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【リーダーインタビュー】樋口 次郎様|DXに人間力をプラスして目指すは、オーナー様の資産を最大化できるプロフェッショナル集団。

不動産業界はどう変わり、どこへ進んでいくのか?高い視座から業界全体を見渡し、明確なビジョンで業界をけん引しているリーダーに今後の不動産業界が進むべき道を示してもらう企画「リーダーインタビュー」。

今回お話を伺ったのは、アパルトマンエージェント株式会社の代表取締役である樋口 次郎様です。法人向けの賃貸仲介、賃貸管理、ウィークリーマンションが主力事業である同社の歩み、仲介管理業の今後、不動産のDX化などについてお話を伺いました。

目次

    不動産業務からコインパーキング事業の立ち上げ、バックオフィスの整備まで

    樋口様が不動産業に携われた経緯を含め、ご経歴をお聞かせください。

    この業界に携わるようになったのは、大学在学中に宅建(宅地建物取引士)を取ったことがきっかけです。なぜ宅建かといえば、「資格といえば宅建」かなといった単純なものでした。それをきっかけに不動産業界に興味を持ちました。不動産業界を中心に就職活動をしているなかで、法人を専門にした賃貸仲介会社を見つけ、「珍しいな」と思い新卒で入社しました。それが前身のアパルトマン株式会社です。

    入社4年後に東京支社を立ち上げることとなり、その責任者として大阪から東京へ行きました。そこで仕事に励んでいたのですが、大阪本社で創業社長の交代がありまして、そのとき役員の一人として取締役になりました。

    長い時間、貴社をご自身の目で見てこられて、ターニングポイントのようなものはございましたか?

    当時の当社の業務はほぼ法人の仲介業でしたので、賃貸管理戸数の拡大、コインパーキングトランクルームウィークリーマンションなどを手掛けていきました。当時はまだ社員数も30人ぐらいでしたから、そのすべての事業に立ち上げから関わりました。ただ当時は労働環境が悪かったため、会社の「ヒト」は好きだけど退職するという人達を見てこのままではいけないと強く思い、経営企画部を立ち上げました。人事労務を中心に就業規則や人事評価制度作成、運用、労働環境の整備など、バックオフィス的なことの整備にも力を入れましたね。家族経営的な会社から組織化された会社へ変えていき、グループ最大260名まで増えました。

    やはり当時の不動産業界は、多少なりブラックなイメージがありました。そういった部分を一つひとつ丁寧に整備していかなければ、不動産業界で長く働くことはできないだろうと考えていました。

    法人契約で1社丸々ご案内することが可能

    貴社の強みをお聞かせください。

    やはり創業からの事業である、法人向けの賃貸管理仲介業務、それとウィークリーマンションですね。ただしウィークリーマンションは新型コロナ禍の影響で縮小してしまいましたが。それでも管理物件の戸数や、オーナー様とのお取引数も順調に増えています。

    オーナー様への相続についてのご提案や、GMO賃貸DXのご案内をするようになり、最近では二代目のオーナー様も増えてきたことで、アプリなどについてのご提案もスムーズに受けいれられることが多くなりました。

    また、私たちは部屋付けが強みだと自負しております。オーナー様に対して法人契約で1社丸々ご案内できる、さらに100%埋めることができる、というようなかたちでオーナー様の利益を最大化することが可能となります。

    会社全体でまとまった時に強い集団になる

    組織作りにおいて注力されていることはございますか?

    従業員一人ひとりの教育には時間もお金も掛けています。そこは不動産の知識やテクニックよりも、まずは人間としての基本的な部分ですよね。挨拶をする、椅子を整理する、ゴミが落ちていたら拾う。そんな常識的なところだからこそ、できないと悪目立ちしてしまうのですよ。「人として当たり前のことを当たり前にできる」ということを大切にしてます。

    仲介・賃貸管理はどこも大きな違いはなく、人で差別化していくしかないと思います。なので、人間教育には力を入れています。そして「自分の強みを徹底的に伸ばしなさい」と常に伝えています。同じような平均的な人ばかりではなくて、 得意なところを徹底的に突き抜けるぐらいうちで学んで、会社全体でまとまった時に強い集団になれると考えています。

    そして強い集団としての力、すなわちチームビルディングも教育しています。やはり個々が突出していてもチームとしてまとまりがなければ、組織として力を発揮することができません。

    組織を作るにはまずは人からということでしょうか?

