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不動産テックとは?管理会社のDXや今後の展望について分かりやすく解説

不動産管理会社のDX|不動産テックを分かりやすく解説

さまざまな業界でITテクノロジーによる変革が進むなか、いよいよ不動産業界にも「テック化」の波が来ています。

本記事では、不動産業界でこれまでIT化が進んでいなかったのはなぜか、「不動産テック」とはどのようなものか、不動産テックによって不動産業界にはどのような影響がもたらされるか。

最新の不動産テックの「カオスマップ」を参照しながら、詳しく解説します。

目次

    不動産テックとは?

    不動産管理会社のDX|不動産テックを分かりやすく解説

    不動産テックとは、「不動産」と「テクノロジー」を掛け合わせることで、テクノロジーのパワーによってこれまでの商習慣や業務スタイルを変えようとする考え方です。不動産業界に限りませんが、従業員の高齢化や賃貸管理業務のシステム化の遅れなどが問題となっているなか、IT技術と不動産業務の融合・革新を目指した「管理業務支援」分野における不動産テックは今後の成長性が高い領域です。

    本記事では、不動産テックの導入によって不動産管理会社でどのような業務効率化が図れるか、メリットと注意点も解説します。

    もう少し広く考えると、業界の「テック化」とは、既存の業界に最新のテクノロジーを組み合わせることで、新しい価値を提供することです。とくに2000年代以降は、単にテクノロジーを活用して業務の効率化を図るだけに留まらず、業界の慣習やスタイルも根底から変革するような動きが加速しています。

    先行する金融業界のフィンテックや健康産業のヘルステック、人事領域のHRテック、教育分野のエドテックなどの業界では、すでに最新のテクノロジーを活用することで大きな変革を遂げつつあります。これまで「テック化」が最も遅れているともいわれてきた不動産業界にも、テック化の波が押し寄せてきています。

    日本の不動産業界のテックはなぜ遅れたのか?

    日本の不動産業界でテック化が遅れた理由は、不動産という商品の特性とそれに伴う業界の慣習にあるといえます。

    不動産は高額であり、一度契約をしたら気軽に借り替えたり買い替えたりするのが難しい商品です。そのため、不動産の情報をECサイトのように掲載するだけでオンライン上で不動産の引き渡しまでを完結させることは、現状では難しいといわれています。不動産の借り手や買い手にとっては、慎重に検討するために実際に物件を見学することが多いのです。

    一方で、不動産の貸し手や売り手にとっては、所有者の資産状況を安易に知られたくない事情から、不特定多数に物件の情報を公開したくない側面があります。そのため、情報の開示が限定的になり、オンライン上などで広く情報が出回っていない現状があります。
    不動産業者によっては、情報の開示が限定されていることをいいことに、情報を不透明化して自社に有利な取引をしようとすることがあります。

    もう一つの理由は、不動産業者では古くから続く慣習により、オフラインに依存する面が多いことです。いまだに集客の手段がチラシの配布や店頭の間取図掲載などのオフラインでの施策が中心であったり、連絡の手段も電話やFAXなどが中心となっています。

    これらの理由により、不動産の情報がインターネット上に気軽に公開されていないことが、国内の不動産業界のテック化が遅れた要因と考えられます。

    不動産テックによってもたらされるメリット

    近年、不動産業界でもスマートフォンなどの通信デバイスの普及やデジタル化が進み、情報がオンライン化されてきました。それにより、他の業界でのテック化と同様に、ビッグデータやAI技術の活用、新たなマッチングプラットフォームの誕生につながってきています。

    不動産業界でのデジタル化が進み、物件に関する情報がオンライン化されることで、情報の発信者と受信者のやりとりを効率的に行うことができるようになりました。また、連絡手段がデジタル化したことで、作業を第三者にアウトソーシングすることや機械的な処理をすることで、さらに効率化することができるようになってきているのです。

    オンライン化されたデータが大量に集まることで、ビッグデータやAIの技術を活用することができるようになります。自分に合った不動産情報を効率よく見つけられるようになるだけでなく、たとえば世界に一つしかない物件にも、類似した物件のデータを活用することで、自動で価格の査定などができるようになるのです。

