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マンション投資で節税できるカラクリとは?節税の仕組みや税金対策のポイント

マンション投資が節税になるという話を聞いたことはありますか?これは正しい場合もありますが、一方で適切な知識がなければ思わぬリスクを抱えることもあります。

このコラムでは、マンション投資の節税の仕組みや、どのように節税効果を享受できるか、注意点も交えて解説します。マンション投資を検討している方が適切な判断を下せるよう、わかりやすくご紹介します。

目次

マンション投資で節税できる仕組みとは?

マンション投資による節税は、主に3つの仕組みで実現できます。1つ目は建物の減価償却費を活用した節税で、建物の価値低下を費用として計上できます。2つ目は管理費や修繕費などの必要経費の計上による節税です。3つ目は不動産所得の赤字を給与所得などと相殺できる損益通算による節税です。

これらの仕組みを正しく理解し活用することで、所得税や住民税の節税が可能になります。ただし、節税効果は物件の種類や所有者の収入状況によって大きく異なるため、慎重な検討が必要です。以下、それぞれの仕組みについて詳しく解説していきます。

減価償却費を活用した節税効果

建物の耐用年数は構造によって法定で定められており、RC造/SRC造は47年、鉄骨造(4mm超)は34年、鉄骨造(3-4mm)は30年、鉄骨造(3mm以下)は22年となっています。

例えば、2,500万円のRC造マンションを購入した場合、年間約53万円(2,500万円÷47年)を減価償却費として計上できます。この費用は実際の現金支出を伴わないため、その分だけ課税所得を減らすことができ、節税効果が得られます。

構造 法定耐用年数
RC造/SRC造 47年
鉄骨造(4mm超) 38年
鉄骨造(3-4mm) 30年
鉄骨造(3mm以下) 22年

参照:国税庁|耐用年数(建物/建物附属設備)

必要経費の計上による節税効果

マンション投資における必要経費は、以下のような項目が計上できます。

経費項目 具体例
管理費 エレベーター保守、清掃費等
修繕費 リフォーム、設備更新等
保険料 火災保険、地震保険等
税金 固定資産税、都市計画税等
その他 仲介手数料、ローン利息等

これらの経費は家賃収入から差し引くことができ、課税対象となる不動産所得を減らすことができます。特に、管理費や修繕費は継続的に発生する費用のため、長期的な節税効果が期待できます。

損益通算による節税効果

損益通算とは、マンション投資による不動産所得の赤字を、給与所得などの他の所得と相殺できる制度です。例えば、給与所得が500万円で不動産所得が-100万円の場合、課税対象額は400万円となり、その分の所得税・住民税が軽減されます。

ただし、土地取得のためのローン利息は損益通算の対象外となります。また、不動産所得の赤字を作るだけが目的となると、本来の投資目的から外れる可能性があるため注意が必要です。

上手な節税のためには、収益性と節税効果のバランスを考慮した物件選びが重要です。

マンション投資で節税メリットを受けやすい人・受けにくい人

マンション投資における節税メリットは、投資家の収入や資産の状況によって大きく異なります。例えば、課税所得が高い人ほど節税効果が期待できる一方、所得が低い場合にはその効果が限定的です。

ここでは、具体的にどのような人が節税メリットを受けやすいか、また受けにくいかを詳しく見ていきます。

節税メリットの高い投資家像

課税所得 所得税率 節税効果
900万円以上 33% 高い
695-899万円 23% 低い

参照:国税庁|No.2260 所得税の税率

課税所得が900万円以上の人は、マンション投資による節税効果を受けやすいです。この収入層は、所得税の税率が33%と高く、減価償却や必要経費を活用することで所得税の負担を大きく減らすことができます。

たとえば、年間の課税所得が900万円の投資家がマンション投資で赤字150万円を計上する場合、課税所得は750万円となり、税率も下がるため、結果として節税額が34万円以上に達するケースもあります。

節税メリットが低い投資家像

一方で、課税所得が900万円未満の人の場合、マンション投資による節税効果は限定的です。この収入層では所得税の税率が比較的低いため、減価償却費や経費を計上しても税額軽減効果はそれほど大きくありません。

そのため、節税を目的に投資を行うよりも、家賃収入を安定的に得ることを重視する方が合理的です。また、適切な物件選定と運用計画を立てることで、節税効果を超えた資産運用効果を得られる可能性があります。

マンション投資で節税効果を高めるためのポイント

マンション投資で効果的な節税を実現するためには、①物件選定、②収支計画、③信頼できるパートナー選びの3つが重要です。これらの要素を適切に組み合わせることで、安定した収益と効果的な節税の両立が可能になります。

節税効果が出やすい物件の選定

マンション投資で節税効果を最大化するには、物件選定が鍵です。

具体的には、耐用年数が短い木造や軽量鉄骨造の物件、築年数が経過した中古物件、そして土地建物比率で建物割合が大きい物件を選ぶことが有利です。これらの物件は減価償却の対象となる建物部分が多いため、減価償却費を大きく計上でき、課税所得を大幅に削減することができます。

項目 効果が高い特徴 理由
構造 木造・軽量鉄骨 耐用年数が短い
築年数 中古物件 減価償却費が大きい
土地建物比率 建物割合が大きい 減価償却対象が大きい

収支シミュレーションによる資金計画

収支シミュレーションでは、以下の要素を慎重に検討する必要があります。

  • 家賃収入:周辺相場を考慮した適切な家賃設定
  • 経費:管理費、修繕費、保険料などの必要経費の見積もり
  • ローン返済:金利や返済期間を考慮した月々の返済額