    そうですね、その通りです。そのほかには、弊社を利用して「他社でも通用する人材」になってほしいということですね。人間力と突出したなにかを兼ね備えた社員が、仮にうちを辞めてどこかに転職して活躍しても、「アパルトマンエージェントから来た人だからな」と思ってもらえれば、私も大変嬉しいです。

    また当社では資格取得も奨励しています。まずは宅建や賃貸不動産経営管理士、FP2級、相続支援コンサルタントの資格取得者には資格手当と報奨金を出しています。そしてその4つを取得した社員には、CPM(米国認定不動産経営管理士)にチャレンジするように言っています。その場合もちろん全額会社にて受講料は負担してます。努力し結果を出している人が報われる会社にしていきたいです。

    デジタル×アナログ的な動きがプラスをもたらす

    貴社内で進められているIT化についてお聞かせください

    管理部門ではオーナー管理のシステムを導入しています。営業では顧客管理システムやSFAなどの営業支援システムを取り入れています。そして両部門で進めているのがペーパーレスです。やはり不動産業界はいまだに紙が多い。昨年、「あと1年以内に紙のものはすべてデータ化して、完全ペーパーレスにする」と決めたのです。GMO賃貸DXアプリを活用して、オーナー様とのやり取りもすべてアプリ上でやりたいですね。

    そうしてDX化を進め、さらにこれは何年も言い続けていることですが、誰でもできる業務は外注すること。外注することで時間を作り、少しでもオーナー様との接点を増やしてほしいです。またパートさんができることならパートさんに任せ、リーダークラスができることならマネージャーはリーダーに渡す。そうやって仕事を下におろすことで、オーナー様に相続のご提案をしたり、資産運用の相談に乗ったりして、オーナー様の資産の最大化をはかることに注力できるのです。

    現在の不動産マーケット全体をどのように捉えていらっしゃいますか?


    ▲インタビュアー:GMO ReTech株式会社 代表取締役社長 鈴木明人

    法人仲介・賃貸に関しては、10年前から「もうなくなるだろう」と思っています。去年は過去最高益を出して、年々ボリュームも上がっているのですが、仲介・賃貸に関しては、なくなる前提でいます。仲介・賃貸は売り上げの半分ぐらい占めているので、もちろんなくなったら困りますし大変なことですが、その考えは変わりません。

    そしてこれからは管理や資産運用、資産活用の時代だと思います。現に人材も割いていますし、不動産売買や相続、そういった話のできる人材も育成しているところです。そして管理費収入のみで人件費などの固定費を賄えているのが、強い会社だと思います。

    不動産管理業界において、どのような課題があるとお考えですか?

    やはり世の中の流れを見ても業界問わず、デジタル化は必須だと思います。不動産業界でいうと、特に仲介・賃貸管理の部門は労働集約型で常にリソースが逼迫しているので、少しでもDX化することで属人性の高い業務を減らし省人化できるなら、積極的に取り入れるべきではないでしょうか。

    社員の方々と働く上で大切にしていることを教えてください

    「人として尊重する」ということは大事にしています。挨拶をきちんとする、目を見て話すなど、そういった基本的な部分は本当に大切だと思います。
    また、「優秀社員表彰」「社員旅行」「社長飲み会」「月一飲み会」等、社員同士が交流できる場を意識して設けており、そこで社員とのコミュニケーションをさらに深めています。目標の達成度に沿って飲み会の補助も出しながら、参加しやすい環境を整えています。

    オーナー様から全幅の信頼を得られるように

    樋口様あるいはアパルトマンエージェント株式会社として、今後のビジョンや想いをお聞かせください。

    会社としてはこれまで通り、オーナー様の資産の最大化ですね。ただしそのためには、私たちの側がもっと勉強しなければなりません。やはりオーナー様は自身の物件なので誰よりも詳しいし、運用の勉強もしている。 それ以上に、私たちも知識をつけていかないと、通用しないでしょう。証券も金融も分かってないといけない。さらにお客様が不動産を資産として扱っているなら、その会社のBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)なども、ある程度は理解できるようにしておくべきです。

    オーナー様から「アパルトマンエージェントに管理を任せる」と言わせるぐらいの存在にならないと、オーナー様の資産を最大化できるプロフェッショナル集団にはなれませんから。

    不動産会社の社長は現場に入ってやられている方と、ある程度一線引いてやられている方と、2パターンあると思います。いつまでも現場に介入し続けるのはいけないと思っていて、どんどん次世代の人間に仕事とポジションを譲っていくべきだと感じます。そのためにはIT化やDX化へ積極的に取り組み、労働集約的な面を減らしていく必要があり、その結果新しいことを始められれば会社の発展にも繋がっていくのではないでしょうか。

    まとめ

    アパルトマンエージェントのプロパーとして、会社の成長エンジンの中心であり続ける樋口社長。穏やかな表情で語る不動産業界の現状とその未来、そしてデジタルと人間のあり方。掲げる目標は「オーナー様の資産を最大化できるプロフェッショナル集団」。社員一人ひとりを尊重しながら、邁進するその姿、背中に意気を感じました。

    本記事取材のインタビュイー様

    アパルトマンエージェント株式会社 代表取締役社長
    樋口 次郎 氏

    1974年 大阪府吹田市 生まれ
    1997年 アパルトマン株式会社 新卒第一期生として入社
    2002年 取締役に就任
    2004年 常務取締役に就任
    2012年 アパルトマンエージェント株式会社を分社化。代表取締役に就任
    現在に至る

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