賃貸管理会社変更を考える理由と方法!予想されるトラブルや管理会社を選ぶ時のポイントも紹介
不動産を所有するオーナーの方は、通常は管理会社を通じて入居者とのやり取りをしているケースが多いと思います。もし管理会社の対応に不満があったり、連絡ミスが多発したりしている場合は、他社への乗り換えを検討する場合もあるでしょう。本記事では、管理会社変更にまつわる注意事項やトラブル回避のコツなどについて、詳しく解説します。
不動産オーナーが管理会社変更を考える理由
不動産オーナーが管理会社を変更したいと考える場合には、以下のような理由が考えられます。
- 担当者に不満がある
- 物件管理の質に不満がある
- 空室率を改善したい
- 費用を見直したい
- 賃貸管理会社の経営状況が良くない
- 不動産オーナーチェンジにあわせて変更する
まず当然のことですが、管理会社の担当者に不満があれば、会社を変えたいと思うのもムリはありません。ビジネスマンとしての資質に欠けるといった理由はもちろんのこと、物件管理がいい加減など「業務のクオリティに問題がある」「空室率がなかなか解消されない」といった場合も同様です。
また、管理自体には満足しているものの、支払う費用が高すぎる場合にも乗り換えを検討したくなるもの。管理会社の経営状態が良くない場合も、ビジネス上の付き合いをやめたいと考えるのが自然です。
たとえ明確な理由がなくとも、不動産のオーナーが替わるタイミングで管理会社を変更するというケースもよくあります。
そもそも不動産の管理ってどんなことをするのか、基本的な内容を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
参考記事:管理費は何に使う?管理費の相場と決め方について詳しく解説
管理会社の変更は可能!
不動産オーナーが管理会社の変更に関して法的な問題はなく、コスト削減や管理会社に対する不満・ストレス解消、不動産管理の質の向上など、さまざまな恩恵を受けられます。
一方で、あまりにも頻繁に管理会社が変わると入居者が不安に感じたり、管理ルールの変更に伴う注意点が増え、入居者の負担に繋がるというデメリットも存在します。
管理会社変更時の注意点
管理会社を変更する際、不動産オーナーが注意すべき点として、以下のような項目が挙げられます。
- 入居者の振込口座を変更
- 火災保険の切り替え発生
- 融資機関に管理会社変更を事前告知
- 保証会社の保証が切れる
- 引き継ぎがスムーズに行われない可能性
- 契約内容が悪化するリスク
- 違約金が発生する可能性
- 点検は別費用が発生するなど別途料金の発生
- 更新時の更新費用の違い
まず入居者の振込口座変更や、火災保険の切り替え、さらに融資がある場合は金融機関に管理会社変更を告知するなど、さまざまな事務手続きを行わなければなりません。保証会社との契約も一からやり直す必要があり、新たに書類を作成する手間もかかります。
また、新旧の管理会社の間で、引き継ぎがスムーズに進まない可能性も否定できません。引き継ぎが完了しても、新しい管理会社が契約通りに管理業務を遂行しない場合、管理契約内容が悪化してしまう恐れもあります。
さらに、管理会社の契約解除に伴う違約金や点検費用がかかったり、更新費が今まで以上にかさんだりすることもあり、コスト面での圧迫も予想されます。
これらはすべて不動産オーナー側の負担になりますので、管理会社の変更には、リスクも伴うことも承知しておくといいでしょう。
管理会社変更時に起こるトラブル
管理会社を変更することで、不動産オーナーがさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性も否めません。
口座変更や契約内容の変更によるクレーム発生
管理会社を変更したことで入居者が不便を強いられ、クレームが発生する恐れがあります。家賃回収業務を新しい管理会社が引き継ぐ場合、新しい振込口座を入居者に通知した上で、新たに引き落とし申し込みの手続きを行う必要があります。
入居者にとっては本来やらなくてもいい手続きのため、仕事や育児・介護等で忙しい時には面倒に感じてしまうことも。振込口座変更等をお願いする場合は、できるだけ丁寧に伝えるようにしましょう。通知の仕方によってはクレームにつながったり、口座変更の手続きをなかなかしてもらえずに、家賃滞納となる場合もありますので、くれぐれも慎重に行ってください。
口座変更や契約内容の変更については、できるだけ丁寧に説明し、入居者の理解を得るようにしましょう。
入居者クレームの引き継ぎが不十分
水漏れや騒音など何か問題があった場合に、入居者から管理会社にクレームが入ることはよくありますが、その内容が新しい管理会社に上手く引き継がれていない場合、さらなるクレームを発生させてしまう危険性もあります。
入居者からすれば「あれだけ言ったのに対応してくれない」と不満を溜めるのは明白ですし、新しい管理会社は「何も聞いていない」と戸惑うことに。入居者からの過去のクレーム事項は、必ずしっかりと引き継ぎをするよう、旧管理会社に強く訴えましょう。
旧賃貸管理会社から嫌がらせされる
実際にあったトラブルとして、旧管理会社から嫌がらせをされるというケースも少なくありません。前述したような入居者からのクレームをわざと伝えなかったり、引き継ぎ作業を作為的に引き延ばして、新しい管理会社の仕事を滞らせたりといった嫌がらせを受けたという事例も発生しています。
旧管理会社との関係を穏便に保ち、決して“ケンカ別れ”のような状態に持ち込まないようにしましょう。
トラブルを回避するためにオーナーができる対策
不動産オーナーが、先のようなトラブルを回避するためにできるのは、管理会社を変える理由を入居者にしっかり説明することと、新旧管理会社間での引き継ぎを滞りなく済ませることです。
入居者に管理会社を変える理由やメリットを説明する