    これまでオフラインでしか存在しなかった情報がオンライン化されたことで、新たな価値が見出され、新たなマッチングプラットフォームが誕生してきています。これらの技術の進歩は、利用者のメリットにつながっています。
    既存の業務の効率化で、利用者の利便性が上がるのです。今後さらに、不動産テックは求められ加速していくことでしょう。

    不動産テック「カオスマップ」におけるテクノロジー活用事例

    不動産テックカオスマップ2021年7月8日発表 第7版

    引用元:一般社団法人不動産テック協会

    一般社団法人不動産テック協会では、不動産テックのカオスマップを公開しています。同協会によると、その掲載要件は次のようになっています。

    • AI、IoT、ブロックチェーン、VR/AR、ロボットなど現時点において先進的なテクノロジーを活用しているビジネスまたはサービス
    • 一般的なITやビッグデータを活用することで、従来にはなかった新しい価値や顧客体験をつくり出しているビジネスまたはサービス
    • 一般的なITやビッグデータを活用することで、既存の業界課題の解決や商習慣・慣例を打破しているビジネスまたはサービス
    • 一般的なITやビッグデータを活用することで、オンラインプラットフォームを実現しているビジネスまたはサービス

    これらを満たす企業が年々増え続け、日本の不動産テックも拡大のフェーズを迎えています。カオスマップによれば、不動産テックの領域は下記12領域に分けられます。

    • VR・AR
    • IoT
    • 不動産情報
    • 仲介業務支援
    • 管理業務支援
    • ローン・保証
    • クラウドファンディング
    • 価格の可視化・査定
    • マッチング
    • シェアリング
    • リフォーム・リノベーション

    各領域における活用事例については下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

    関連記事:不動産業界の今後と現状の課題|不動産テックの活用事例から見る不動産業界の未来

    不動産テックにおける市場規模 投資家やベンチャー企業の注目を集める理由

    不動産テックが投資家やベンチャー企業の注目を集める理由

    1:巨大市場をさらに拡大するポテンシャル

    日本国内の不動産業界の市場規模は、財務省の「年次別法人企業統計調査(平成30年度)」によると、2018年度で約46.5兆円といわれています。これだけの大きな市場のため、テック化により削減される業務効率の割合や、新規サービスの提供する価値の大きさが、業界に大きな影響を及ぼすと考えられます。

    大きな市場であり、業界に大きな改善の余地が残されていることは、それだけ市場の成長や企業の成長につながると考えられるのです。

    ※参考資料:財務省

    2:他業種との高い親和性

    不動産業界は、金融業界や建設業界とも密接な関係にあります。
    金融業界はフィンテックで改革が進んでいる業界です。そのため、不動産テックはフィンテックと連携して市場を変革できる可能性があるのです。
    建設業界は国土交通省の発表によると、2018年の市場規模は53.4兆円となっていす。不動産業界と同様に巨大な市場であることから、こちらも大きな可能性を秘めている業界であるといえます。

    これらの背景から、不動産業界は投資家にとっても起業家にとっても目が離せない業界であるといえるでしょう。

    ※参考資料:国土交通省

    不動産テックが変える不動産の未来とは?

    これまでの不動産は、物件を探す人が街の不動産屋でめぼしい物件を探し、営業担当と一緒に物件を見学していました。そして物件が気に入った場合は、オフィスで対面の重要事項説明を受け、契約をするプロセスを踏んでいました。

    これがテック化することで、インターネットで気に入った物件を探し、それをARやVRでバーチャル見学。契約もオンラインを介し、重説もネット上で完結することができるようになります。

    不動産業者が介在しなくても成立する仕組みになることから、今後は個人が個人を相手に取引をするCtoCも普及してくる可能性もあります。

    関連記事:【2020年度版】不動産管理会社の新しいビジネスモデル

    まとめ

    市場規模が大きいにもかかわらず、これまでオフライン中心のやりとりをしてきた不動産業界。不動産テックのカオスマップが盛り上がりを見せていることからも、今後業界で大きな変革が生まれる兆しがうかがえます。

    不動産テックにより、不動産業界全体が大きく変革することで、人々はより効率的に理想の不動産と出合えるようになることでしょう。そして、人々がライフステージに合わせて気軽に何度も住み替えや移動ができるようになることで、不動産業界も大きく発展していくのではないでしょうか。

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