特に重要なのは、減価償却費などの節税効果に頼りすぎず、実際の収支がプラスになる計画を立てることです。空室率や将来的な家賃下落なども考慮に入れ、余裕を持った資金計画を立てましょう。

信頼できる不動産会社との連携

マンション投資を成功させるためには、信頼できる不動産会社との連携が不可欠です。以下の選定基準を参考に、パートナーを選びましょう。

  • マンション投資の実績:豊富な取引実績と成功事例を持っているか
  • 非公開物件の有無:優良物件を多く保有しているか
  • アフターフォロー体制:購入後の管理やトラブル対応が充実しているか
  • 税理士との連携体制:税務の専門家と連携し、効果的な節税アドバイスができるか

特に、物件の押し付けではなく、投資家の状況に合わせた提案ができる会社を選ぶことが重要です。セミナーや個別相談を通じて、会社の姿勢や知識レベルを確認しましょう。

マンション投資における節税の落とし穴とリスク

マンション投資は節税効果が期待できる一方で、慎重な判断が必要な投資手法です。特に節税効果のみに注目すると、思わぬリスクに直面する可能性があります。ここでは、主要な3つのリスクと、その対策について解説します。

節税のみに囚われた投資の危険性

節税効果を過度に重視すると、以下のような深刻なリスクが発生する可能性があります。

リスク 具体例 対策
赤字経営 家賃収入 < 経費 収支バランスの見直し
資産価値低下 築古物件の過度な選択 物件選定基準の見直し
資金繰り悪化 過大な借入れ 返済計画の適正化

これらのリスクを回避するには、節税効果だけでなく、物件の収益性や将来性も含めた総合的な判断が必要です。

不動産投資特有のリスク

マンション投資には以下のような不動産特有のリスクが存在します。

  • 空室リスク:立地や建物の状態により入居者が決まらず、家賃収入が得られない
  • 金利上昇リスク:変動金利の場合、金利上昇により返済負担が増加
  • 大規模修繕リスク:予期せぬ修繕や設備の故障により多額の支出が必要
  • 家賃下落リスク:周辺環境の変化や競合物件の増加により家賃収入が減少

これらのリスクに対しては、立地調査の徹底や固定金利の選択、修繕積立金の確保など、事前の対策が重要です。また、複数の物件に分散投資することでリスクを軽減することも検討すべきでしょう。

税制改正による影響

近年、以下のような税制改正の動きに注意が必要です。

  • タワーマンション節税規制:2024年から評価額の見直しにより、タワーマンションの相続税評価額が引き上げられ、節税効果が減少
  • 相続税評価額の見直し:不動産の相続税評価額について、実勢価格との乖離を縮小する方向での見直しが進行中
  • 減価償却制度の変更可能性:将来的に減価償却期間や計算方法が変更される可能性も

これらの税制改正に対応するため、特定の節税方法に依存せず、複数の節税手法を組み合わせた柔軟な投資戦略を立てることが重要です。また、税理士などの専門家との定期的な相談を通じて、最新の税制動向を把握しておくことをおすすめします。

マンション投資と節税に関するよくある誤解

マンション投資における節税については、「必ず節税になる」という過度な期待と、「節税効果のある物件は儲からない」という極端な不安の、2つの誤解が存在します。これらの誤解は適切な投資判断を妨げる原因となっています。

ここでは、それぞれの誤解の実態と真実について解説していきます。

「不動産投資は必ず節税になる」は本当?

マンション投資の節税効果は、以下の要因によって大きく変動します。

  • 投資家の所得状況:課税所得が900万円以上の場合は高い節税効果が期待できますが、それ未満の場合は効果が限定的です。例えば、同じ100万円の赤字でも、課税所得900万円以上なら33%の税率で約33万円の節税になりますが、900万円未満では23%の税率で約23万円の節税に留まります。
  • 物件の特性:構造や築年数によって減価償却費が異なり、それに応じて節税効果も変化します。新築のRC造では47年の耐用年数のため年間の減価償却費は少なく、節税効果も限定的です。
  • 運用方法の違い:管理方法や修繕計画によって必要経費が変動し、それに応じて節税効果も変わります。
  • 市場環境の変化:家賃相場の変動や空室率の上昇により、実際の収支が悪化すると、節税効果以上の損失が発生する可能性もあります。

「節税効果のあるマンションは儲からない」は本当?

この考えは大きな誤解です。適切な物件選定と運用戦略により、収益性と節税効果は十分に両立可能です。例えば、以下のような戦略が効果的です。

  • 立地重視の物件選び:駅近で需要の高いエリアを選ぶことで、安定した家賃収入を確保しつつ、建物部分の減価償却による節税効果も得られます。
  • 中古物件の活用:適切な築年数の中古物件を選ぶことで、取得費用を抑えつつ、比較的大きな減価償却費を計上できます。また、リノベーションにより物件価値を高めることで、収益性も確保できます。
  • 経費の最適化:必要な修繕は適切に行いながら、管理費などの経費は効率化することで、収益と節税のバランスを取ることができます。

重要なのは、節税効果を副次的なメリットと位置づけ、収益性を主軸とした投資判断を行うことです。

まとめ

マンション投資による節税は、減価償却費の活用や損益通算など、さまざまな方法で実現できます。しかし、効果的な節税を行うためには、投資家の所得状況や物件特性を十分に理解し、適切な戦略を立てることが重要です。

節税効果は副次的なメリットと位置づけ、物件の収益性を主軸とした投資判断を行うことで、安定した資産形成と効果的な節税の両立が可能になります。信頼できる不動産会社との連携や専門家のアドバイスを活用し、長期的な視点で投資を進めることで、より確実な成果を上げることができます。

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