すべての入居者に、なぜ管理会社を変える必要があるのか、その理由を詳しく説明した上で、管理会社変更に伴うメリットを強調します。
その際、従来の管理会社の欠点をあげつらうだけでは、物件そのものにマイナスイメージを持たれてしまいますので、「●●が悪いから変える」のではなく、「変えることで●●といった良い効果がある」といったポジティブなストーリーに仕立てることをおすすめします。
管理会社の引継ぎをしっかり行う
管理会社の変更によって起こるトラブルのほとんどが、新旧の会社同士で引き継ぎが十分に行われていないという理由から発生しています。引き継ぎの際は不動産オーナーもできるだけ立ち会い、管理会社まかせにしないようにしましょう。
管理会社変更時の流れ
管理会社を変更する際は、次の手順に沿って行うとスムーズです。
- 今の「不満」を整理しておく
- 複数の賃貸管理会社に見積もりをとる
- 入居者との総会開催
- 今の賃貸管理会社へ解約通知
- 賃貸管理会社間での引き継ぎ業務
- 入居者へ通知
まず大事なのが、現状の管理会社に対する「不満」を整理することです。何の不満もなければ管理会社を変える必要はありませんので、オーナー側が抱えている「不満」と、入居者側から相談されることで気づく「不満」をそれぞれ整理しておきましょう。
不満が明らかになり、管理会社を変える決心がついたら、複数の賃貸管理会社から見積もりを取りましょう。この見積提出の際に、担当者との相性をチェックしておくこともポイントです。見積価格がほぼ同額だった場合は、自分と相性が良さそうな担当者がいる会社を選ぶと間違いがありません。
新しく管理をまかせる会社が決定したら、入居者との総会を開催して、変更の旨を説明します。この時に前述した通り、管理会社変更によるメリットを強調するようにすると、入居者からの賛同を得やすくなります。
次に、今契約している管理会社へ解約通知を行い、新しい会社への引き継ぎを行うように促します。引き継ぎにはできるだけオーナー自身も立ち会うようにして、「言った言わない」のトラブルが起こらないように注意します。引き継ぎが無事に完了したら、管理会社が変更になった旨を入居者へ通知します。通常は「管理会社変更通知書」を作成して、文書で通知するのが慣例ですので、下の見本を参照してください。
▲管理会社変更通知書の見本
管理会社変更のNGな時期とおすすめな時期
管理会社を変更する時期としては、なるべく1月~3月、9月~10月を避けることをおすすめします。この時期は賃貸仲介業全体の繁忙期に当たり、どの管理会社も多忙なため、引き継ぎがスムーズに行われないなどの恐れがあるためです。
管理会社の変更におすすめのタイミングは、4月~5月頃に旧管理会社に解約を通知し、7月~8月から新しい管理会社への委託をスタートする、あるいは7月~9月に解約通知、11月~12月に新管理委託、のいずれかになります。オーナー自身の繁忙期と照らしながら、このうちのどちらかで管理会社の変更作業を進められるとベストです。
変更先の管理会社を選ぶポイント
新しく管理委託契約を結ぶ会社を選ぶ際には、次のようなポイントに気をつけるといいでしょう。
- オーナーとの連携を密にし不満聴取・改善・提案をしてくれる
- 物件管理の質の見直し・改善をしてくれる
- 空室率改善への取り組みがしっかりしている
- 費用の見直しと付加価値あるサービスの提供
- 入居者からの物件管理への不満聴取・改善をしてくれる
不動産オーナーとの連携がまめで、管理業務に何か不満があればすぐにヒアリングして、改善を行ってくれるフットワークの良さを重視します。さらに改善に加えて、「こうしたらどうか」と提案してくれる会社のほうがベターです。
このような会社は管理クオリティも高いことが多く、万が一問題があってもすぐに改善してくれるという安心感があります。もちろん、空室率改善に力を入れているかどうかについては、必ずチェックするようにしましょう。空室率を減らすための具体的な取り組みや施策は、管理会社選定の重要なポイントとなりますので、時間をかけて確認するべきです。
さらに、管理業務にかかるコストも軽視できません。ただし、「安かろう悪かろう」では意味がありませんので、コストは若干高めでも、それに見合う付加価値あるサービスを提供してくれる会社を選ぶようにしてください。
また、オーナー側のみならず、入居者に対しても積極的にコンタクトを取ってくれる会社であれば、物件管理への不満にもすぐに気づくことができ、結果として長く住んでもらえることになるためメリットが大きいです。今はスマホアプリ等を利用して、効率的に入居者の声を拾い上げてくれることを売りにしている会社もありますので、ITツールに明るいかどうかについてもぜひチェックしてみましょう。
GMO賃貸DXなら入居者からの不満も吸い上げ可能
現在、管理会社との関係に課題を抱えているオーナーの方には、不動産管理会社向けオーナーアプリ「GMO賃貸DX」を利用してみませんか。「GMO賃貸DX」は管理会社とのやり取りを一括管理し、日々の負担を軽減してくれる便利なプラットフォーム(アプリ)です。
管理会社とのやり取りが楽になるのに加え、入居者からの意見や要望などもアプリを通じて吸い上げることができ、コミュニケーションが活発になります。入居者の物件に対する不満を解消することができるため、結果として長期間の賃貸契約につながります。
まとめ
不動産オーナーにとって、管理会社とのお付き合いは欠かすことのできない主幹業務であり、不満が募れば別の会社に変えたいと思うこともあるかもしれません。しかしながら、管理会社変更にはしかるべきタイミングがあったり、さまざまな注意点があったりと、一朝一夕に変えることが難しい場合も。
現在は「GMO賃貸DX」などの便利なアプリもありますので、こうしたツールを効果的に活用しつつ、管理会社と上手にお付き合いしてみてはいかがでしょうか。
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