサービス「airbnb」
    データサイエンスプロフェッショナルズ株式会社 スマホやパソコンから簡単医荷物の預け申込みや一覧管理ができる「sharekura」

    マッチング

    物件所有者と利用者をはじめとした、不動産関連サービスの提供者と利用者をつなぐサービスを指します。マッチングの種類は幅広く、民泊サービスから工事の受発注などもサービスの一部です。マッチングサービスの具体例は、以下の通りです。

    企業 概要
    株式会社ハンズシェア 建築系業務の募集案件を投稿することで、協力業者とマッチングできる「ツクリンク」
    株式会社IPPO(イッポ) オフィスの居ぬき物件を検索・登録できるサービス「ハイッテ」

    リフォーム・リノベーション

    リフォーム・リノベーションに関するさまざまなサービスをテクノロジーの力を利用して提供するサービスです。施工業者のマッチングサービスは、こちらの分野に含まれます。具体的なサービス例は、以下の通りです。

    企業 概要
    スラッシュ株式会社 外壁塗装業者のマッチングサービス「リフォームの窓口」
    SUVACO株式会社 建築家やリノベーション・リフォーム会社が見つかるマッチングサービス「SUVACO」

    IoT

    インターネットに接続されたデバイスを、不動産関連のサービスに取り入れる分野です。Webカメラを用いた入退室管理システムや電子鍵など、さまざまなサービスが想定されます。具体的なサービスの例は、以下の通りです。

    企業 概要
    大崎電気工業株式会社 スマートホームの実現や快適で利便性の高いライフスタイルの実現につなげるサービス「ホームウォッチ」
    FANTAS technology株式会社(ファンタステクノロジー) オフィスシーンの徹底した研究の上で提供する入退室管理システム「akerun」

    VR・AR

    VRやARの技術を不動産情報提供に活用するサービスのことです。内見や家具配置のシミュレーションなど、さまざまなシーンでVRやARが活用されています。具体的なサービスの例は、以下の通りです。

    企業 概要
    株式会社ハウスマイル 上下左右360度のパノラマ動画をVRで見せる賃貸ポータルサイト「ROOMWARP360」
    株式会社リニューアルストア リフォーム後の部屋のイメージをVE体験できる不動産VRプロモーションサービス「中古ミテクレ」

    生成AI

    AIによって膨大かつ複雑な不動産データを分析し、顧客に対して予測・洞察を提供するサービスです。AIのビジネス活用が進められていくにつれて、今後サービスの拡大が見込まれます。具体的なサービスの例は以下の通りです。

    企業 概要
    株式会社ポルティ 不動産投資家や中小の不動産事業者向けにAI賃料査定サービス「ポルティ賃料査定」
    株式会社ファーストロジック 投資用不動産に特化した国内最大の不動産ポータルサイト「楽待」まとめ

    まとめ

    不動産テックとは、テクノロジーを活用して不動産に関わる課題解決やビジネスの変革を進めようとする価値や仕組みのことです。不動産テックにはさまざまな分野があるため、自社の目的やビジネスモデルに合わせて活用し、ビジネスを有利に進めていきましょう。

    不動産オーナーや入居者の満足度アップや業務効率化を進めるアプリなら、「GMO賃貸DX」がおすすめです。業務時間や連絡コストを削減し、収益向上につながるビジネスの仕組みを実現します。

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    https://chintaidx.com

    この記事のポイント

    • 不動産会社の業務変革には不動産テックの活用が欠かせません。テクノロジーの力を活用することで、業務効率化や不動産取引の活性化を目指すことが可能です。
    • 不動産テックの国内市場は、近年拡大傾向です。今後、ますます拡大していくことが予想されます。
    • 不動産テックのサービス内容は多種多様です。業務支援からVR・AR、IoT、生成AIまで、さまざまな不動産テック分野があります。
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